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8コアCPUとRTX 3080を持ち運べるロマン、ROG Flow X13とXG Mobile GPUをテスト

 ASUSの新作モバイルゲーミングノート「ROG Flow X13」は、AMDの新世代APU「Ryzen 9 5980HS」を搭載するだけでなく、専用GPUドック「ROG XG Mobile GPU」が用意されたユニークな製品だ。今回は、外付けGPUドックと接続したROG Flow X13が、どれほどのゲーミング性能を発揮するのか確かめてみた。

2in1スタイルのモバイルゲーミングノート「ROG Flow X13」

 まずは、ASUS ROG Flow X13について紹介しておこう。

 ASUSのROG Flow X13は、本体重量を約1.35kgに抑えた13.4型モバイルゲーミングノート。本体サイズは298.7×223.2×15.95mm(幅×奥行き×高さ)で、2in1スタイルでの利用を可能とする360度回転ヒンジや、最大10時間の動画再生が可能な内蔵バッテリ(62Wh)を搭載している。

 CPUには、AMD最新のモバイル向けAPU「Ryzen 9 5980HS」を搭載しており、dGPUとして「GeForce GTX 1650 Max-Q」も備えている。ディスプレイにアスペクト比16:10の液晶パネルを採用しており、今回テストする機材には3,840×2,400ドットの高精細液晶が搭載されていた。そのほか、メインメモリは32GBのLPDDR4-4266、1TBのNVMe SSDなどを備える。

13.4型モバイルゲーミングノート「ASUS ROG Flow X13」
360度回転ヒンジを採用した2in1スタイルのPCだ
【表1】ASUS ROG Flow X13のおもな仕様
CPURyzen 9 5980HS
iGPURadeon Graphics (APU内蔵)
dGPUGeForce GTX 1650 Max-Q 4GB
メモリLPDDR4X-4266 32GB
ストレージ1TB NVMe SSD
ディスプレイ13.4型WQUXGA液晶(3,840×2,400ドット)
OSWindows 10 Pro
本体サイズ298.7×223.2×15.95mm
重量約1.35kg
厚さ15.95mmの薄型筐体を採用
テスト用に借用したROG Flow X13は英字キーボードを搭載していた。タッチパッドはボタン一体型
液晶パネルはタッチ操作対応で、ヒンジを360度回転させればタブレットスタイルで利用できる
ヒンジを約180度まで開いたところ
天板。カラーはマットブラックで、落ち着きのあるデザインを採用している
底板。通気口とスピーカーが配置されている
左側面。画像左から、ROG XG Mobile Interface(USB 3.2 Gen2 Type-C + PCIe 3.0 x8)、HDMI 2.0b、ヘッドセット端子、インジケータLED
右側面。画像左から、電源スイッチ、USB 3.2 Gen 2 Type-A、USB 3.2 Gen 2 Type-C

 ROG Flow X13は、単体では「ゲーミング」より「モバイル」寄りのノートパソコンだ。Ryzen 9 5980HSのCPU性能は優れているが、dGPUとして搭載されたGeForce GTX 1650 Max-Qも4K解像度を超える液晶ディスプレイの表示能力を引き出すには力不足であり、ゲーミングパソコンとしてはアンバランスな組み合わせであるとも言える。

 そんなROG Flow X13に強力なGPU性能をもたらすのが、専用GPUドックROG XG Mobileであり、ROG Flow X13の左側面にはGPUドックと接続するためのインターフェイス「ROG XG Mobile Interface」が用意されている。

左側面に配置されているROG XG Mobile Interface。USB 3.2 Gen2 Type-Cと、独自のPCIe 3.0 x8コネクタがセットになっている。USB Type-Cは単体でも利用可能
ROG XG Mobile Interfaceを使用しない場合は、コネクタカバーを取り付けて端子を保護する

ASUS ROG Flow X13専用の外付けGPUドック「ASUS ROG XG Mobile」

 ASUS ROG XG Mobileは、NVIDIAのモバイル向けGPU「GeForce RTX 3080 Laptop GPU」を内蔵する外付けGPUドック。PCとの接続には独自の「ROG XG Mobile Interface」を採用しており、記事執筆時点ではROG Flow X13専用品となっている。

