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画面分割しても“見切れない”快感!「文字の小ささ」とおさらばできる16型2in1という選択肢

~MSI「Prestige 16 Flip AI+ C3M」を14型ノートと比較してみた

モバイルもいけるMSIの16型2in1「Prestige 16 Flip AI+ C3M」。実売価格は31万4,800円前後

 13~14型のモバイルノートは小回りが利き、今ではパフォーマンスも十二分に高い。あらゆる用途に1台で対応できることから「ほかの選択肢は考えなくていいかも」と思ってしまいそうだが、ちょっと待ってほしい。

 確かにモバイルノートはオールマイティに使えるものの、ディスプレイの小ささだけはいかんともしがたいだろう。画面に目を近づけないと細かな文字が読み取れず、長時間使うと頭痛がしてきたり、姿勢が前屈みになって肩こり、腰痛が悪化したり……といった筆者みたいな人はそれなりにいるはず。

 外部モニターと組み合わせれば視認性がアップするとしても、ノートPC単体で使うときにはそれとのギャップの大きさからかえって「小ささ」や「見にくさ」が際立ってしまう。であるなら、最初からもっと大画面の、たとえば16型ノートを選ぶのはどうだろうか。

 16型の大画面は視認性が高いのに加えて、筐体の大きさからくる性能面の余裕もある。たとえばMSIの「Prestige 16 Flip AI+ C3M」(以降、Prestige 16 Flip)は、16型にも関わらずモバイル用途まで視野に入るサイズ感を実現した興味深い1台だ。

 据え置き前提の概念を覆し、しかも2in1で活躍シーンも多い。14型モバイルノートとの違いを見ながら、Prestige 16 Flipの良さを掘り下げていってみよう。

16型大画面の「見栄え」を14型と比較してみる

 Prestige 16 Flipは、16型の大画面を持つ2in1スタイルのノートPC。キーボードを備えた一般的なノートPCとして使うことも、ディスプレイを360度開いてタブレット的に使うことも可能なモデルだ。

16型大画面ノート
Prestige 16 Flip

 ディスプレイ解像度は2,880×1,800ドット、アスペクト比は16:10となっている。まずはこの16型の3Kディスプレイが、14型のモバイルノートと比べて体感的にどれほどの違いがあるのかチェックしてみたい。

 比較に用いた14型ノートは、解像度1,920×1,080ドット、アスペクト比16:9のオーソドックスなもの。解像度が高くない分、画面は小さくても(フォントのスケーリングを変更できることもあり)視認性が大きく劣っているわけではない。

14型モバイルノート
比較のために用意した14型ノートPC「Modern 14」

 が、面積差からくる情報量の違いは明らかだ。それが分かるように、両方ともフォントスケーリングをデフォルト(14型は150%、16型は200%)にし、視覚上は同一の文字サイズに見えるようにした状態で、3パターンの利用シーンで比較してみた。

Webブラウザで2ページを並べて表示すると……

 Webブラウザの画面分割機能を使い、左右にページを並べたときの見え方がこちら。16型のPrestige 16 Flipはそれぞれのメインコンテンツ部分を左右端までしっかり表示できている。16:10というアスペクト比のおかげで縦方向にも情報量が多い。

Webブラウザで比較
※中央のバーを動かして比較

 ところが14型は、右側のPC Watchの記事タイトルが見切れてしまっている。縦方向も1画面内で見える範囲が狭く、上下左右へこまめにスクロールしないとコンテンツを把握できない。閲覧の効率は16型の方がずっと優れていることが分かるだろう。

DaVinci Resolveで動画編集してみると……

 動画編集では、プレビューやタイムラインの表示範囲が大きく異なる。14型はプレビューサイズが30%と小さいので画像の細部を確認しにくく、タイムラインは一度に3段分しか視認できないため頻繁に上下スクロールしながらの作業となりそうだ。

動画編集ソフトで比較
※中央のバーを動かして比較

 一方のPrestige 16 Flipは、プレビューが50%と大きく表示しながらもタイムラインは5段分。小さなテロップにもしミスがあっても気付きやすく、タイムラインの全体把握も容易だ。こちらも作業効率は圧倒的に16型に軍配が上がる。

ドキュメントを確認しながらAIコーディングすると……

 もう1つ、AIコーディング時の見た目もチェックしてみた。デスクトップを左右に2分割し、左にClaude Code、右にドキュメントを確認・編集するためのVisual Studio Codeを表示させた状態だ。

