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メモリ32GBでも予算内。産経新聞社がAMD Ryzen搭載dynabookを2千台導入

~「バッグに入れ忘れた?」と錯覚するほどの軽さとAMD Ryzenのコスパの高さに満足

AMD Ryzenシリーズを搭載する「dynabook GA83」

 株式会社産業経済新聞社(以下、産経新聞社)は、記者や従業員が使用するPCとして、Dynabook株式会社の13.3型モバイルノートPC「dynabook GA83」を2025年夏に2,000台以上一括導入した。今回の選定において、産経新聞社が最も重視したのは「機動力」と「パフォーマンス」そして「電力効率」の3点だ。

 特に、5年先を見据えての「メモリ32GB搭載」というスペックにおいて高いハードルを課しつつ、予算内での大規模導入を実現する鍵となったのが、AMD Ryzenシリーズの採用である。「PCがバッグに入っているか不安になった」と社員たちを驚かせた800g台の軽さと、現場での動画編集までも支える高い処理能力など、導入の経緯と現場での評価などについて詳しく話を聞いてきた。

2,000台の大規模導入。選定の決め手は「機動力・パフォーマンス・電力効率」

 産経新聞社は、誰もがイメージする産経新聞の発行以外にも、自社の「考え」を発信することを事業の基軸に据えつつ、紙媒体中心のビジネスモデルからの転換を目指してデジタル分野や新規事業へ積極的に注力している。具体的には、公式ニュースサイトの運営やYouTubeチャンネルを通じた情報発信、さらにはAI活用のための新部署設置など、時代に合わせた多角的なビジネスを展開している。

 また、新聞社としてのブランド力を生かしたイベント展開に加え、メディアビジネス局によるデジタル広告の販売など、多様な専門組織が連携して収益の創出と報道活動の両輪を支えている。今回は導入の経緯だけでなく、実際に現場などで利用している記者やスタッフの方たちにも話を聞くことができた。

 話を伺ったのは導入前の選定から検証など今回の導入を決定した産経新聞社東京本社制作局制作管制部 部次長の森田賢二氏、カメラマンとして現場に出ているほか、YouTubeのチャンネルも担当し、動画編集などの作業も行なう東京本社事業本部コンベンション事業部の桐原正道氏、メディアビジネス局ソリューションユニットソリューション2部 部長の谷田直治氏、ソリューションセンター センター長の野崎勇氏の4名だ。

左から産経新聞社の森田賢二氏、桐原正道氏、谷田直治氏、野崎勇氏

 導入に際して重視したポイントを尋ねると森田氏は「機動力」と「パフォーマンス」そして「電力効率」の3つを挙げる。産経新聞社には多くのカメラマンや記者たちが所属しており、具体的には以下の項目が要件となった。

  • カメラマンや記者が現場に持ち出しやすい環境を用意すること
  • 社内で勤務する開発部門の社員たちの高負荷な作業もこなせる高いパフォーマンスを持っていること
  • 取材現場など電源確保が難しい場所での作業もバッテリのみで使える電力効率の高いモデルであること

 これらに加えて、価格についても重要視しており、森田氏は「2,000台もの台数を一括で導入するとなると、1台あたりのコストは少しでも抑えたい」としており、これら4つの要件定義を元に選定が行なわれた。

 選定に際しては、複数社の数あるノートPCの中から社内投票を実施したり、スペック以外にもサポートやメーカーの工場視察など、多角的な評価が行なわれた。そういった数々のチェックをくぐり抜け、選定されたのが「dynabook GA83」だった。

800g台の軽量ボディにAMD Ryzenを搭載した「dynabook GA83」

 dynabook GA83は、AMD Ryzenシリーズを搭載し「高性能を身近なものに」のキャッチコピーで展開する法人向けハイスタンダードモデルだ。

 13.3型のフルHD液晶ディスプレイを搭載するモバイルノートPCながら、薄さ17.9mm、重量約875g(最軽量構成時)と薄型で軽量なボディには、軽さと強度を両立するマグネシウム合金を採用。ディスプレイ三辺の狭額縁化を進めながらも、狭くなったスペースには、プライバシーシャッター付きのWebカメラを搭載。内部のPC基板は10層に高密度化することでフットプリントを小型化しており、小さくて軽いのに丈夫で使いやすいモバイルノートPCを実現している。

