配信修行僧
業界唯一?2PC配信専用のオーディオインターフェイス「BEACN Studio」をアメリカから取り寄せた
2024年10月22日 06:12
BEACNは、マイクなどの個人配信向け音響機材を手がける新興メーカー。同社が8月末に発表した「BEACN Studio」は2PC配信に特化した非常に珍しいオーディオインターフェイスだ。日本にはまだ正規代理店がないようで、同社製品はほとんど出回っていないのだが、米AmazonでこのBEACN Studioを買ってみた。本体価格は約250ドルで、送料や関税がかかり、トータルで292ドル(約4万3,000円)だった。ちなみに、お急ぎ便のオプションをつけたところ、なんと注文の2日後に届いてしまった。
ハードウェアの見た目などはとてもシンプルだが、ソフトウェアが非常に高機能で、2PC配信を行なうにあたり、本製品でなければできない機能がいろいろある。使い方や特徴などを紹介しよう。
2PC配信のメリットと難しさ
おそらくPCでゲーム配信をしている人のほとんどはPC 1台でゲームプレイも配信も行なっているだろう。しかし、配信を行なうPCとゲームを行なうPCを分けて2台体制で配信する人もいる。2PC配信の最大のメリットは、配信アプリによってゲームの性能が下がるのを防げることだ。
PCスペックやゲームにもよるが、OBS Studionなどの配信アプリを動かすと、数%~10%程度ゲームのフレームレートが下がる。基本的には体感できない程度だと思うが、プロゲーマーが配信しながらオンライン大会に出場といった場合は、少しでも性能低下を防ぎたいだろうから2PC配信は有効だ。ちなみに、まれな例だとは思うが、筆者はOBSでかなり凝ったエフェクトをかけたり、GPUによる処理を多く利用しているので、OBSによるGPU負荷が下手なゲームより高いレベルなので、2PC構成にしている。
また、ゲームと配信でPCを分けることで、PCの安定性が増すため、配信アプリがOSを巻き込んでクラッシュしてゲームが中断されるといったリスクも低減できる。
このほか細かい点ではあるが、ゲームPCのブラウザなどに普段のアカウントでログインしない、あるいはそのPCの日本語入力システムに学習や予測変換候補を表示させないなどの運用をすることで、配信にブラウザ画面を表示させた時に意図せず配信画面に個人情報が漏れ出てしまうのも防げる。
2PC配信する場合は、ビデオキャプチャデバイスを使ってゲームPCの映像を配信PCに取り込む。ちょっと前まではキャプチャデバイスのパススルーが60Hzまでしか対応していなかったので、高リフレッシュレートモニターを活用できないという問題があったのだが、今ではElgatoやAVerMediaなどが240HzでのパススルーやVRR(可変リフレッシュレート)に対応したキャプチャデバイスを出しているので、その問題は解決されている。
一方で悩ましいのが音の取り回しだ。ゲームの映像はパススルーで写せば遅延なく表示できる。ゲーム音もパススルー先のモニターにイヤフォンなりをつなげば遅延なくゲーム音を聞くことができる。しかし、この状態だと配信PCで鳴る音声、たとえばサブスクが発生した時の効果音などが一切聞こえなくなる。
逆に配信PCにイヤフォンをつなぐと今度はゲーム音が聞こえなくなる。OBSでキャプチャデバイスの音声をモニタリングするようにすればゲーム音が聞こえるようになるのだが、これはパススルーではなくキャプチャ(エンコード)した映像の音なので、わずかだが遅延が生じる。
これを解決するには、配信PCに外部入力を持ったオーディオインターフェイスを接続し、ゲームPC本体かゲームモニターのLINE出力から、オーディオインターフェイスのLINE入力にゲーム音を取り込む必要がある。
しかし、こうしてもマイクについて問題が生じる場合がある。基本的にマイクは配信PCに接続する。そのため、Discordも配信PCで立ち上げるだろう。ただ、ValorantのようにVC(ボイスチャット)を頻繁に使うゲームだと、友人とDiscordでVCする以外に、野良のチームメンバーとゲーム内VCで会話することになるが、マイクは配信PCにつないでいるので、自分の音声をゲーム内VCには届けられないのだ。
これを解決するには、もう1つマイクを用意してゲームPCにつなげるか、配信マシンのマイクモニター音声だけをどうにかして配信マシンのマイク入力に載せる必要があるが、いずれも回りくどく面倒だ。
2台のPCに同時につながるBEACN Studio
