山口真弘の電子書籍タッチアンドトライ

iPadやAndroidはもちろん、Fireタブレットにも対応!指にはめて使うページめくりデバイス「GOALMU TREE」を試す

「GOALMU TREE」。今回はゴールドを購入した。実売価格は3,542円

 「GOALMU TREE(ゴルムツリー)」は、指に装着してマウス操作を可能にする、Bluetooth接続のスマートポインタだ。もともとはプレゼンテーション用途の製品だが、タブレットで電子書籍を読む時のページめくりデバイスとしても便利に使える。実機を購入したのでレビューをお届けする。

指に装着して利用。操作は親指で行なう

 一般的に「指に装着するデバイス」と言われると指輪型を想像するが、本製品は1枚のプレートをL字に折り曲げたような形状をしており、谷にあたる部分に指を沿わせるように装着する。文章では説明が難しいので、詳しくは写真を見てほしい。

 谷にあたる部分の上下2カ所にはフックがあり、ここに同梱のシリコンベルトを引っ掛けることで、指にはめての使用が可能になる。ベルトの長さは自由に調節できるので、指輪型のデバイスのように指がきつく困ることもない。予備のベルトも同梱されているので、劣化しても交換できる利点もある。

上部。中央のポインティングデバイスの周囲に4つのボタンが配置されている
裏面はへこんでおり、ここに指を沿わせるように装着する
横から見ると断面はL字になっている
反対側には充電用ポート(Micro USB)を備える
同梱品一覧。充電ケーブルのほかシリコンベルトが2枚付属する。取説は日本語対応
シリコンベルト。これを使って指に巻く
本体裏面のフックにひっかけることで指を通せるようになる
操作は親指で行なう。シリコンベルトの余剰部分は切り取っても構わない

 正面中央には、表面をなぞることでポインタを動かせるポインティングデバイスがあり、さらにそれを取り囲むように4つのボタンが配置されている。ポインティングデバイスはポインタを動かすだけでなく、押し込むことでクリックが行なえる。

 周囲にある4ボタンのうち、左の2つはPageUpとPageDownにあたる機能が割り当てられており、画面の上下スクロールが行なえる。右の2つはOSごとに機能が異なっており、任意の機能を割り当てられる場合もある。詳しくは後述する。

 またこのボタン群から見て背後に当たる面には、電源ボタンが配置されている。押すと電源がオン、2秒長押しすると電源がオフになる仕組みで、電源が入っている間は赤く点灯する。

中央ボタンはなぞることでポインタを操作できるほか、クリックにも対応。左の2つのボタンは上下スクロールに利用できる
中指に装着して人差し指で上から軽く押さえるようにすると安定する
背面に当たる部分には電源ボタンがある。利用時は赤く点灯する

ページめくり以外に上下スクロールなども簡単操作

 本製品の基本操作はどのOSでもほぼ同じだが、ここでは例としてiPadでの設定例を見ていこう。

 Bluetoothデバイスとしてペアリングが完了すると、特に初期設定を行なうことなく、中央のポインティングデバイスを用いてのポインタの移動とクリック、さらに左側の2つのボタンを使っての上下スクロールが行なえるようになる。

 電子書籍ユースでは、まずライブラリから目的の本を探して開いたのち、ポインティングデバイスを用いてページをめくる位置にポインタを移動させる。その状態でポインティングデバイスを押し込むとクリックになるので、ページがめくられるというわけだ。ページを戻る場合はポインタを見開きの反対側まで移動させてクリックを行なう。

 このほか左側の2つのボタンを使えば上下スクロールも行なえるので、ライブラリを上下に移動しながら本を探したり、またストアで面白そうな本がないか探したりするのにぴったりだ。こちらはポインタの位置とは関係なく機能するので、ウェブブラウジングなどにも役立つ。

iPadからは「Goalmu Mouse Yam」という名前で認識される
あとは中央ボタンでポインタを動かし、押し込んでクリックすることで、ページをめくるなどの操作が行なえる
【動画】ポインティングデバイスでポインタを動かし、クリックしてページめくりを行なっている様子(表示サンプルはうめ著「東京トイボクシーズ 1巻/2巻」)。最終ページから2巻にジャンプし、読書を続行している。こうしたシームレスさは大きな強みだ

 このように本製品は、基本的にマウスと同じ操作が行なえるので、一般的なページめくりの操作に限定されず、本の最後まで来たらストアに移動して続刊を買ったり、ライブラリに戻って別の本を探したり、はたまた別の電子書籍アプリに切り替えたりと、画面に触れることなくほとんどの操作をシームレスに行なえる。

 ページめくりだけに特化したデバイスと比べて自由度が高い本製品だが、iPadはこれに加えて、アクセシビリティ機能をオンにすることで、右側にある2つのボタンに機能を割り当てて利用できるようになる。

 本製品の正面中央にあるポインティングデバイスは、クリックも兼ねているので、ページをめくろうとクリックした瞬間に、ポインタまで動いてしまいがちだ。そのため、ポインティングデバイスではクリックを無効にし、この右側のボタンにクリックを割り当てたほうが、意図しない動作が減り快適に使えるようになる。

 もう1つの余ったボタンには、ホーム画面に戻る機能を割り当てておけば、どの画面からでもホーム画面に戻り、異なる電子書籍アプリを起動させるなどの操作が行ないやすくなる。このあたりは工夫次第で、さらに使い勝手を向上させられるだろう。

