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32GBメモリ/512GB SSDでこれは安い!しかも最新CPU!ガチおすすめのモバイルPC

~ヴィーガンレザーが目新しい「Lenovo Yoga 7i 2-in-1 Gen 10」

 今や新規購入するビジネスノートPCはメモリ16GBが最低ラインといったあたり。各種AIツールなども駆使する複雑なタスクを余裕を持って処理できるようにするなら、できれば32GBは欲しいところではないだろうか。

 ただ、CPUやディスプレイもそれに見合った高い性能を備えていないとPCとしてのバランスが取れず、かと言って贅沢にスペックをアップグレードしていけば価格は青天井。どこかを妥協しなければ予算に収まらない……というのはPCユーザーのよくある悩みだ。

 だが、レノボの新型ノートYoga 7i 2-in-1 Gen 10」なら何もあきらめる必要はなさそうだ。32GBメモリでCPUはCore Ultra、ディスプレイは120Hzの有機EL(OLED)と理想的な装備。スタイラスペンも付属し、それでいて直販価格はなんと18万円台からというリーズナブルさを実現している。 どんな使い勝手になっているのか詳しく見ていこう。

格調高く落ち着きあるヴィーガンレザー、耐久性にも妥協なし

そこはかとない高級感。天板がフツウじゃない!?
天板にはヴィーガンレザーを採用
金属素材にはない温かみのある雰囲気

 さて、 Yoga 7i 2-in-1 Gen 10はほかのノートPCとはちょっと違って見える。そう、真っ先に目を引くのが、「ヴィーガンレザー」を採用した天板だ。 ベージュに近い色合いで、まるで欧州車の内装、もしくは化粧品のような格調高さがあり、しかし決して派手さのない落ち着いたたたずまい。しっとりした手触りとあいまって、所有感をぐっと高めてくれる。

最新スペックだけどリーズナブル
レノボ「Yoga 7i 2-in-1 Gen 10」。Core Ultra 2シリーズ搭載の最新モデル、メモリ32GB、SSD 512GBでありながら、直販18万9,860円でリーズナブル
2in1なのでノートPCとタブレット化を行き来できる

 かと言って、デザイン全振りというわけではない。 このヴィーガンレザーは水濡れや汚れにも強い。試しに水性ペンで落書きしたものもウェットティッシュ等で簡単に落ちる。筐体の骨格を成すフレームには100%リサイクルのアルミニウムを採用しており、「MIL-STD 810H」に準拠したミリタリーグレードの耐久性も備える。 キーボードにはUVコーティングが施され、こちらも汚れにくい素材だ。

質感が高くキーボードは防汚性もある
フレームに100%再生アルミニウムを使用し、サステナビリティに貢献
キーボードはUVコーティングされ、汚れに強い
キーボードを光らせば暗所でも使いやすい
LED機能を備えているキーボード。簡単にオン/オフできる

 2in1は軽さを狙うのが難しいジャンルだが、前世代比で100g以上削減する約1.38kgとなった。薄型化も進み、最薄部は15.95mmと標準的な14型ノートと大きく変わらないスリムさで、バッグへの収まりが一段と良くなっている。自宅とオフィスのハイブリッドワークを実践している人にとっても扱いやすいモデルだ。

余裕で持ち運べるサイズと重量感
14型で厚みが抑えられており、バッグへの収まりもいい

Core Ultraに32GBメモリの高性能、有機ELディスプレイは高画質

Intel最新プロセッサ
Core Ultraシリーズ2を搭載

 このボディに収められているCPUは、 AI処理性能40TOPS以上のNPUを内蔵するIntel Core Ultraシリーズ2。 今回の試用機にはCore Ultra 5 228V(8コア8スレッド、最大4.5GHz、Processor Base Power 17W)が搭載されていた。 メモリは標準で32GBと、将来を見据えても余裕のある容量だ。

