トピック

ゲーミングノートどう選べばいいか知ってる?重視するのはもちろんアレ……

~おすすめはLegionの最新ゲーミングPC「Legion Pro 7i Gen 10」

高性能とスマートなデザインを両立するのがトレンドのゲーミングノート。レノボ・ジャパンの「Legion Pro 7i Gen 10」を使って最新スペックの性能も紹介する

 ゲーミングノートの進化がめざましい。最近では高性能のCPUとGPUを搭載してもスリムでスマートなデザインが増え、ゲームが快適に遊べるのはもちろん、仕事、学業、クリエティブなど、幅広い用途で使いやすくなっている。 ここではデスクトップタイプではなく、ゲーミングノートを選ぶことによるメリット、そして製品選びの際に注目すべきポイントを解説していこう。

 なお、詳細は後述するが、本稿ではおすすめのゲーミングノートとして、Lenovoのゲーミングブランド「Legion」から登場したばかりの最新PC「Legion Pro 7i Gen 10」も紹介している。Legion Pro 7i Gen 10は最新のCPUとGPUを備えつつ、美麗かつ高速表示可能なOLEDディスプレイや、強力な冷却機能を備えており、今回解説するゲーミングノート選びの有力候補に合致する製品と言える。こちらを先に知りたいという人は以下の目次の3番に飛んでほしい。

オールインワンでそろうのがゲーミングノート最大の強み

 ゲーミングノートを選ぶことのメリットの1つ目は、 1台で完結できることだ。 デスクトップPCで快適なゲーミング環境を整えるには、本体以外にもモニター、キーボード、マウスなど、さまざまな周辺機器が必要になる。その点、ゲーミングノートなら最初からほぼそろっており、用途にもよるがマウスやゲームパッドを追加するくらいで済む。

ゲーミングノートなら無駄なく、すぐに遊べる
本体、ディスプレイ、キーボード、Webカメラ、スピーカーなどがオールインワンでそろっているのがノートタイプ最大のメリット

 2つ目は 設置場所を取らないことだ。 デスクトップPCでは、本体やモニターそれぞれかなりの設置スペースが必要な上にケーブルが煩雑になってしまう。ゲーミングノートのケーブル類はACアダプタくらいなので、マウスやゲームパッドにワイヤレス接続のものを選べば、よりスマートなゲーミング環境を構築できるだろう。

ゲーミングノートなら省スペースで済む
ディスプレイを大きく開いてもスペースを取らない。ゲーミング環境をどこにでも作れるのは大きな強みだ

 3つ目はノートPCなので当たり前のことだが、 持ち運びが容易なこと。 最近のゲーミングノートは高性能でもスリムでスッキリしたデザインが主流となっており、友人宅に持ち込んでゲームを楽しみやすいのはもちろん、仕事や学業といったシーンでも使いやすく、汎用性が高くなっている。

 デザインのトレンドをレノボ最新のLegion Pro 7i Gen 10と、1世代前のLegion Pro 7i Gen 9を例にして比べてみよう。

新旧での設計の違い
Legion Pro 7i Gen 10の背面。排気を集中させることでキーボード部分の温度が上がらないようにし、前面側の動作音を小さくしている
Legion Pro 7i Gen 9の背面。背面と両側面から排気する構造だ。もちろん冷却力としては問題ないが、熱が両側面にも広がってしまい、動作音も前面側に漏れやすい
左がLegion Pro 7i Gen 10、右がLegion Pro 7i Gen 9だ。厚みはほとんど変わらないが、Legion Pro 7i Gen 10のほうがよりスマートでスリムに見えるデザインとなっている

ゲーミングノート購入時にチェックすべきところ

 ゲーミングノートを購入するにあたり、どういった部分に注目すべきかを解説していこう。

GPU

  もっとも重要なのはGPUだ。 世代が新しいものを選ぶことをおすすめする。NVIDIAであれば、最新世代はGeForce RTX 50シリーズだ。現在最上位のGeForce RTX 5090 Laptop GPUを始め、同5080/5070 Ti/5070/5060 Laptop GPUが登場している(数値が増えるほど性能が上がる)。

  GeForce RTX 50シリーズの強みは、1フレームからAIによって最大3フレームを生成する「マルチフレーム生成」を可能にしたDLSS 4に対応していること。 これによって対応ゲームであれば、大幅にフレームレートを向上できるようにになった。これまでノートPCでは快適なプレイが難しかった描画負荷の非常に高いAAA級タイトルも遊びやすくなっている。AI性能も高く、動画のエンコード性能が向上しているため、クリエイティブワークにも強い。

