Hothotレビュー
まるでタブレットみたいな使い心地の一体型PC「Surface Studio」
~クリエイティブ用途での新スタイルを提案
2017年6月27日 06:00
2016年10月26日に米Microsoftから発表された、28型ディスプレイ一体型クリエイター向けハイスペックPC「Surface Studio」が、日本でも5月26日に正式投入が発表され、6月15日についに販売が開始された。
製品発表から日本での発売までにかかった約8カ月の間、一日千秋の思いで待ち望んでいた方も多いことだろう。今回、日本マイクロソフトから本製品の最上位モデルを借用できたので、使い勝手から性能まで詳細なレビューをお届けしたい。
卓上限定28型タブレットのような感覚で扱えるクリエイター向けPC
Surface Studioは4Kより高精細な4,500×3,000ドット(192dpi)の28型PixelSenceディスプレイを搭載した一体型デスクトップPC。「ゼログラビティヒンジ」と名づけられた独自のヒンジ機構が採用されており、28型大型ディスプレイを片手で直立状態から実測19度の「スタジオモード」まで無段階に調整可能だ。
クリエイター向けに開発された本製品のディスプレイは、画面比率が3:2、10点タッチに対応しており、カラープロファイルを「sRGB」、「DCI-P3」、「鮮やか(Vivid)」の3段階に切り替えられる。クリエイターが用途ごとに素速く色味を確認できるように、カラープロファイルはアクションセンターからワンタッチでの変更できる。
ラインナップは以下の3モデルだ。
- 下位モデルの構成
Core i5(第6世代)、GeForce GTX 965M(2GB)、DDR4-2133 SDRAM 8GB、Rapid Hybrid Drive(1TB HDD、64GB SSD) - 中位モデルの構成
Core i7(第6世代)、GeForce GTX 965M(2GB)、DDR4-2133 SDRAM 16GB、Rapid Hybrid Drive(1TB HDD、128GB SSD) - 上位モデルの構成
Core i7(第6世代)、GeForce GTX 980M(4GB)、DDR4-2133 SDRAM 32GB、Rapid Hybrid Drive(2TB HDD、128GB SSD)
なお今回借用したのは上位モデルで、プロセッサは第6世代(Skylake世代)の「Core i7-6820HQ(2.70~3.60GHz)」(TDP 45W)が搭載されていた。
インターフェイスは、USB 3.0 Type-A×4(1基は常時給電USB)、Mini DisplayPort×1、SDカードリーダ、Gigabit Ethernet拡張コネクタ、ヘッドフォンジャック、1080pカメラ(500万画素)、デュアルマイク、Windows Hello顔認識カメラ、IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0を搭載する。USB Type-C端子は用意されていない。
本体サイズはディスプレイ部が637.35×438.9×12.5mm(幅×奥行き×高さ)、ベース部が250×220×32.2mm(同)。重量は9.56kg。見た目はスマートなSurface Studioだが、実際にはディスプレイ一体型PCなりの重さがある。部屋から部屋へ移動させるようなPCではないが、持ち運ぶときにはしっかりと保持しよう。筆者が試したかぎりでは銀色のアーム部分を持ったときがもっとも安定した。
同梱物はSurface Studio本体、Surface ペン、Surface キーボード、Surface マウス、グリップリリース ケーブル付き電源コード、クイック スタート ガイド、安全および保証に関するガイド、ブックレット。ロータリースイッチ型デバイス「Surface Dial」は含まれていない。もし必要なら別途購入する必要がある(直販価格11,664円)。