 内蔵GPUのGeForce RTX 3080 Laptop GPUは、Ampereアーキテクチャを採用する最新のモバイル向けハイエンドGPUで、6,144基のCUDAコアや、第2世代RTコア、第3世代Tensorコアを備えている。ROG XG Mobileには、VRAMとして14Gbps動作のGDDR6メモリが16GB搭載されており、GPUコアと256bitのメモリインターフェイスで接続することで448GB/sのメモリ帯域幅を実現している。

 本体サイズ208×155×29.6mmの筐体には280Wの電源ユニットが内蔵されており、ROG Flow X13との接続時には、USB PDでノートパソコン側へ電力供給が可能なACアダプタとしても機能する。本体重量は約1kgであり、ROG Flow X13と合わせても2.5kg未満という持ち歩けるレベルの重量を実現した。

 また、ROG XG Mobileには、外部ディスプレイ接続用のHDMI 2.0やDisplayPort 1.4の他、USB 3.2 Gen1(4基)、Gigabit Ethernet、SDカードリーダなどが用意されており、本体にインターフェイスの少ないROG Flow X13に代わって、ゲーミングデバイスなどを接続しておくことができる。

外付けGPUドック「ASUS ROG XG Mobile」
本体背面のインターフェイス。HDMI 2.0、DisplayPort 1.4、USB 3.2 Gen1(4基)、Gigabit Ethernet、AC入力
ケース側面の通気口付近にUHS-II対応のSDカードスロットを装備
ノートパソコン接続用のROG XG Mobile Interface
【表2】ASUS ROG XG Mobileのおもな仕様
GPUGeForce RTX 3080 Laptop GPU
VRAM16GB GDDR6 (14Gbps)
インターフェイスROG XG Mobile Interface (PCIe 3.0 x8 + USB Type-C)
画面出力端子HDMI 2.0(1基)、DisplayPort 1.4(1基)
USBポートUSB 3.2 Gen 1(4基)
電源280W内蔵電源
その他SDカードリーダ(UHS-II)、Gigabit Ethernet
本体サイズ208×155×29.6mm
重量約1kg

 ROG XG MobileとROG Flow X13を接続するROG XG Mobile Interfaceは、PCIe 3.0 x8コネクタとUSB Type-Cコネクタを組み合わせたもので、ノートパソコン本体のCPUとGeForce RTX 3080 Laptop GPUはPCIe 3.0 x8で接続される。

 ROG XG Mobile Interfaceを接続すると、ROG Flow X13側でROG XG Mobileを有効化するためのアプリケーションが起動し、ノートパソコン内蔵のdGPUからROG XG Mobileに切り替えることを承諾すると、ROG XG MobileとROG Flow X13の接続処理が開始される。この処理は20秒弱で完了し、再起動などを行なうことなくROG Flow X13でGeForce RTX 3080 Laptop GPUが利用可能となる。

ROG XG Mobile Interface
ROG XG Mobile Interfaceを接続するとインジケータLEDが白色で点灯し、パソコン側ではGPU切り換えアプリが起動する
GPUの切り替え処理は20秒弱で完了し、再起動などを行なうことなくdGPUがGeForce RTX 3080 Laptop GPUに切り替わる
ROG Flow X13との接続が完了したROG XG Mobile。接続中はコネクタのインジケータLEDが赤く発光する

テスト機材

 今回は、ROG XG Mobileを接続したさいのゲーミング性能を、ROG Flow X13の内蔵dGPUであるGeForce GTX 1650 Max-Qと比較するかたちで確認していく。

 なお、普段のGPUテストでは「フルHD」、「WQHD」、「4K」という3種類の画面解像度でテストを行なっているが、ROG Flow X13の搭載ディスプレイがアスペクト比16:10であるため、設定可能なゲームでは、フルHDの代わりに「WUXGA(1,920×1,200ドット)」、WQHDの代わりに「WQXGA(2,560×1,600ドット)」、4Kの代わりに「3,840×2,400ドット」でテストを実行している。

【表3】テスト機材一覧
外付けGPU (dGPU)GeForce RTX 3080 Laptop GPUGeForce GTX 1650 Max-Q
VRAM容量16GB4GB
CPURyzen 9 5980HS
コア数/スレッド数8/16
CPUパワーリミットPPT:42W、TDC:51A、EDC:105A
メモリLPDDR4X-4266 32GB
APU内蔵GPU (iGPU)Radeon Graphics
システム用SSD1TB NVMe SSD
アプリケーション用SSDSanDisk Ultra 3D SSD (USB 3.2 Gen 1)
電源ROG XG Mobile内蔵 (280W)ACアダプタ (100W)
iGPUドライバRadeon Software 21.1.1 (27.20.14527.2002)
dGPUドライバGeForce Game Ready Driver 461.40 (27.21.14.6140)
OSWindows 10 Pro 64bit (Ver 2004 / build 19041.746)
電源プランバランス
室温約24℃
GeForce RTX 3080 Laptop GPUのGPU-Z実行画面
GeForce GTX 1650 Max-QのGPU-Z実行画面