上記のような問題を一気に解決してくれるのがBEACN Studioだ。本製品には、マイク接続用のXLR端子、イヤフォン/ヘッドフォン接続用の3.5mm音声出力のほかに、USB Type-Cが2基あり、配信PCとゲームPCに同時に接続できるようになっている。これにより、ユーザーは両方のPCで鳴る音を1つのイヤフォンで聞けるし、1つのマイクを配信とゲーム内VCの両方に使えるようになるのだ。
ハードウェアはいたってシンプルで、上記のインターフェイス以外にあるのは、押し込み可能なダイヤルのみ。ダイヤルを回すとヘッドフォン出力を増減でき、押し込むとマイクのミュート/アンミュートを切り替えられる。
USB Type-Cを2基持つオーディオインターフェイスはRODEなどが出しているが、それはPCとiPad用となっていて、2PC配信に特化した製品はおそらく本製品が初だ。
1つのオーディオインターフェイスが2台のPCに同時につながることで何ができるのか?まず1つは、1台のマイクを2台のPCで同時に利用できる。これにより、配信用PCでのOBSと、ゲーミングPCのゲーム内VCに同じマイクで声を送ることができる。
そして、1つのイヤフォン/ヘッドセットも2台のPCでも同時利用できるようになり、配信用PCで何らかのアラートの音や、DiscordのVCなどを聞きながら、ゲーミングPCのVCやゲーム音も同時に聞けるようになる。
つまり、2PC配信の課題点をすべて解決できるわけだ。この仕様だけでも2PC配信者が導入を決定する要因になるが、本製品の価値を高めているのはそのソフトウェアの高機能さだ。
5つの仮想オーディオデバイスで配信に載せる音、載せない音を柔軟に制御
GoXLRが配信者に高い評価を受けたのは、ハードウェアフェーダーを搭載していた点もあるが、同時にドライバで4つの仮想オーディオデバイスを実現した点が大きい。
通常のオーディオデバイスは、OSおよびすべてのアプリが鳴らす音を1チャンネルにミックスする。OBSだと、デスクトップオーディオがそれだ。それに対して、GoXLRのドライバを入れると、システムオーディオ以外に、チャット、ミュージック、ゲームの3つの仮想オーディオデバイスを使えるようになる。
これを使うことで、ゲーム音やVCは配信に載せるが、ミュージックチャンネルに割り当て音は配信に流さないといった運用が可能になる。そうすると、何か別の配信を見ながら配信したいが、その配信の音は配信に載せないといったことができるようになる。また、LINEの着信やUSBデバイス挿抜時の効果音など、視聴者に聞かせる必要がない音も配信から排除できる。
今では、配信者向けをうたうオーディオインターフェイスの多くがこの仮想オーディオデバイスの機能を提供している。BEACN Studioも、「System」、「Chat」、「Music」、「Browser」、「Game」と、全部で5つの仮想オーディオデバイス(出力)を使える。この仮想オーディオデバイスについてもBEACN Studioには特筆すべき点がある。
まず、各デバイス/チャンネルごとに、イヤフォンで聞こえる自分用の「Personal Mix」と、視聴者が聞く「Audience Mix」を個別に音量設定できる点。たとえば、配信では基本的にマイク音量を一番大きくし、ゲーム音などはそれより小さくする。しかし、自分はしっかり敵の足音などを聞きたいという場合がある。
BEACN Studio(正確にはBEACN製品で使えるBEACN App)では、Persnal MixとAudience Mixを分けて設定できるので、自分は大きなゲーム音を聞きつつ、配信でのゲーム音は小さくできる。
この点については、GoXLRやElgatoのWave Linkなどでも実現できている。BEACN Appでは、それに加えて、各チャンネルへの割り当てをこのアプリだけで完結できるようになっている。
他のデバイスだと、たとえばゲームチャンネルにアプリを割り当てる時は、Windowsの設定アプリから音量ミキサーを開いてから、任意のアプリの音声出力先をゲームオーディオデバイスに変更するという手順を踏む。
一方、BEACN Appだと、現在OS上で音声を鳴らしているアプリ名が表示されており、それをドラッグアンドドロップで任意のチャンネルに即時に割り当てできるのだ。これは画期的と言っていい。加えて言うと、デフォルトの出力/入力機器や出力/入力通信機器も、BEACN App上で選択できる。
セカンドPCにも4×2の仮想オーディオデバイスを追加可能
この5つの仮想オーディオデバイスは、メインPC(背面の1と書かれたコネクタにつないだ方)に追加される。もう1つのセカンドPCについては、初期設定では再生デバイスと録音デバイスが1つずつ追加され、BEACN StudioにつないだマイクとイヤフォンをセカンドPCでも利用できる。