なお、Surface Studioに付属するSurfaceペンは旧型だ。筆圧感知レベルは1,024段階で、傾き検知機能も備えていない。筆圧感知レベル4,096段階、傾き検知機能搭載、遅延21msに進化した新型Surface Penに、Surface Studioがファームウェアアップデートなどで対応するかどうかについては、現時点で日本マイクロソフトから公式発表はない。
型番 | 42L-00013 | 42Q-00012 | 43Q-00013 |
---|---|---|---|
OS | Windows 10 Pro 64bit | ||
CPU | Core i5(第6世代) | Core i7(第6世代) | |
dGPU | GeForce GTX 965M(2GB) | GeForce GTX 980M(4GB) | |
メモリ | DDR4-2133 SDRAM 8GB | DDR4-2133 SDRAM 16GB | DDR4-2133 SDRAM 32GB |
ストレージ | Rapid Hybrid Drive(1TB HDD、64GB SSD) | Rapid Hybrid Drive(1TB HDD、128GB SSD) | Rapid Hybrid Drive(2TB HDD、128GB SSD) |
ディスプレイ | 28型PixelSenseディスプレイ(4,500×3,000ドット、192dpi、sRGB/DCI-P3/鮮やか(Vivid)、4:3、光沢、10点マルチタッチ) | ||
通信 | IEEE 802.11ac/a/b/g/n、Bluetooth 4.0 | ||
インターフェイス | USB 3.0 Type-A×4(内、Powered USB×1)、Mini DisplayPort×1、SDカードリーダ、Gigabit Ethernet拡張コネクタ、ヘッドフォンジャック、1080pカメラ(500万画素)、デュアルマイク | ||
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | ディスプレイ部:637.35×438.9×12.5mm ベース部:250×220×32.2mm | ||
重量 | 約9.56kg | ||
セキュリティ | Windows Hello 顔認識カメラ | ||
付属品 | Surface ペン、Surface キーボード、Surface マウス、グリップリリース ケーブル付き電源コード、クイック スタート ガイド、安全および保証に関するガイド、ブックレット | ||
Microsoft Office | Office 30 日無料体験 | ||
直販価格 | 415,584円 | 480,384円 | 572,184円 |
軽く動くヒンジ、回転・移動しやすい底面処理により卓上で自由に動かせる
Surface Studioはディスプレイ一体型PCとしては軽量に仕上げられているが、それでも約9.56kgと片手で扱うには厳しい重量だ。しかし本機は机の上で驚くほど自由自在にディスプレイ位置を変更できる。
ゼログラビティヒンジと名づけられた変形機構により、実測90度から19度の範囲を片手で調整可能なだけではない。本製品を支える4つの樹脂製の足には摩擦の少ない底面加工が施されており、テーブルの上で軽い力で回転/移動できるのだ。
また、テーブル上で大きく位置を動かしても電源ケーブルが抜けないように、グリップリリースケーブル付き電源コードが採用されている。以上の装備のおかげで、あくまでもデスク上限定ではあるが、まるで28型タブレットのように軽快に表示位置を調整できる。
使い勝手でもう1つ感心させられたのがヒンジの絶妙な固さ。Surface Studioのディスプレイは片手で自由に角度を変えられるが、指でのタッチ操作や、Surfaceペンで描画するさいにディスプレイが倒れてしまうような貧弱さはない。
たとえば画面に手を置いてペン先を走らせても、多少画面は揺れるが筆記自体に支障はない。ゼログラビティヒンジはもっと軽く動くように作ることも可能だったが、タッチ操作やペン描画するさいの安定性を踏まえて、現在の固さにセッティングしたものと思われる。
キーボード、マウス、ペン、Dialの使い勝手は?