ベンチマーク結果

 それではベンチマーク結果をみていこう。

 実施したテストは、「3DMark」、「VRMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Forza Horizon 4」、「DIRT 5」、「フォートナイト」、「レインボーシックス シージ」、「VALORANT」、「オーバーウォッチ」、「Call of Duty: Black Ops Cold War」、「サイバーパンク2077」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「ウォッチドッグス レギオン」、「Godfall」、「Horizon Zero Dawn」、「Microsoft Flight Simulator」、「V-Ray Benchmark」、「Blender Benchmark」。

3DMark

 3DMarkでは、DirectX 12テスト「Time Spy」、DirectX 11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、DirectX Raytracing(DXR)テストの「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」を実行した。なお、GeForce GTX 1650 Max-Qでは、Wild Life、Port Royal、DirectX Raytracing feature testでスコアを取得できなかった。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、Time Spyで2.8~3.1倍、Fire Strikeで2.4~3.7倍という大差をつけてGeForce GTX 1650 Max-Qを上回った。とくに、GPU負荷の高くなる高負荷テストほど大きな差がついており、ROG XG Mobileを用いることでGPU性能が飛躍的に向上していることがわかる。

【グラフ01】3DMark v2.16.7117「Time Spy」
【グラフ02】3DMark v2.16.7117「Time Spy Extreme」
【グラフ03】3DMark v2.16.7117「Fire Strike」
【グラフ04】3DMark v2.16.7117「Fire Strike Extreme」
【グラフ05】3DMark v2.16.7117「Fire Strike Ultra」
【グラフ06】3DMark v2.16.7117「Wild Life」
【グラフ07】3DMark v2.16.7117「Port Royal」
【グラフ08】3DMark v2.16.7117「DirectX Raytracing feature test」

VRMark

 VRMarkでは、DirectX 11テスト「Orage Room」、DirectX 12テスト「Cyan Room」、5K解像度テスト「Blue Room」を実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUはGeForce GTX 1650 Max-Qに対して、Orange Roomで約2.6倍、Cyan Roomで約2.9倍、Blue Roomでは約3.2倍の差をつけた。単体ではGPU性能的にVRゲームの利用が厳しいROG Flow X13だが、ROG XG Mobileを接続すればVRゲームをプレイするのに十分なGPU性能を得ることができる。

【グラフ09】VRMark v1.3.2020「スコア」
【グラフ10】VRMark v1.3.2020「平均フレームレート」

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でテストを実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeFoce GTX 1650 Max-Qに約1.9~3.3倍の大差をつけ、すべての画面解像度で最高評価である「非常に快適」を獲得した。この結果は、ROG XG Mobileを接続すれば、超4Kである3,480×2,400ドットでもゲームをプレイできるという可能性を示すものだ。

【グラフ11】ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、描画品質を「高品質」に固定して、アスペクト比16:9の画面解像度でテストを実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qの約2.8~3.4倍のスコアを記録した。GPU負荷の高いタイトルであるため、フルHD解像度から両GPUの間には大きな差がついている。

【グラフ12】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

Forza Horizon 4

 Forza Horizon 4では、描画品質を「ウルトラ」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qの約2.0~3.1倍の平均フレームレートを記録した。すべての画面解像度でGeForce RTX 3080 Laptop GPUは60fpsを上回っており、滑らかな映像でForza Horizon 4を楽しむことができる。

【グラフ13】Forza Horizon 4 (v1.460.859.2)

DIRT 5

 DIRT 5では、描画品質を「Ultra High」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でベンチマークモードを実行した。なお、本タイトルではWQXGA(2,560×1,600ドット)が選択出来なかったため、代わりにQWXGA+(2,880×1,800ドット)でのテストを実施している。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qの約3.0~3.6倍の平均フレームレートを記録した。GeForce RTX 3080 Laptop GPUでも平均で60fpsを上回ったのはWUXGAのみだが、描画品質を多少調整すればQWXGA+でも60fpsクラスのフレームレートでゲームを楽しめるだろう。