32GBものメモリを積んでいる
メモリは標準で最大容量となる32GB

 実際のところ32GBのメモリがあると、日常のPC利用でどう変わってくるのか、メモリ16GBの環境と比較してみた。

 下記の画像はWebブラウザで30個のタブを次々と開いていったときのもの。メモリ16GBのPCは残りわずか3GB余りとなったが、 32GBのYoga 7i 2-in-1 Gen 10は残量12GBとまだまだ空きがある。

メモリ16GBと32GB環境の違いは如実
メモリ16GBのPCでWebブラウザのタブを30個開いたときの状況。空きは残り3.4GB
Yoga 7i 2-in-1 Gen 10でWebブラウザのタブを30個開いたときの状況。メモリ残量は12GB以上

 これはあくまでも、Webブラウザとタスク マネージャー以外のものを明示的には起動していない状態での結果だ(プリインストールされたものなど標準で常駐するアプリケーションを除く)。通常はほかにも何らかのソフトを同時に使用していることが多いと考えられるため、メモリに対してより厳しい状況になるのは想像に難くない。

 しかしYoga 7i 2-in-1 Gen 10のように12GBもの空きがあれば、写真や動画の編集などメモリ消費が大きくなりがちなアプリケーションを同時使用していたとしても本来の快適さを維持できるだろう。 AI活用でより効率的なマルチタスク作業が求められてくる今後のビジネスシーンにおいて、32GBのメモリは安心感のあるスペックと言える。

 続いてほかの要素に目を向けると、ストレージは512GB SSDで、一般的なビジネス用途なら必要十分な容量。クリエイティブ用途だと使い続けるうちに不足を感じるかもしれないが、+1万円程度で1TBにアップグレードできるカスタマイズモデルもある。もしくは2つあるUSB Type-C(Thunderbolt 4)ポートで高速・大容量の外付けSSDを活用するのもアリだろう。

ストレージ容量は十分だけど外部に逃がしてもよし
ストレージは外付けの大容量SSDでも補える

  ディスプレイもかなり高スペックなものだ。14型2,880×1,800ドットという高解像度の有機ELで、タッチ操作対応。 リフレッシュレートは最大120Hzとなっており、スクロールやマウスカーソルの動きは明らかになめらかで、視認性の向上や疲労感の軽減が期待できる。DisplayHDR True Black 1000およびDolby Visionに対応し、sRGBとDCI-P3の色空間を100%カバーするなど、画質面にも隙はない。

 なお、現状はWindows側の問題で、ディスプレイの詳細設定にてDisplayHDR True Black 1000ではなく、同600と表示されてしまっている。この不具合は6月末頃に修正される予定とのことだ。

有機ELならではの発色のよさ
14型2,880×1,800ドットの有機ELディスプレイ。リフレッシュレートは120Hz
Yoga 7i 2-in-1 Gen 10」試用機のスペック
OSWindows 11 Home
CPUCore Ultra 5 228V
(8コア8スレッド、最大4.5GHz、Processor Base Power 17W)
GPUIntel Arc 130V
メモリ32GB(LPDDR5X)
ストレージ512GB(NVMe/M.2、最大1TB)
ディスプレイ14型有機EL 2,880×1,800ドット
(120Hz、DisplayHDR True Black 1000、タッチおよびペン対応)
インターフェイスThunderbolt 4 2基、USB 5Gbps(Type-A) 1基、microSDカードスロット、HDMI出力端子、ヘッドセット端子
通信機能Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
スピーカークアッドスピーカー (Dolby Atmos対応)
カメラ500万画素
セキュリティWindows Hello顔認証
バッテリ駆動時間動画再生時約14.3時間、アイドル時約17.2時間
付属品ACアダプタ(65W)
サイズ約317×228×15.95mm(最薄部)
重量約1.38kg
カラーシーシェル(ヴィーガンレザー)
価格18万9,860円~

付属スタイラスペン「Lenovo Yoga Pen」が仕事のメモに大活躍

 ところで、モデル名にもある通り2in1のため、通常のノートPCとしてだけでなく、タブレットPCとして使うことも可能だ。ディスプレイ部を360度まで無段階で開くことができ、指先での操作や 付属のスタイラスペン「Lenovo Yoga Pen」を使った繊細な作業もOKだ。