DLSS 4で快適にゲームプレイ
GeForce RTX 50シリーズならマルチフレーム生成が可能なDLSS 4に対応する

CPU

  CPUも最新世代のものから、できれば6コア以上、可能なら8コア以上のモデルがおすすめだ。 ゲームプレイにおいてはGPUほどではないが、最近はコア数が多いほど快適度が向上するゲームも増えているためコアは多いほどよい。コアが多ければ並列処理に強くなり、ゲームをプレイしながら配信するといった負荷の高い処理にも対応しやすくなる。

8コア以上のCPUを選びたい
最近ではCPUパワーが重要になるゲームがあるほか、配信など負荷の重い処理を変更して実行するならコア数の多いCPUを選びたい

メモリとストレージ

 ゲームで遊ぶだけならメモリは16GBあれば十分だが、 配信で複数のアプリを開いたり、動画編集などメモリが求められる作業まで視野に入れているなら32GB以上搭載しているモデルを選びたいところだ。

 さらに、 ストレージについては複数のゲームを同時にインストールして進行したいと考えているなら、1TB以上がおすすめ。 現在は100GB以上の容量を要求するゲームも珍しくないためだ。500GBでは3~4本しか入らない可能性がある。

ディスプレイ

 ゲームを快適にプレイするにあたり、「ディスプレイ」の性能も非常に重要だ。一般的なディスプレイのリフレッシュレートは60Hz。1秒間に60回の画面書き替えが行なわれる。一方で ゲーミングディスプレイと呼ばれるものは、リフレッシュレート144Hz以上が主流だ。1秒間の画面書き替え回数が増えればそれだけなめらかな描画になり、遠くにいる敵のわずかな動きを把握しやすかったり、近くですばやく動いた場合でも視認性が格段に高くなる。 なめらかな動きは没入感もアップするので、あらゆるゲームジャンルで高リフレッシュレートは有効だ。

リフレッシュレートが高いと表示がなめらか
リフレッシュレートが高くなると1秒間に描画できるコマ数が増えてなめらかな描画が可能になる

 ただし、1秒間に144回など数多くの画面書き替えを行なうには、それだけPCにも高い性能が求められる。性能が追いついておらず秒間60回を下回ってくるとカクカクした操作感になり、キャラクターの動きに違和感を感じてしまう。

 高性能なCPU/GPU、ディスプレイすべてがそろってなめらかな描画が可能になるわけで、その点、ゲーミングノートであればゲームをプレイするのに必要な環境が整っており安心だ。

冷却機能

 このほか、強力な冷却システムを搭載しているモデルもイチオシだ。ゲーミングノートはその性能の高さゆえにどうしても発熱量が多い。冷却力によっては、キーボード周辺が熱くなって操作しづらくなることも。長時間安定して、快適にゲームプレイを考えるなら冷却力は重要なポイントになってくるのだ。

 また、高負荷時はどうしてもファンが高速に回ったりと騒音が出がちだが、今回紹介しているLegion Pro 7i Gen 10のように、排気口の位置を工夫して耳障りになりにくいような設計になっている製品もある。このあたりに強くこだわるなら、製品ページを見るだけでなく、店頭で実機を試すなどの確認が必要になってくる。

冷却システムへのこだわりも重要
これはLegion Pro 7i Gen 10の冷却システム。底面ファンの風でヒートシンクを冷却しつつ、背面側へと吐き出す。風が背面から出るので耳障りになりにくい

すべてのおすすめ要素が詰まった「Legion Pro 7i Gen 10」

 ここまで紹介してきたおすすめの条件を満たすゲーミングノートとして、レノボの「Legion Pro 7i Gen 10」を紹介したい。レノボはゲーミング向けに「Legion」ブランドを展開しているが、今回の製品はLegionのノートPCで初のGeForce RTX 50シリーズを搭載したモデルとなる、発売したばかりのモデルだ。現状GeForce RTX 50シリーズ搭載ノートは数が少ないため、貴重なモデルと言えるだろう。

  Legion Pro 7i Gen 10は基本スペックが優れているのはもちろん、冷却力と供給できる電力量についても強力で、スマートなデザインに強烈なパワーと現在のトレンドの最先端と言える仕上がりだ。 ゲームにも仕事にもAIにもクリエイティブワークにも活躍できる1台となっている。

今おすすめの最新ゲーミングノート
レノボの16型ゲーミングノート「Legion Pro 7i Gen 10」。今回検証したGeForce RTX 5080 Laptop GPUを搭載するモデルの直販価格は59万7,740円

