山田祥平のRe:config.sys
ビット・パーフェクト~何も足さない、何も引かないデジタル・パススルーの潔さ
2026年1月24日 06:01
デジタル信号は、コピーしたり伝送したりしても、劣化することがない。ただ、データは劣化しないが、そのリアルタイムの伝送では物理層の状態によって時間軸が揺らぎ、結果として無視できない劣化が起こる。そういうことを考え始めるとき、音楽は哲学になる。
オーディオストリーマーで音楽を楽しむ
正月明け、気が向いて久しぶりにリビングルームのオーディオに手を入れた。この5年ほどの手元のオーディオ環境は、以前、この連載でも紹介したが、AmazonのEcho Linkを中心に据えて楽しんできた。
スマホやタブレットのAmazon Musicアプリでアルバムや曲を選択してEcho Linkにキャストすると、アプリはAmazon Musicのクラウドに曲のメタデータと再生命令を送信する。クラウドはそれに応じてEcho Linkに再生指示とデータを届ける。この時点から、Echo Linkは順次音楽データを自分で取得し始める。そして、クラウドから受け取ったデータをデコードし、光や同軸ケーブルで伝送できる信号に変換する。
ここでのスマホはオーディオとの関わりがない。単なるリモコンに過ぎないのだ。スマホの処理能力が低くても、しょぼいオーディオ機能しかなくても音質とは関係ない。曲の再生を指示したらスマホの仕事はそれで終わりだからだ。
こうした仕組みを「プル型」と呼ぶらしい。つまり、音楽データをクラウドからひっぱってくることに由来するようだ。
こうして長年、Androidデバイスを使ってAmazon Musicを楽しんできたのだが、ちょっとした迷いでApple Musicを使うようになった。
理由はいくつかあるが、クラシック音楽が探しやすく、専用のアプリとしてApple Music Classicalが用意されていて、より分かりやすく選曲したり、楽曲やアーティストのエピソードを知るなど、周辺情報を深掘りしたりできる点が気に入った。作曲家、指揮者、録音年といった複雑なメタデータをAppleがいかに整理したかがよく分かる。
ランキングのカテゴリが豊富でデイリートップ、東京、大阪、台北、ソウル、北京、ロンドン、パリ、ベルリンといった都市別のヒットチャートが楽しめるのも興味深かった。多くの楽曲はグローバルのチャートと同じなのだが、ちょうど日本のヒットチャートでも洋楽と邦楽があるように、都市ごとの特徴を持つチャートになっている。外国旅行をする前に、訪問する都市のヒットチャートを何度か聞いておくと、それだけ気分が盛り上がるというものだ。
Echo LinkからWiiMへ
そんなわけで、ちゃんとしたオーディオセットで音楽を楽しむときには、Echo LinkデバイスでAmazon Musicを聴いてきた。そのプロトコルはAlexa Castというそうだ。このプロトコルでは192kHz/24bitまでのオーディオを再生することができる。これはこれですばらしいデバイスだったが、後継機が出ないままにディスコンになってしまっている。
ところがAndroidスマホのApple MusicアプリはGoogle Castにしか対応していない。数年前の大掃除のときにChromecast Audioのデバイスを処分してしまったことをどんなに後悔したことか。Chromecast Audioも、すでにディスコンで入手が難しくなってしまっているからだ。これがあれば、これまでと同様にEcho Linkを使いながら、その外部入力にChromecast Audioの光信号を入力することができていたのだ。
今回、Amazon MusicとApple Musicの両方を楽しむにあたって、Echo Link + Chromecast Audio環境と代替できる機器を探してみたところ、WiiMというブランドの製品に行き当たった。2014年に設立されたLinkplay Technologyというメーカーが擁するブランドだ。このメーカーは、近年の音楽ストリーミングサービスの普及に伴い、既存のオーディオシステムをネットワーク対応にアップグレードする需要が高まっていることに応える製品群を展開しているそうだ。
最新製品ではないが、同社製品群はそれなりの評価を獲得しているようなので、WiiM Proを購入してみた。公式サイトの製品説明では「AirPlay2、Chromecast Audio、ネットワークマルチルームオーディオ、そしてAlexa、Siri、Googleアシスタントの音声アシスタント、Spotify / Amazon Music / TIDALなどのハイレゾオーディオストリーミングに対応した究極のオーディオストリーマーです」とある。直販では2万3,330円だが、ヨドバシドットコムで購入、お取り寄せだったが2週間ほどで到着した。
スペック通りなら、AndroidスマホからAmazon MusicをAlexa Castで192kHz/24bitまでのサンプリング周波数で、Apple Musicを44.1kHz/16bitのサンプリング周波数で再生できるはずだ。
WiiM Proに有線LANケーブルを接続し、出力は光ケーブルで手持ちのDAコンバータCECのDA53N(2009年発売・生産完了)と接続したが、入力サンプリング周波数が光では96kHzまでの対応なので、192kHz対応のために同軸ケーブルを調達して接続を変更した。その変更だけで音の伸びが感じられるようになったのにはちょっと驚いた。
DAコンバータの出力は、いわゆるRCAオーディオケーブルでプリメインアンプLUXMAN L-509s(1998年発売・生産完了)に接続、スピーカーはDIATONEのDS-20000B(1998年発売・生産完了)をつないで鳴らしている。発売日を見れば分かるようにアナログ系は前世紀、DAコンバータもすでに購入後17年経っている。
デジタルトランスポーターとしてのWiiM Pro
この環境でいろいろ試してみているところだが、今のところは、WiiM Proの設定をいろいろいじって音の変化を確かめているところだ。雑感としては、デジタルをいじくる仕事をさせない方が音が素直で透明になるように感じられることが分かった。
まず、WiiMのソースをアップサンプリングする固定サンプリング周波数の機能をオフにして、入ってきたサンプリング周波数そのままで出力するようにした。44.1kHzなどを96kHzにアップサンプリングするのはいわゆる「なんちゃってハイレゾ」だ。まず、これをやめた。また、イコライザーもオフにした。
さらに、信号を受け取るDAコンバータ側でもオーバーサンプリングをオフにした。こちらもデジタルフィルタや再計算をさせないためだ。また、固定音量出力もオンにすることで、WiiMのデジタルボリュームをバイパスするようにした。
まずは、ここからのスタートだ。これでApple Musicのソースは44.1kHzで出力され、Amazon Musicのultra HDは192kHzで出力される。WiiM Proは何も足さず、何も引かずにデジタルをパススルーする。
Google Castの伝送レートはプロトコルとしては最大96kHzまでの対応だ。いろいろな大人の事情で現在は44.1kHzに制限されているApple Musicの出力だが、もし将来的にそれが緩和されるようなことがあれば、こちらもビットパーフェクトでの再生が可能になる。その日が待ち遠しい。
そうはいっても44.1kHzはCD音質だ。その時代の音楽を聴くなら44.1kHzのほうがいろいろな意味で潔いのかもしれない。ハイレゾどころかデジタルのなかった時代の音楽は、ことごとくアナログテープに記録されていたのだし。











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