プログラミングエディタで比較
※中央のバーを動かして比較

 AIコーディングでは、作業内容を大量のテキストで吐き出すため、ユーザーはその中身を逐一チェックしていくことになる。なので、当然ながら閲覧性の高さが肝になってくるわけだが、14型はさすがに1画面の情報量が少ない。Visual Studio Codeで開いている文書内容も折り返しが多く、読みにくくなっている。

 それに対して、Prestige 16 Flipの方はスペースにゆとりがあり、作業内容を目で追っていくのに苦労しない。Visual Studio Codeは1画面内に表示できるタブが多く、ドキュメントと突き合わせながら着実に開発を前に進めていけるだろう。

大きいようでいて、意外と持ち運べる16型

 たった2インチの違いで、情報量には歴然とした差があることが改めてお分かりいただけたのではないかと思う。ただ、画面が大きいということは、筐体のサイズも重量も大きいということ。据え置きが前提になり、モバイルノートのような機動力はない……と思いきや、意外とそうでもないようだ。

16型と14型ノートの大きさ
縦横サイズこそ大きいが、実は持ち運びもしやすいPrestige 16 Flip

 Prestige 16 Flipのサイズは357.7×254.3×13.9mm、重量は実測1,648g。縦横幅は16型らしい大きさだが、厚みに関しては14型クラスと同程度で、そのおかげか一般的なサイズのビジネスバッグにも収まるレベル。重量も16型にしては抑えられており、たとえ毎日持ち運ぶことになったとしても許容できるのではないだろうか。

2kg切りならわりと余裕で持ち運べる
実測重量は1,648g。薄型だが、金属素材のボディは剛性が高くしなったりしない
13~14型を想定していた筆者のビジネスバッグだが、Prestige 16 Flipがちょうど収まった

 省電力なCPU内蔵GPUに81Whrの大容量バッテリで、最大13時間(JEITA 3.0 動画再生時)というスタミナ。汎用的なUSB PD充電器でも充電できるため、持ち運んだ移動先で充電が必要になったときでも対処しやすい。しかもタッチパッドが広く、外部マウスなしでも高い操作性を確保できる。

小さめの充電器と大きめのタッチパッド
付属の65W充電器は比較的コンパクトな作り
広いパームレストに広いタッチパッド

 たとえば13~14型のモバイルノートを本格的に外で活用するとなると、タッチパッドの小ささを補うためにマウスもセットで持ち運びたいし、場合によってはモバイルモニターも、ということになりかねず、せっかくのモビリティ性能が損なわれがち。

 しかし大画面のPrestige 16 Flipなら本体だけで高い操作性、視認性を実現でき、外部機器に頼らずに済む。そう考えると、意外と16型でもモバイル利用は現実的だし、外部機器分のコストを削減できる、ともいえるのではないだろうか。

大画面&高性能な2in1は本格「液タブ」にもなる

CPUはCore Ultra 3シリーズ
Core Ultra 9 386Hを搭載

 ここでPrestige 16 Flipのスペックを見てみよう。CPUは最新世代のIntel Core Ultraシリーズ3のうち、ハイエンドクラスとなるCore Ultra 9 386H(16コア16スレッド、最大4.9GHz、Processor Base Power 25W)を搭載する。

【表】試用機のスペック
Prestige 16 Flip AI+ C3M
OSWindows 11 Pro 64ビット
CPUCore Ultra 9 386H
(16コア16スレッド、最大4.9GHz、Processor Base Power 25W)
GPUIntel Graphics(CPU内蔵)
メモリ32GB(LPDDR5X)
ストレージ1TB(NVMe M.2 SSD)
ディスプレイ16型OLED(2,880×1,800ドット、120Hz)
インターフェースThunderbolt 4(40Gbps) 2基
USB 3.2 Gen 1 Type-A(5Gbps) 2基
HDMI出力、ヘッドセット端子
通信機能Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0
カメラ207万画素
サウンドステレオスピーカー+2ウーファー
セキュリティ顔認証、指紋認証(Windows Hello対応)
バッテリーリチウムイオン(81Whr)
稼働時間動画再生時最大13時間、アイドル時最大19時間(JEITA 3.0)
同梱品ACアダプタ(最大65W)
サイズ約357.7×254.3×13.9mm
美しい金属筐体
薄型で最薄部は13.9mm
180度開く
Webカメラはプライバシーシャッター付き