タブレットモードに変形
ディスプレイは180~360度まで無段階に開くことができる

  Lenovo Yoga Penは最大4,096段階の筆圧感知と傾き検知の機能を備えており、イラスト作成に使えるのはもちろんのこと、手書きメモも表現豊かに残せる。 ビジネスシーンではキーボードをタイプするより手書きしたほうが好都合なシチュエーションもあるので、活躍の場は多いだろう。

 そんなスタイラスペンが別売ではなく付属しており、すぐにフル活用できるアプリ「Smart Note」がプリインストールされているのも重要なポイントだ。

高機能スタイラスペンが付属
付属のLenovo Yoga Pen
ペンは天板にマグネットで張り付く。ヴィーガンレザーとぴったりのカラーリング
手書きメモができて便利
Lenovo Yoga Penを使えば仕事のメモも表現力豊かに

使い勝手のいいThunderbolt 4、Wi-Fi 7は4~5Gbpsも狙える

  インターフェイス面でなにげに注目なのが、USB Type-C(Thunderbolt 4)ポートが両サイドに1基ずつあること。 周辺機器の接続や充電に利用するType-C形状のポートだが、2つあっても片側からしかアクセスできないモデルも少なくない中で、ケーブルの取り回しに苦労しない両側装備はうれしい点。USB Type-Aポートがちゃんと1つ用意されているのも、Type-Aの周辺機器がまだまだ多い現状では助かる部分だ。

Type-Cなど装備充実
USB Type-C(Thunderbolt 4)ポートは左右側面に1基ずつ装備。ほか、USB Type-AポートやHDMI出力、microSDカードスロットなどを備える

  ネットワーク機能はWi-Fi 7に対応している。320MHzの帯域幅に対応し、これまでのWi-Fi 6/6E(最大160MHz幅)と比較して2倍の通信速度が得られる可能性がある。 実際にWi-Fi 7のネットワーク環境(バックホールは10Gbps)でインターネットの速度を計測してみたところ、アクセスポイント間近では4Gbpsを超え、壁を1枚隔てた少し離れた部屋でも2Gbps以上を記録した。

Wi-Fi 7対応で高速通信可能
Wi-Fi 7環境下なら4~5Gbpsの通信も当たり前に

 これにより、通信が伴うほかの作業をしていても安定したWeb会議が可能なのはもちろんのこと、クラウド経由のデータのやり取りも一層スムーズになる。Wi-Fi 7対応のルーターやアクセスポイントが必要になるものの、ノートPCを今後数年間使い続けることを考えるなら、ネットワーク環境のアップグレードに追従できるよう今のうちから対応しておくのは大切なことだ。

Copilot+ PCならではの高度な機能が利用できる

  Yoga 7i 2-in-1 Gen 10はCopilot+ PCに準拠したモデルとなっている。 一定以上の性能を持つNPUを搭載するため、いわゆるAI PCとして高いポテンシャルを持ち、徐々にその性能を生かせるOS、アプリケーション環境も整いつつあるところ。

 たとえば内蔵WebカメラでWeb会議をする際には、映像に背景ぼかしなどの特殊効果を加えられる「Windows スタジオ エフェクト」が利用できる。 NPUが、CPUやGPUに代わってそれらの処理を行なうため、同時並行で動かしているほかのアプリケーションの処理速度低下のような影響は最小限に抑えられる。

顔認証対応のWebカメラ
Windows Helloの顔認証に対応する500万画素の内蔵Webカメラ。レンズ部分はプライバシーシャッターで覆うこともできる
NPUによってカメラ映像に「Windows スタジオ エフェクト」の特殊効果を加えられる。CPUではなくNPUが使われるのでシステムの負荷が小さい