Surface Studioには、Surfaceキーボード、Surfaceマウス、Surfaceペンが付属し、オプションとしてSurface Dialが用意されている。これらの使い勝手にも触れておこう。
Surfaceキーボードは基本的には打ちやすいキーボードだ。フットプリントは420.9×112.6mm(幅×奥行き)、キーピッチは実測約19.2mm確保されており、ほとんどのキーが等幅だ。ただし、日本語キーボードはキーの数が多いため、「\」キーと「Backspace」キーがそれぞれ約12mm幅に狭められている。ホームポジションから遠く離れている上、隣に「Insert」キーが密接しているので、幅の狭められたBackspaceキーは打ちにくく感じた。
Surfaceマウスはスタンダードなマウスだ。独自機能は搭載されていないが、金属製スクロールホイールが使われているなど作りはしっかりしている。しかしWindows 10のジェスチャーなどを割り当てられる高機能マウスが数多くリリースされている昨今、カスタマイズ性がないというのは少々寂しい。
SurfaceペンはSurface Studio最大の弱点だ。筆者のように稚拙なイラストを描いたり、PDF文書に書き込みするぐらいの用途なら現在のSurfaceペンでもなんら問題はないが、液晶ペンタブレットとして本気でイラストを描きたいと思っている方は、4,096段階の筆圧感知機能、傾き検知機能、21msの遅延を実現した新型Surface Penを使いたいはず。
すべてを「NEW Surface Pro」と同等にできないかもしれないが、仮にもクリエイター向けのフラグシップモデルなのだから、技術的に可能ならばファームウェアアップデートで新型Surface Penに対応してほしいところだ。
オプションで購入可能なSurface Dialはアイテムとしては面白い。マグネシウム色のアルミ筐体ーは質感が高いし、回転させたときのバイブも心地いい。
ただし実用的かというと現時点では微妙と言わざるを得ない。「Sketchable」、「Mental Canvas」、「Drawboard PDF」、「Moho」、「StaffPad」、「Bluebeam Revu」などSurface Dial対応アプリがリリースされているが、メジャーな「Word」、「Excel」、「Adobe Photoshop CC」、「Adobe Photoshop Lightroom CC」ではボリューム、スクロール、拡大、元に戻すなど標準コマンドしか利用できない。しかし「Adobe Premiere Pro CC」は「ジョグ/シャトル」機能を利用できるようになっている。キーボード、マウス、ペンに次ぐ新たなPC用入力デバイスとして定着させるべく、多くのアプリに対応してほしいものだ。
広色域対応ディスプレイは個別調整済み、アクションセンターでの色域変更が便利
28型PixelSenseディスプレイの4,500×3,000ドット(192dpi)の解像感は申し分ない。「27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデル」の5,120×2,880ドット(218dpi)にはおよばないが、それでも4Kディスプレイよりピクセル数が約63%多いのだ。たとえばWebページを4枚同時に開いた場合でも、それぞれのページの本文をジャギーのない高品質なフォントで表示できる。
一方、明るさや発色についても高いレベルだ。広色域を売りにした本製品は出荷時にカラープロファイルが個別に調整されているので、ユーザーが購入後に面倒な調整をする必要はない。今回、Adobe RGBで撮影した写真を、DCI-P3のカラープロファイルで表示してみたが、実際の色に非常に近い発色を得られた。
筆者が今回画質検証用に選んだ写真はどれもDCI-P3のカラープロファイルでもっとも良好な発色が得られたので、もしSurface Studioを入手したらデフォルトのカラープロファイルはDCI-P3にするだろう。しかし、sRGBのカラープロファイルはsRGBの色空間を持つディスプレイでどのように発色されるのか確認するとき、鮮やか(Vivid)はゲームをプレイするときや、コンテンツ自体の発色が暗く沈んでいるときなどに重宝しそうだ。
2 in 1 PCとは一線を画す性能
最後にベンチマークのスコアを見てみよう。今回は比較用に平澤寿康氏の「NEW Surface Pro」の記事(2in1としての完成度が高まった新「Surface Pro」。ペンや静音性、バッテリ性能が大きく進化参照)のスコアを流用した。
NEW Surface Proと「Surface Pro 4」のスコアを比較対象として選んだのは、Surfaceシリーズのなかから購入する製品を選ぶさいの指針とするためだ。
平澤寿康氏が実施したベンチマークに、筆者がHotHot REVIEW!でこれまで実施してきた項目を下記のとおり追加している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.0.1271 64」
- 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.7.613」
- 総合ベンチマーク「PCMark 7 v1.4.0」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.3.3693」
- CPU、OpenCLのベンチマーク「Geekbench 4.1.0」
- CPUのベンチマーク「Geekbench 3.4.1」
- CPU、OpenGLのベンチマーク「CINEBENCH R15」
- ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】」
- ゲーミングPCベンチマーク「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト」
- ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」
- ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 5.2.1」