それだけでも十分なのだが、BEACN Appの設定で「Enable 4 Channel Mode On Second Device」にチェックを入れると、セカンドPCでも出力と入力について、仮想オーディオデバイスが計4つずつになる。つまり、セカンドPC側でも、チャットや、ゲーム、音楽など、アプリごとにチャンネルの割り当てを変えておき、このチャンネルの音は鳴らさない、あるいはこの音量にするといったことができるわけだ。
そして、このセカンドPCの4チャンネルの割り当ても、メインPCのBEACN Appでドラッグアンドドロップで割り当てを変えられる。つまり、セカンドPCを操作することなく、どのアプリの音をどのチャンネルから流すかを変更できるのだ。
ちなみに、セカンドPC側につなぐ機器としてはPlayStation 5(PS5)も対応している(4チャンネルには非対応)。PS5の画面をキャプチャして配信しつつ、PS5のVCに高性能なマイク音声を使えるのも大きな利点だ。
「Link In(数字)」と表記されるのが、セカンドPCが鳴らしている音で、「Link Out(数字)」と表記されるのが、メインPCからセカンドPCへと送る音だ。Link Outについては、個人的にはマイク以外に用途がないのだが、メインがゲーム+VC PCで、セカンドが配信PCという構成などで活用できそうだ。
ルーティングテーブルでミックスをさらに詳細設定
どの仮想オーディオデバイスの音をどのミックスに流すかを設定する「ルーティングテーブル」という機能があるのもGoXLR譲りだ。ルーティングテーブルでは、Personal Mix、Audience Mix、Voice Chat Mic、VOD Trackに対してのルーティングを設定できる。ルーティングとは、ミュート/アンミュートと同じ機能なので、Personal MixとAudience Mixについては、ルーティングテーブルではなく、BEACN App上段のミキサー部分で設定してもいい。
ルーティングテーブルについては、Voice Chat Mic、VOD Trackがあるのがおもしろい。まず、Voice Chat Micについては、たとえばMusicチャンネルをルーティングさせると、自分が聞いている音楽をVCに流せる。音楽をVCにずっと流していると迷惑かもしれないが、たとえば何か盛り上がった時に効果音を鳴らしてそれを仲間内のVCにも流すようにすると盛り上がるかもしれない。
VOD TrackはおそらくTwitch専用の機能だ。Twitchでは、OBSの設定により、生配信とは別にVOD(アーカイブ)用オーディオトラックを指定できる。これにより、BEACN AppのVOD TrackにはMusicチャンネルをルーティングしなければ、生配信ではBGMを流すが、VODではBGM以外の音声しか聞こえなくなる。
なお、この機能/仕様は、生配信なら著作権保護された曲を流してもいいという意味ではないので注意されたい。たとえば日本でもJASRACが管理している楽曲については、ライブ配信のみだと、国内外の楽曲を許諾なしに"演奏"できるが、アーカイブされる場合、その音楽が海外作品だとビデオグラム録音の手続きが必要というように、生配信とアーカイブとで若干対応が異なる。しかし、第三者が著作権を持つ音楽をそのまま流すのが著作権や著作隣接権違反となるのは、生配信でもアーカイブでも変わらない。
しっかりと調べていないのだが、おそらくこの辺り海外だと事情が異なるようで、BEACN AppのVOD Trackは海外ユーザー向けの機能なのだろう。
ちなみに、ちょっと分かりにくいのが、マイクのミキシング。デフォルトではミキサー部分のマイクのPersonal Mix、ルーティングテーブルのPersonal MixへのMic Relayともミュートになっている。しかし、この状態でもBEACN Studioにつないだイヤフォンから自分の声は聞こえてくる。マイクのモニタリングを完全に切るには、BEACN Studio本体のダイヤルを押す必要がある。
ハードウェアでノイズ抑制可能なマイク入力
マイク入力も見所が多い。プリアンプは十分強力で、マイクゲインは最大69dB。筆者のShure「MV7X」で問題なく使えている。もちろん、ファンタム電源にも対応する。入力設定画面では、リアルタイムで入力レベルがグラフィカルに分かるのもいい。
そして、マイク音に対して、マルチバンドイコライザー、ディエッサー、コンプレッサー、エキスパンダー、ノイズ抑制をかけることができる。しかも、それらをハードウェアで処理できるのだ。