 メモリは32GB、ストレージは1TBと余裕があり、ディスプレイは高解像度のOLED(有機EL)でリフレッシュレートは120Hz、DCI-P3およびDisplayHDR True Black 600準拠の広い色空間を持つ。写真/動画などの映像処理にも向いた装備だ。

画面は色鮮やかなOLED
リフレッシュレート120Hz、DisplayHDR True Black 600準拠の色鮮やかなOLEDディスプレイ

 最大40GbpsのThunderbolt 4を2基、USB 3.2 Type-Aポート(5Gbps)も2基用意。電源ボタン一体型の指紋センサーと顔認証対応のWebカメラを内蔵し、セキュリティにも強い。ネットワークはWi-Fi 7対応で、10Gbpsのインターネット回線で試してみたところでは実測で3~4Gbpsに達した。

バランスの取れたインターフェイス
左側面にThunderbolt 4を2基、HDMI出力を装備
右側面にはUSBを2基とヘッドセット端子
最新のWi-Fi 7対応
Wi-Fi 7環境ではインターネット接続で3~4Gbpsを達成

 こうした高いスペック&大画面がベースにあることで一段と活きてくるのが、2in1におけるタブレットとしての使い勝手だ。Prestige 16 Flipは指先でのタッチや付属スタイラスペンでの画面操作が可能で、ディスプレイを180度以上開けば大型のタブレット端末に早変わりする。

タブレットにもなる
キーボードは360度開いてタブレットとして使用可能

 ビジネスシーンでは手書きでメモを取ったり、資料データに手書きでコメントしたり、といった使い方が考えられる。広い画面で資料を見やすく表示し、そこに見やすく書き込むことができる。また、プライベートシーンでは本格的なお絵描きにも耐えられるだろう。16型の大画面を持つPrestige 16 Flipは高性能な「液晶タブレット」にもなりうるのだ。

スタイラスペンを収納可能
コンパクトなスタイラスペンが付属。大画面でのメモ書きは小型タブレットでは得られない爽快さ
本体底面にペンの収納兼充電ポートがあり、安全に持ち運べる
イラストも描ける
本格的なお絵描きにももちろん活躍。もはや大型の「液タブ」だ

AI対応+大画面がマルチタスク処理を加速

 Prestige 16 Flipが採用するCore Ultra 9 386HはAI処理向けのNPUを備えており、その処理性能は最大50TOPSに達する。

 Webカメラ映像の背景ぼかしなどを可能にする「Windows スタジオ エフェクト」や、過去の操作履歴を遡れる「リコール」、再生している動画などの音声をリアルタイムに字幕化する「ライブキャプション」といったWindows 11の機能はNPUが担う仕組みだ。

WindowsのAI機能が使える
Webカメラ映像の背景交換や「Windows スタジオ エフェクト」
音声をリアルタイムに字幕化する「ライブキャプション」。英語への同時翻訳も可能
画面内要素のコピーや検索が簡単に行なえる「クリックして実行」もNPUを活用

 こうした高性能なNPUがあることで、CPUとGPUはそのぶん別のタスクに集中できる。Web会議しながら調べものをする、ライブイベントの外国語音声の字幕を参考にしながらレポートをまとめるなど、同時並行作業のパフォーマンス向上が図れるわけだ。

 NPUが担う処理範囲はこれから一段と広がっていくものと考えられ、マルチタスク向きな16型大画面ノートは今後ますます価値が高まるだろう。

大きくても持ち運べる16型をビジネスノートの選択肢に

 ビジネス用途のノートPCにおいては、持ち運べるサイズ・重量へのこだわりが強くなりやすい。それに対して16型のような大型ノートは、据え置きで使うもの、あるいは自宅でデスクトップPC代わりに使うもの、といった捉え方をしている人も少なくないはず。

 しかし、高性能化と同時に薄型・軽量化、さらにはスタミナバッテリ採用などの合わせ技を可能にした強力な16型ノートPCは、据え置きはもちろんモバイル的にも使える。活躍の場がこれまでよりも確実に広がっており、Prestige 16 Flipはまさにその代表格だ。

 ビジネスなら13型か14型、みたいになんとなく決めていた人も、いったん視野を広げて「さらに大画面のノートPCはどうだろう」という観点も持ちながら製品選びをしてみてはいかがだろうか。