- 「Adobe Photoshop Lightroom CC」RAW画像の現像時間を計測
- 「Adobe Premiere Pro CC」フルHD動画の書き出し時間を計測
- 「BBench」連続動作時間を計測
なお、PCMark 10のベンチマークにおいて「PCMark 10 Score」、「Digital Content Creation」、「Rendering and Visualization Score」の項目は4回試したが計測できなかった。そのため今回は「計測不可」として除外している。
さて、下記が検証機の仕様とその結果になる。
Surface Studio | NEW Surface Pro | Surface Pro 4 | |
---|---|---|---|
CPU | Core i7-6820HQ(2.7~3.6GHz) | Core i7-7660U(2.5~4GHz) | Core i7-6650U(2.2~3.4GHz) |
GPU | GeForce GTX 980M(4GB) | Intel Iris Plus Graphics 640(300MHz~1.1GHz) | Intel Iris Graphics 540(300MHz~1.05GHz) |
メモリ | DDR4-2133 SDRAM 32GB | LPDDR3-1866 SDRAM 16GB | LPDDR3-1866 SDRAM 8GB |
ストレージ | Rapid Hybrid Drive(128GB SSD、2TB HDD) | 512GB SSD(NVMe PCIe) | 256GB SSD(NVMe PCIe) |
ディスプレイ | 28インチ、4,500×3,000ドット(192dpi) | 12.3インチ、2,736×1,824ドット(267dpi) | |
OS | Windows 10 Pro 64bit | Windows 10 Home 64bit |
Surface Studio | NEW Surface Pro | Surface Pro 4 | |
---|---|---|---|
PCMark 10 v1.0.1271 64 | |||
PCMark 10 Score | 計測不可 | 3,530 | 3,254 |
Essentials | 7,795 | 6,715 | 6,787 |
App Start-up Score | 9,571 | 9,160 | 7,981 |
Video Conferencing Score | 6,436 | 5,298 | 6,351 |
Web Browsing Score | 7,690 | 6,241 | 6,168 |
Productivity | 6,345 | 6,210 | 5,527 |
Spreadsheets Score | 7,630 | 7,591 | 5,837 |
Writing Score | 5,277 | 5,081 | 5,235 |
Digital Content Creation | 計測不可 | 2,864 | 2,493 |
Photo Editing Score | 2,362 | 3,541 | 3,275 |
Rendering and Visualization Score | 計測不可 | 1,741 | 1,512 |
Video Editting Score | 2,513 | 3,811 | 3,131 |
PCMark 8 v2.7.613 | |||
Home Accelarated 3.0 | 3,857 | 3,373 | 3,593 |
Creative Accelarated 3.0 | 6,292 | 4,897 | 4,780 |
Work Accelarated 2.0 | 4,145 | 4,342 | 4,155 |
Storage | 4,923 | 5,008 | 4,967 |
PCMark 7 v1.4.0 | |||
PCMark score | 6,306 | - | - |
3DMark v2.3.3732 64 | |||
Time Spy | 2,923 | 502 | 406 |
Fire Strike Ultra | 2,270 | - | - |
Fire Strike Extreme | 4,282 | - | - |
Fire Strike | 8,218 | - | - |
Sky Diver | 21,692 | 5,103 | 4,553 |
Cloud Gate | 22,636 | 8,642 | 7,353 |
Ice Storm Extreme | 107,419 | - | - |
Ice Storm | 112,910 | - | - |
CINEBENCH R15 | |||
OpenGL | 104.68 fps | 65.46 fps | 61.16 fps |
CPU | 706 cb | 417 cb | 342 cb |
CPU(Single Core) | 144 cb | 157 cb | 135 cb |
Geekbench 4.1.0 | |||
32-bit Single-Core Score | 3,870 | - | - |
32-bit Multi-Core Score | 13,514 | - | - |
64-bit Single-Core Score | 4,320 | - | - |
64-bit Multi-Core Score | 14,606 | - | - |
CUDA | 84,072 | - | - |
Geekbench 3.4.1 Intel(32-bit) | |||
Single-Core Score | 3,552 | - | - |
Single-Core Score Integer | 3,487 | - | - |
Single-Core Score Floating Point | 3,405 | - | - |
Single-Core Score Memory | 3,977 | - | - |
Multi-Core Score | 13,321 | - | - |