 Copilot+ PCであるYoga 7i 2-in-1 Gen 10は、Windows 11に今後正式に追加される「リコール」機能(現在はベータ版)も利用可能だ。リコールは、デスクトップのスナップショットを随時記録し、その内容をAIによって処理することで過去の操作履歴やそこで得た情報などを閲覧・検索できるようになるもの。これによって従来にない高い利便性を享受できる可能性がある。

Windows 11の新機能「リコール」
過去のデスクトップのスナップショットから情報を得られる「リコール」機能

 一般のアプリケーションにおいてはオーディオ編集ツールのAudacityや、動画編集ソフトのAdobe Premiere Proが一部の処理でNPUに対応済み。また、法人向けのMicrosoft 365(BusinessまたはEnterprise)もNPU対応が計画されている。

 WordやExcelなどの上で動作するAIエージェントのCopilotがPC内部で処理されるようになれば、従来のクラウドを通じた処理と比べてレスポンスが高まることが期待される。また、(クラウド経由でも通信の秘匿性は確保されているとはいえ)データがネット上を行き来しないことによって心理的な安心感も増すだろう。

ベンチマークでパフォーマンスチェック

 最後にベンチマークテストでPCパフォーマンスも確認しておこう。ここでは古いノートPCからの買い替えを想定して、5年前の第8世代Intel Core i7搭載マシン(メモリ16GB)と比較する形にしてみた。

 実務アプリケーションの性能を測るPCMark 10は、総合スコアが40%以上アップした。中でもマルチメディア性能の指標となるDigital Content Creation関連の項目の伸び率は数倍におよび、性能向上著しい。

「PCMark 10」の結果

 Adobe PhotoshopやLightroom ClassicのパフォーマンスをチェックできるProcyonの「Photo Editing Benchmark」もスコアが2倍以上に達している。

「Procyon Photo Editing Benchmark」の結果

 3DMarkについてはさらに顕著で、7~10倍という驚異的なスコアを記録。Yoga 7i 2-in-1 Gen 10はゲーミングPCではないが、それでも最近の本格3Dゲームをある程度楽しめるレベルのグラフィック性能を持っていると言える。

「3DMark」の結果

 試しに「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」を実行してみたところ、画質を多少落とせば快適にプレイできることも分かった。

「STREET FIGHTER 6 ベンチマークツール」の結果

 そして、AI性能もやはり高い。推論性能を計測するProcyonの「AI Computer Vision Benchmark」を、CPUとNPUそれぞれで実行してみたところ、CPU同士では5年前のPCと比較して2~3倍高速化し、NPUにするとそれらをはるかに凌駕するパフォーマンスを見せた。

Procyon「AI Computer Vision Benchmark」の結果

 こうしたNPU性能を見ると、先述のWindows スタジオ エフェクトやリコール機能などをぜひとも活用したくなってくる。

これだけの充実装備で18万円台という驚き

  デザイン面の魅力はもとより、潤沢なメモリとCopilot+ PCに準拠したAI PCとしてのパフォーマンスの高さ、インターフェイス等装備のリッチさに加え、スタイラスペンも付属する充実のパッケージで、18万円台というのはお買い得だ。

 単に満足度の高いPCを安く購入できるというだけでなく、多くの個人事業主や中小企業にとっては、経費処理しやすい20万円未満なのもうれしい点ではないだろうか。 なお、16型ディスプレイの姉妹モデルもあり、こちらも同じく18万9,860円からとなかなか引きの強い価格設定だ。

 新生活がスタートして2カ月、仕事も日常生活もそろそろ落ち着いてきた頃合いだろうか。と同時に Windows 10のサポート終了が目前に迫りつつある絶妙なタイミングでもあって、買い替えを検討する人もまだいそうだ。

 ビジネスノートPCとして堅実に使えるだけでなく、タブレットPCに切り替えれば動画視聴にも活躍するなど、実用的なギミックを兼ね備えた「Yoga 7i 2-in-1 Gen 10」は、仕事でもプライベートでも最高の相棒になってくれるに違いない。