【グラフ14】DIRT 5 (v1.0.251476.171)

フォートナイト

 フォートナイトでは、描画品質「最高」と、同設定をベースにレイトレーシング(最高)とDLSS(バランス)を有効化した設定で、アスペクト比16:10の画面解像度でフレームレートを測定した。テスト時のグラフィックスAPIは「DirectX 12」。

 レイトレーシング無効時のGeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Q比で約3.0~4.9倍の平均フレームレートを記録し、WQXGA以下の画面解像度では60fpsを大きく上回った。

 すべての設定を最高設定でレイトレーシングを有効化した場合、GeForce RTX 3080 Laptop GPUではDLSSをバランス設定で有効化しても平均60fpsに届かなかったが、55.3fpsを記録したWUXGAであれば、レイトレーシングや画質の設定を多少調整するだけで60fps以上でのプレイが狙えるだろう。

【グラフ15】フォートナイト (v15.21) - レイトレーシング無効
【グラフ16】フォートナイト (v15.21) - レイトレーシング有効

VALORANT

 VALORANTでは、描画品質を可能な限り高い設定に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でフレームレートを測定した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUとGeForce GTX 1650 Max-Qの差は約32~69%だった。両GPUの間に数倍もの差がつくほかのゲームに比べると小さな差となっているのは、VALORANTがGPU負荷の低いゲームであるため、GPU性能以外のボトルネックによってGeForce RTX 3080 Laptop GPUが全力を出し切れていないからだ。

【グラフ17】VALORANT (v02.01.00.511946)

オーバーウォッチ

 オーバーウォッチでは、描画品質を「エピック」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でフレームレートを測定した。テスト時のレンダー・スケールは「100%」

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qの約2.8~3.1倍の平均フレームレートを記録した。平均フレームレートもすべての解像度で60fpsを上回っており、ROG Flow X13が備える3,480×2,400ドット液晶の表示能力を最大限に活用してオーバーウォッチをプレイすることができる。

【グラフ18】オーバーウォッチ (v1.56.0.0.77262)

Call of Duty: Black Ops Cold War

 Call of Duty: Black Ops Cold Warでは、基本の描画品質をもっとも高くした設定と、それをベースにレイトレーシング(ウルトラ)とDLSS(バランス調整済み)を有効化した設定で、フレームレートの測定を実施した。

 レイトレーシング無効時、GeForce RTX 3080 Laptop GPUはWQXGA以下で60fps以上を記録した。比較に用意したGeForce GTX 1650 Max-Qについては、VRAM容量の不足によって画面の描画に破綻が生じたためデータなしとしている。

 レイトレーシング有効時は、もっとも低解像度のWUXGAでも平均58.4fpsで、GeForce RTX 3080 Laptop GPUでも60fpsには届いていない。60fps以上の維持を望むのであれば、グラフィックやレイトレーシングの品質を多少妥協することになるだろう。

【グラフ19】Call of Duty: Black Ops Cold War (v1.7.6.8408002) - レイトレーシング無効
【グラフ20】Call of Duty: Black Ops Cold War (v1.7.6.8408002) - レイトレーシング有効

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、レイトレーシングが無効の描画品質プリセット「ウルトラ」の他、レイトレーシングとDLSSが有効化される「レイトレーシング:中」と「レイトレーシング:ウルトラ」で、フレームレートの測定を実施した。

 レイトレーシング無効時、GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qの約3.0~4.5倍の平均フレームレートを記録した。そのフレームレートは、WUXGAでも55.8fpsで60fpsには届いていないが、プレイ可能なフレームレートではある。より高いフレームレートを狙うなら、描画品質設定を見直すか、DLSSの有効化を検討したい。

 レイトレーシング有効時は、ROG Flow X13のフル解像度である3,480×2,400ドットでは30fpsを割り込んでしまうが、WQXGA以下であればプレイできるだけのフレームレートを実現できている。

【グラフ21】サイバーパンク2077 (v1.11) - レイトレーシング無効
【グラフ22】サイバーパンク2077 (v1.11) - レイトレーシング有効

アサシン クリード ヴァルハラ

 アサシン クリード ヴァルハラでは、描画品質を「最高」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、WUXGAで64fps、WQXGAでも51fpsを記録しており、3,480×2,400ドットでも30fpsをわずかに上回っている。描画品質を多少妥協すれば、ROG Flow X13のフル解像度である3,480×2,400ドットでもプレイできそうだ。