 プロセッサは、AMD Ryzen 7 7730U、またはAMD Ryzen 5 7530Uを選択可能。放熱技術やシミュレーションに基づく筐体設計技術などを駆使したDynabookの独自技術「エンパワーテクノロジー」を採用し、AMD Ryzenシリーズのピーク性能をより長時間安定して引き出すことに成功。パフォーマンスを重視するニーズにもしっかり応えている。

 小型・軽量にこだわりながらも、約9.5時間(動画再生時)/約23時間(アイドル時)(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver.3.0で計測)を実現しており、電力効率の高さと機動力も万全だ。

 加えて、USB 3.2 Gen 2 Type-Cポートや有線LANポート、microSDカードスロットといった使い勝手に配慮された豊富な拡張ポートの数々、「AIノイズキャンセラー」、「ワンタッチマイクミュート」などのオンライン会議で役に立つ機能の搭載などもあり、隙のないビジネスモバイルノートPCとして仕上がっている。

ビジネスシーンになじむ落ち着いたデザイン
右側面にSIMカードスロット(オプション)、microSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1 Type-A、Gigabit Ethernet、
左側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C 2基(PD、外部ディスプレイ出力対応)、HDMI、USB 3.2 Gen 1 Type-A、音声入出力

軽量化とパフォーマンスの両立で「鉄アレイ」から解放

東京本社制作局制作管制部 部次長の森田賢二氏

 導入後の現場の声について伺うと、森田氏は「とにかくdynabook GA83の重量が800g台と軽量な点について、どの部署からも評判がいいです。以前利用していたノートPCの重量が1.25kgあったのですが、現場の記者たちから冗談交じりに「鉄アレイを持たせるな」と言われたこともあります(笑)」と語り、重さに関する不満は一切なくなったと安堵の表情を見せる。本体が軽くなったことで、記者やカメラマンたちも安心して持ち運べるようになったとしており、あらためて機動力が向上した点について振り返った。

 これについては野崎氏も、dynabook GA83を使い始めた頃の会社帰り、バッグのあまりの軽さに「ノートPCを忘れてきたかも!」と勘違いしたこともあったという。桐原氏も、導入直後は出社時にバッグを持つと、あまりの軽さにPCを入れ忘れたかと慌てることがあったと語っており、軽くなったことの驚きを全員が強調する。

ソリューションセンター センター長の野崎勇氏

 加えて桐原氏はカメラマンの例を挙げ、現場に向かう荷物が撮影機材だけで10kgを越えることがあるため、PCが少しでも軽くなるのはとてもありがたいと、カメラマン目線でのメリットも語ってくれた。

 谷田氏によると、特に女性社員を中心に、以前のノートPCだと重いので持ち帰るのが難しいと会社に置いたまま帰宅することが多かったという。しかしdynabook GA83導入後は、積極的に持ち帰るようになり、自宅からのリモートワークに活用することが増えたという。

多数のタブやPhotoshopもサクサク。マルチタスクを支える32GBメモリとAMD Ryzen

 パフォーマンスについても太鼓判だ。特に32GBのメモリ搭載により、ブラウザを使用して多数のタブを開いても動作が重くならなくなったことが分かりやすい差だと異口同音に高く評価していた。

東京本社事業本部コンベンション事業部の桐原正道氏
メディアビジネス局ソリューションユニットソリューション2部 部長の谷田直治氏

 また、AMD Ryzenシリーズのパフォーマンスについて、社内でPCを最もハードに使っているという桐原氏は、「写真のレタッチを行なうためにAdobe Photoshopを開き、ほかにもブラウザなど複数のアプリケーションを同時に利用していると、以前はどれかがクラッシュしてしまい困っていた。

 dynabook GA83では、そうした問題は起こらなくなった。加えて動画編集時にかかる時間も大幅に短縮された」とパフォーマンスの高さについて語ってくれた。

 採用されたdynabook GA83には、6コア12スレッドのAMD Ryzen 5 7530Uが搭載されており、薄型・軽量ながらもこうした高速な処理を可能にしているのだ。また、同CPUが内蔵するRadeon GPUの処理能力の高さも、特にマルチメディア系の処理で威力を発揮している。