実はBEACNの製品は、「GoXLR」という配信向けオーディオインターフェイスを手がけるTH Heliconを退社したエンジニアたちによって開発されたという。その意味でGoXLRは(メーカーは異なるが)BEACN Studioの先代にあたる製品とも言える。そのGoXLRもマルチバンドイコライザー、ディエッサー、コンプレッサーなどをハードウェア処理できる。
ハードウェア処理のメリットは、CPUに負荷をかけないことだが、そういった処理を行なった後の(ウェットな)音を遅延なくモニタリングできるという点にある。そして、BEACN StudioはGoXLRにはないノイズ抑制までハードウェア処理できるのだ。
筆者はマイクのノイズ抑制として以前はNVIDIA Broadcastを、今はWAVESのClarity Vxというソフト(プラグイン)を使っている。いずれもPCのファンやエアコンのノイズをきれいにかき消してくれる。しかし、これらはソフト処理なので、自分がモニタリングしている音には適用されない。一応、処理後の音をモニタリングすることもできるのだが、そうすると数十msほど遅延が発生するので、自分の声が遅れて聞こえてしまい、話すのに支障が生じる。
一方で、BEACN Studioでは、ノイズ抑制された音を一切の遅延なくモニタリングできる。配信用のオーディオインターフェイスで、ハードウェアノイズ抑制ができるのも現時点では数は少ない。
なお、ノイズ抑制は、リアルタイムで騒音と思しき音を抑制する「Adaptive」モードと、5秒ほどマイク入力を録音して背景ノイズのパターンを解析した上で抑制をかける「Snapshot」モードの2つから選んで適用できる。
Snapshotの方が、最初の一手間(と言っても、1回ボタンを押して5秒待つだけだが)があるものの、精度が高いのかなと思ったが、筆者の環境で試した限りでは、違いを認識できなかった。
効果は絶大だ。エアコンとファンノイズのほとんどを消してくれる。具体的には、何もしゃべらない状態でノイズ抑制なしだと-50dBほどの出力レベルがある環境で、ノイズ抑制をオン(適用量100%の状態)にすると最低(無音)にまで出力レベルが下がった。
ちなみに、NVIDIA Broadcastはマウスクリック音やキーボードの打鍵音はもとより、拍手の音など、声以外はほぼノイズ扱いするので、拍手をしても無音にされてしまう。人によっては打鍵音やクリック音も消したい人もいるだろうが、個人的にはBEACN Studioのノイズ抑制の方が実用的だ。
そして、BEACN Studioにはエキスパンダー機能もある。これはGoXLRに搭載されているノイズゲートの上位互換的な機能。マイク入力が設定したしきい値以下の場合、ノイズゲートだとばっさりマイク入力をオフにしてしまうので、本当はカットしたくない声の立ち上がりなども場合によってはカットされてしまうのに対し、エキスパンダーはコンプレッサーのように緩やかにゲインを下げるので、音が唐突に切れることがない。
弱点は?
音声の取り回しという点ではほぼ最強と言っていい本製品だが、弱点もいくつかある。1つはドライバが若干不安定な点。ごくまれに動作はしているのだが、BEACN Appが開かなくなる時がある。また、筆者の環境ではスリープから復帰すると、本体ダイヤルのミュート機能が動かなくなる。タスクマネージャーでタスクキルして再度アプリを立ち上げれば普通に戻るが、改善を望みたい。
また、筆者の環境では当初、Link Inについて常にAudience Mixの音が鳴るという問題があった。ドライバの入れ直しやルーティングテーブルの設定などいろいろ変えたが解消されなかった。しかし、どういうことか後日購入した「BEACN Mix Create」を接続したらこの問題が直った。
ハードウェア面では、入出力端子がちょっと少ないと感じる。端子数はElgatoのWave XLRや、Stream Deck +にXLR Dockを接続したのと同じだが、GoXLRだと、これ以外に3.5mm LINE入力、3.5mmマイク入力、S/PDIF入力、3.5mmスピーカー出力がある。
PCの音はイヤフォンでしか聞かないのであれば、3.5mm出力は1つでもいいが、筆者はGoXLRにイヤフォンとスピーカーを同時につないでおき、配信やWeb会議以外ではスピーカーから音を再生していた。BEACN Studioではこれはできないので、別途音声出力の切替アダプタを購入した。これに、スピーカーとイヤフォンをつないでおき、スイッチでどちらを使うかを切り替える。