まずアクセシビリティを開き、「AssistiveTouch」をオンにする
デバイスを開くと接続済みの「Goalmu Mouse Yam」が表示されているのでタップ
「追加のボタンをカスタマイズ」で、実際に本体のボタンを押して機能を登録する
今回は4つ並ぶボタンの右下(ボタン3)に「シングルタップ」、その上(ボタン2)に「ホーム」を登録。また中央のタッチパッド(ボタン1)は割当を削除した

 上記はiPad miniにおける手順だが、Androidについても操作方法は基本的に同じで、ペアリングが完了すれば、ポインタの移動とクリック、上下スクロールが行なえる。Androidは右側の2つのボタンがいずれもクリックに割り当てられていたが、どのデバイスも同じかどうかは不明だ。

 また本製品の特筆すべき点として、Fireタブレットにも対応することが挙げられる。これまでFireタブレットをハンズフリーで使いたかったが、方法がなくあきらめていたという人にとっては、注目すべきと言えるだろう。ちなみにこちらも右側の2つのボタンはいずれもクリックに割り当てられている。

最大の欠点はバッテリ持続時間の短さ

 一方で、しばらく使っているとちょくちょく使いづらい点も見えてくる。

 1つはバッテリ残量を知るための方法がないことだ。本製品は電源をオンにすると電源ボタンが赤く点灯するのだが、残量は表示されないので、バッテリがなくなる時は突如として電源がオフになり(もちろん赤いLEDも消える)、再び電源ボタンを押しても起動しない状態となる。

 本製品はバッテリ持続時間が5時間と、一般的なタブレットの半分程度しかないのだが、どちらかというと問題になるのはバッテリ容量の少なさよりも、スリープモードがうまく機能していないように見えることだ。

 というのも、本製品を使い終わったあとに電源をオフにせず放置していると、次に使おうとした時にバッテリが空になっていることが多いからだ。取扱説明書には1~3分で節電モードが有効になる旨の記載があるのだが、どうも機能していないように見える。Amazonにも同じ主旨の口コミがあるので、個体不良というわけでもなさそうだ。

 一般的なBluetoothマウスにはスリープモードが搭載されており、電源を手動でオフにしなくとも事実上問題ないのだが、本製品は同種のデバイスでありながら、使い勝手はかなり異なり、使っていて神経質にならざるを得ない。この対策としては、とにかく「使い終わったら電源ボタンを長押しして手動で電源をオフにする」しかない。

電源を入れると赤く点灯する。近くにペアリング済みデバイスがあれば自動的に接続される。ちなみにマルチペアリングには非対応のようだ
充電は付属のMicro USBケーブルで行なう
充電が完了するとLEDの色が赤から青に変わる
例外的にOSの側でバッテリ残量を確認できる場合もある。これはPixel 7 Pro(Android 13)の画面

 またこれと並行して、未使用時のこまめな充電も欠かせない。本製品は充電が完了すると電源ボタンのLEDが赤から青へと変化するのだが、電源をオフにしないとペアリング済みのタブレットとは常時つながったまま電力を消費しているようで、いっこうに満充電にならない。ここでも手動の電源オフは必須だ。

 こうした症状を見るにつけ、いっそのこと充電ケーブルをつないだまま使ってみては……と思い試してみたのだが、充電中はボタンが操作を受け付けなくなるようで、この方法は使えない。電子書籍を5時間も読み続けることはあまりないとはいえ、このあたりは後継モデルが出ればもう少しなんとかなってほしいと感じる。

 なお本製品は、起動すると前回ペアリングしたデバイスに自動的に接続しに行くので、iPadなどとペアリングが完了している状態で、別のAndroidやFireとペアリングしたい場合は、iPadのBluetooth接続をいったん無効化してやる必要がある。この種の製品に多い、電源ボタンの長押しでペアリングモードに入る機能はないようなので注意したい。

 この件も含め、本製品は取扱説明書の記述が不足気味で、前述のスリープモードのように、ややブラックボックス的な挙動もある。機能的にはシンプルなのだが、口コミも含めた情報も不足気味で、ある程度は自分で試したうえで考える必要があることは、念頭に置いておいたほうがよいだろう。

対応デバイスやアプリも問わず使える。価格もリーズナブル

 以上、若干気になる箇所はあるが、コントローラを手で握る必要もなく、指にはめたデバイスで簡単にページめくりが行なえるメリットは大きい。これならば手にはめたまま寝落ちしてもいっこうに問題ない。目覚めた時にバッテリは空になっている可能性は高いというだけだ。

 また形状が特殊なだけで、機能はBluetoothマウスそのものなので、対応デバイスも幅広く、アプリも問わず使える。電子書籍を読みながらSNSをチェックし、続けてブラウジングも行ない、そのあとで動画配信アプリを起動するなどの一連の操作も、本製品を装着した手を布団の中から出すことなく行なえる。ドラッグが難しいのが気になるくらいだ。

 そんな本製品の実売価格も3千円台。これが1万円を超えていれば、さすがに機能と使い勝手と見合っていないと感じるが、この価格であれば十分にリーズナブルだ。Bluetoothのバージョンは4.0、充電ポートがMicro USBであることからも分かるように必ずしも新しい製品ではないようだが、本稿を読んでピンときた人はぜひ試してみてほしい。

今回はゴールドを購入したがカラーバリエーションは豊富なので販売ページをチェックしてほしい