AMD Ryzenシリーズを採用

 森田氏は導入前の検証について、昔から使われている社内のデータベースシステムを含め、社内で使用されるすべてのアプリケーションなどについて、4カ月間徹底的に検証を重ねた。その結果、動作や互換性については問題はなく、性能、安定性に加え、互換性においても安心して導入できたと語る。

オリンピック取材で活躍した有線LAN。バッテリやWeb会議向けAI機能も高評価

 バッテリ駆動時間については、現場で取材する記者たちはもとより、社内でも会議室などにちょっとノートPCを持っていきたい場合に、電源が確保できない会議室でもバッテリ残量を気にせず利用できるのがありがたいという声が挙がった。

 豊富なインターフェイスも評価が高い。特に有線LANポートについて森田氏は、オリンピックを例に挙げ、プレスルームの無線LANは利用者が多すぎて使いものにならないくらい遅かったが、有線LANを利用することで、迅速に写真や記事がアップロードできるので、現場の記者たちもとても助かっていると具体例を紹介してくれた。USB LANアダプタでも代用は効くが、余計な周辺機器を持ち歩かず、ノートPCに直接備えている点が機動力にも直結するのだという。

 スペックからは見えにくいところでは、逆光時などでもミーティング時の顔の映りが格段によくなったといい、こういった点も日常業務を支えるプラスの要素になっているようだ。

2,000台のキッティング負担を最小化。予算の壁を越えたAMD Ryzenのコスパ

 導入に際しては、あらかじめ森田氏が作成したマスターを元にDynabook社が画面レイアウトなども含め全台数のキッティングを行なった。こうしたDynabook社のキッティングサービスにより、2,000台という大規模なPC導入についても、サポートの負担を最小限に軽減できたと語る。

 前回のPC導入時は、メモリが少ない標準スペックで導入したため、スタッフからは早い段階から動作が重いといった不満の声が出ていたという。今回は5年使い続けても重い、古いと言われない性能を確保するため、導入するPCのすべてに32GBのメモリを搭載することを決めていたそうだ。このスペックを予算内で満たすのはなかなか困難だったが、AMD Ryzenシリーズ搭載のdynabookを選択したことで実現できたという。

 Windows 10のサポート終了がきっかけで行なわれた産経新聞社での2,000台の一括導入。今後について森田氏は、ここまでの大規模な一括導入はまた数年後になるとした上で、現在、業務上の理由からデスクトップPCを使っている部署でも、パフォーマンスの高さやコスト面などで魅力的なAMD Ryzenシリーズの導入を検討していきたいとした。

5年先を見据えた「最適解」。カタログスペックを超える高い実用性

 以上、dynabook GA83を導入した産経新聞社の現場の声を中心に紹介した。PCをハードに使う桐原氏や、導入を担当した森田氏のようにPCに詳しい人たちだけでなく、谷田氏や野崎氏のようにあまりPCに詳しくないと語る管理職の人たちまで、誰もが口を揃えて評価していたのは、カタログスペック以上の「実用性」だ。

 800g台という驚異的な軽さは、記者の機動力を劇的に向上させ、32GBメモリとAMD Ryzenシリーズを搭載する余裕ある性能は、5年先を見据えた業務効率を担保していると言える。有線LAN端子など、現場のニーズに応えるインターフェイス類も充実したこの1台は、デジタル変革を加速させる同社にとって、まさに現場の機動力を極める「最適解」のように感じられた。

 インタビューを受けた人たちがみな笑顔でこの「軽さ」について語っていたのが、今回の2,000台一括導入の成功を何よりも雄弁に物語っていると言えるだろう。