Multi-Core Score Integer | 15,040 | - | - |
Multi-Core Score Floating Point | 16,023 | - | - |
Multi-Core Score Memory | 4,482 | - | - |
Geekbench 3.4.1 Intel(64-bit) | |||
Single-Core Score | 3,708 | - | - |
Single-Core Score Integer | 3,701 | - | - |
Single-Core Score Floating Point | 3,541 | - | - |
Single-Core Score Memory | 4,058 | - | - |
Multi-Core Score | 13,868 | - | - |
Multi-Core Score Integer | 15,935 | - | - |
Multi-Core Score Floating Point | 16,494 | - | - |
Multi-Core Score Memory | 4,485 | - | - |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | |||
1,280×720ドット | 38,299 | - | - |
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト | |||
1,280×720ドット | 18,116 | - | - |
ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク | |||
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 6,771 | - | - |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク | |||
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) | 6,498 | 4,466 | 3,781 |
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 7,258 | - | - |
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC) | 13,497 | 3,244 | 2,680 |
4,500×3,000ドット 最高品質 | 1,683 | - | - |
SSDをCrystalDiskMark 5.2.1で計測 | |||
Q32T1 シーケンシャルリード | 1,644.551MB/s | - | - |
Q32T1 シーケンシャルライト | 490.943MB/s | - | - |
4K Q32TI ランダムリード | 303.954MB/s | - | - |
4K Q32TI ランダムライト | 326.322MB/s | - | - |
シーケンシャルリード | 1,055.669MB/s | - | - |
シーケンシャルライト | 419.765MB/s | - | - |
4K ランダムリード | 35.802MB/s | - | - |
4K ランダムライト | 82.416MB/s | - | - |
Adobe Photoshop Lightroom CCで50枚のRAW画像を現像 | |||
4,912×3,264ドット、自動階調 | 1分24秒73 | - | - |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分のフルHD動画を書き出し | |||
1,920×1,080ドット、30fps | 3分29秒95 | - | - |
Core i7-6650UとCore i7-7660Uは2コア4スレッドでTDPが15W、Core i7-6820HQは4コア8スレッドでTDPが45Wと基本性能が大きく違い、またSurface Studioは外部GPU「GeForce GTX 980M(4GB)」を搭載しているので、処理の重い3DMarkのTime Spyで5.8倍ものスコアを記録している。
今回実際のゲームとしてブリザード・エンターテイメントの「オーバーウォッチ」も試してみたが、解像度を落とさなくてもまったくストレスなく遊ぶことができた。もちろん最新ゲームを最高画質でプレイするのは厳しいが、解像度をフルHDに落とせば多くのゲームを快適に楽しめる。
ストレージの速度については、PCMark 8のStorage、CrystalDiskMarkのスコアを見ればわかるとおり、NVMe PCIe接続のSSDと同等のスコアを記録している。SSDの高速性とHDDの大容量を兼ね備えたRapid Hybrid Driveが、その性能をいかんなく発揮した結果だ。
実アプリの実効速度も非常に高速だった。以前筆者が今回と同条件でAdobe Premiere Pro CCで実施したSurface Pro 4のベンチマークのタイムが6分20秒91だったので、半分弱の時間でフルHD動画の書き出しが終了したことになる。
なお、高負荷時の発熱をサーモグラフィカメラ「FLIR ONE」でチェックしてみた。室温25℃の部屋で、「CINEBENCH R15」の「CPU」を連続で5回実行したさいの最大温度は、排気口からの熱風が直撃していたテーブル面で46.1℃だった。ベース部自体の表面温度は最大38℃に留まっていたので、効率よく排気できているようだ。
Surface Studioはディスプレイ一体型PCとして新しいスタイルを提案
ディスプレイ一体型のPCは各社から販売されているが、Surface Studioは28型クラスの大型ディスプレイを搭載し、自由自在に角度を調整でき、またタッチパネルも利用できるのだから、まったく新しい使い勝手を提案していると言える。
新型Surface Penに対応していないという不満点はあるが、それさえ気にならないのであれば、クリエイティブな作業をさまざまなスタイルでこなせる新機軸のディスプレイ一体型PCと言える。