 一方、ROG Flow X13内蔵のGeForce GTX 1650 Max-Qには約4.6~16倍という大差をつけているが、これにはGeForce GTX 1650 Max-QのVRAM容量不足が影響している。

【グラフ23】アサシン クリード ヴァルハラ (v1.1.1)

ウォッチドッグス レギオン

 ウォッチドッグス レギオンでは、描画品質プリセット「最大」と、それをベースにレイトレーシング(最大)とDLSS(バランス)を有効化した設定で、ベンチマークモードを実行した。

 レイトレーシング無効時、GeForce RTX 3080 Laptop GPUはWQXGA以下で30fpsを超える平均フレームレートを記録しており、WUXGAでは61fpsを記録した。この数値はVRAM不足で20fps未満の結果となったGeForce GTX 1650 Max-Qに約3.9~5.6倍の差をつけている。

 レイトレーシングとDLSSを有効化した設定でも、WQXGA以下では30fpsを上回るプレイアブルなフレームレートを記録している。

【グラフ24】ウォッチドッグス レギオン (v1.3.0) - レイトレーシング無効
【グラフ25】ウォッチドッグス レギオン (v1.3.0) - レイトレーシング有効 + DLSS

Godfall

 Godfallでは、描画品質を「最高」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、VRAM不足のGeForce GTX 1650 Max-Qに約3.8~6.9倍の差をつけ、WUXGAでは60fpsを上回る70.1fps、WQXGAでも51.5fpsというプレイアブルなフレームレートを記録している。フル解像度の3,480×2,400ドットでも30.8fpsを記録しており、描画品質を調整すれば超高精細な映像でGodfallを楽しむこともできる。

【グラフ26】Godfall (v2.3.15)

Horizon Zero Dawn

 Horizon Zero Dawnでは、描画品質を「最高画質」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でベンチマークモードを実行した。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qに約2.5~3.1倍の差をつけ、WQXGA以下では60fpsを超える平均フレームレートを記録した。最大解像度の3,480×2,400ドットでも40fpsを記録しており、最高画質設定でもプレイ可能な性能を発揮している。

【グラフ27】Horizon Zero Dawn (v1.55)

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、描画品質を「ULTRA」に固定して、アスペクト比16:10の画面解像度でフレームレートを測定した。テストでは、羽田空港から関西国際空港へのルートをAIに飛行させ、離陸後3分間のフレームレートを測定している。使用した機体は「Daher TBM 930」。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、GeForce GTX 1650 Max-Qに約2.2~12倍の差をつけているが、平均フレームレートはWQXGA以下で30fpsをわずかに上回る程度となっている。Microsoft Flight Simulatorを快適にプレイするには30fpsを維持したいので、実際にプレイするのであれば、描画品質を1ランク落とすことを検討すべきだろう。

【グラフ28】Microsoft Flight Simulator (v1.12.13.0)

Blender Benchmark

 3DCGソフト「Blender」のオフィシャルベンチマーク「Blender Benchmark」では、「OPTIX」と「CUDA」を使った場合のGPUレンダリングを実行した。

 最速を記録したのは、OPTIX利用時のGeForce RTX 3080 Laptop GPUで、同じくOPTIXを用いたGeForce GTX 1650 Max-Qより約4.6~9.7倍も速くレンダリングを実行している。ROG XG Mobileが内蔵するGeForce RTX 3080 Laptop GPUと16GBのVRAMは、ゲーマーのみならず、クリエイターにとっても魅力的なものであると言える。

【グラフ23】Blender Benchmark

ROG Flow X13のゲーミング性能を飛躍させるROG XG Mobile

 単体ではゲーミングパソコンとしてエントリークラスの性能しかもたないROG Flow X13だが、専用GPUドックである「ROG XG Mobile」を接続すると、4K解像度を超える3,480×2,400ドットでもゲームで遊べるほどのゲーミング性能を発揮する。その性能は、ハイパフォーマンスなゲーミングノートを求めるゲーマーの要求にも応えられるものだ。

 また、2in1モバイルノートパソコンとして携帯性に優れたROG Flow X13だけでなく、外付けGPUドックであるROG XG Mobileも携帯できるサイズと重量を実現しており、ノートパソコン本体とともに持ち運ぶことができるのも魅力だ。電源さえ確保できれば、どこでも強力なGPUとCPUを利用できるROG Flow X13とROG XG Mobileは、エンスージアストゲーマーやクリエイターにとって面白い選択肢となるだろう。