ただ、GoXLRでは、スピーカー出力専用のルーティングテーブルがあるので、イヤフォンからはマイクのモニタリングを聞きつつ、スピーカー出力にはマイク入力をルーティングさせないようにするということができるのだが、BEACN Studioではできないので、スピーカー出力に切り替える前にBEACN Studioのダイヤルを押してマイクをミュートしておかないとハウリングしてしまう。
また、入力もXLRだけなので、ワイヤレスマイクのレシーバなど、3.5mm出力が標準のマイクをつなぐ時は、変換ケーブルを用意する必要がある。
それから、これは弱点というか仕様なのだが、GoXLRやStream Deck +と違って、BEACN Studioでは、各出力の音量調節はできず、BEACN Appで調整する必要がある。たとえば、ブラウザで動画を再生したら、不意に爆音で鳴ってしまった時など、BEACN Appを起動して調節するのはちょっと煩わしい。
ただ、これについてはBEACN Mix Createという回答が用意されている。先に少し言及したのだが、これは、Stream Deck +のダイヤル部分あるいはGoXLRのフェーダー部分を切り出したようなハードウェアだ。今回はBEACN Studioの解説なので、BEACN Mix Createの詳細紹介は割愛するが、4つのプッシュ式ダイヤルで各出力の音量やミュートを調節できる。
5つ以上の出力がある場合も、ページ切り替えボタンで即座にアクセスできるし、各チャンネルについてPersonal MixとAudience Mixを個別にミュート/アンミュートしたり、イヤフォンで聞くのをPersonal MixとAudience Mixとに切り替えたりもできる。
BEACN Studioが気に入ったので、買った1週間後にBEACN Mix Createも米Amazonから購入した。本体価格は199ドルだが、送料や関税込みで236ドル(約3万5,000円)だった。ちなみに、これも注文から4日で届いた。
【10月30日追記】
その後、出力系統について開発者が意図してるであろう機能に気付いたので追記する。まず、出力が1系統しかない点についてだが、スピーカー出力については、PC備え付けの音声出力端子の利用を想定しているようだ。
デスクトップであれノートであれ、音声出力はほぼ備えているので、スピーカーについては、そちらにつないでおく。そして、イヤフォンとスピーカーの切り替えを行ないたい時、BEACN App中央にある「Personal Mix」であらかじめ2つの出力を指定できるので、1つはBEACN Studioのヘッドフォン端子を、もう1つはPCの音声出力端子を指定しておき、トグルスイッチで切り替えるという運用にすれば、スムーズに2つを切り替えられる。
そして、「デフォルトではミキサー部分のマイクのPersonal Mix、ルーティングテーブルのPersonal MixへのMic Relayともミュートになっている。しかし、この状態でもBEACN Studioにつないだイヤフォンから自分の声は聞こえてくる。マイクのモニタリングを完全に切るには、BEACN Studio本体のダイヤルを押す必要がある」と書いたが、これは筆者の理解が間違っていた。
BEACN Studioのヘッドフォン端子はハードウェア的に常時マイク入力をリアルタイムでモニタリングするようになっており、これはオフにできない。そして、本体のミュートボタンを押した時、モニタリングがオフになっていると思ったのだが、実際にはマイク入力がオフになったので、モニタリングができなくなっているというのが正しい理解だ。
加えて、Personal MixへのMic Relayがデフォルトでミュートになっていることで、BEACN Studioのヘッドフォン端子以外から音声を出力した場合、マイク出力がルーティングされないのでハウることがなく、切り替え時にわざわざマイクをミュートにしなくていい。
2PC配信構成を最大限活用するならこれしかない
と言うことでまとめると、BEACN Studioは、1つのマイクを共有でき、2つのPCの音を1つのイヤフォンで聞けるという機能性だけでも本製品は唯一無二と言ってもいい存在だ。
加えて、Windowsの設定アプリを開くことなくオーディオデバイスの割り当てを変えられる点、オーディオインターフェイスとしての作りの良さ、ハードウェアでコンプレッサーやEQに加えノイズ抑制までできる点、セカンドPCにも4チャンネル×2を割り当てられる点など、トータルでの完成度も非常に高い。
ドライバの安定性に若干の不安もあるが、今のところ2週間ほど使ってみて、致命的な問題には直面していない。
円安と国際送料などで日本だと4万円以上という価格になってしまうが、その価値は十分にあると言っていい。