 ここで試用しているLegion Pro 7i Gen 10の場合、ゲーミングノートの心臓部と言えるGPUは「GeForce RTX 5080 Laptop GPU」を搭載。GeForce RTX 50シリーズはDLSS 4への対応に加えて、AI性能が強化されており、前世代の同グレード「GeForce RTX 4080 Laptop GPU」の542TOPSから、1,334TOPSと約2.46倍も向上した(TOPSはAI処理などの指標に用いられる)。

 GeForce RTX 5080 Laptop GPUはノートPCの設計に合わせてカード電力を80~150Wで調整できるようになっているが、Legion Pro 7i Gen 10のカード電力はそれを超える175Wに設定。性能を最大限引き出せるようになっている。

 なお、Legion Pro 7i Gen 10はラインナップを複数用意しており、最上位のGeForce RTX 5090 Laptop GPUや、下位のGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPUもある。予算に合わせた選択が可能だ。

GeForce RTX 5080 Laptop GPU
GeForce RTX 5080 Laptop GPUを搭載。ビデオメモリは高速なGDDR7が16GBとノートPCとしては大容量だ。ブーストクロックは1,500MHzに設定されていた

 CPUにはIntelのノートPC向け最新世代となる「Core Ultra 9 275HX」を搭載。末尾の“HX”はパフォーマンス特化型に付けられる型番で、性能重視のPコアを8基、効率重視のEコアを16基で合計24コア24スレッドという強力なメニーコア仕様になっている。

Core Ultra 9 275HX
CPU-Zでの表示。CPUには24コア24スレッドの「Core Ultra 9 275HX」を搭載。Pコアを8基、Eコアを16基備えている

 この高性能なGPUとCPUを支えるのが400W出力というノートPCとして最大級と言えるACアダプタだ。サイズは大きいが、高い性能を発揮するには電力の供給力も非常に重要となる。後半でベンチマークの結果を紹介するが、Legion Pro 7i Gen 10はGeForce RTX 5080 Laptop GPU搭載ゲーミングノートとして最上級のパフォーマンスを見せた。電力こそパワーなのである。

ACアダプタの出力も性能のキモ
400W出力という強力なACアダプタによってCPU/GPUのパワーを余すことなく発揮できるようになっている

 メモリはDDR5-6400規格のものが32GB(16GB×2)搭載されており、クリエイティブワークにも対応しやすい。ストレージは1TBのM.2 SSDが採用されていて、メモリ/ストレージともに十分な容量だ。

SSDはリードが約6.58GB/sと高速
ストレージの速度を測るCrystalDiskMark 8.0.6の結果。リードで6,585.56MB/sと十分高速だ

 パワーだけでなく冷却システムにもこだわっている。マッシブベイパーチャンバー、トリプルターボファンなどによって前世代のモデルよりもパフォーマンスを向上させながら、負荷時の動作音は静かになっているのだ。

 実際サイバーパンク2077を10分動作させたときのサーモグラフィーを撮影したが、熱源はキーボードの上部に集中しており、キーボードはほとんど熱くなっていない。快適に操作できる状態が保たれている。

ゲーム中でも手が熱くならない
サイバーパンク2077を10分動作させたときのサーモグラフィー。熱源はキーボードの上部に集中。キーボードは中央部分がちょっと温かい程度だ
底面から吸気する3基のファンを搭載
底面のトリプルファンで吸気し、背面から効率よく排熱する

 今回試用したLegion Pro 7i Gen 10 のスペックは以下の通りだ。

【表】レノボ Legion Pro 7i Gen 10の仕様
GPUGeForce RTX 5090 Laptop GPUGeForce RTX 5080 Laptop GPUGeForce RTX 5070 Ti Laptop GPU
CPUCore Ultra 9 275HX(24コア24スレッド)
ディスプレイ16型OLED
2,560×1,600ドット
リフレッシュレート240Hz
メモリDDR5-6400 32GB
ストレージ1TB NVMe SSD
OSWindows 11 ProWindows 11 ProWindows 11 Pro/Home
インターフェイスThunderbolt 4 1基、USB 3.2 Gen 2 Type-C(DisplayPort+USB PD対応) 1基、USB 3.2 Gen 2 1基、USB 3.2 Gen 1 2基、HDMI、有線LAN(2.5Gbps)、Webカメラ、クアッドスピーカー、音声入出力端子
無線機能Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
本体サイズ364.38×275.94×21.9~26.65mm
重量約2.57kg
価格69万2,340円59万7,740円50万6,440円/49万5,440円

【16時訂正】Webページ上の価格が掲載直後に変更されたため、4月25日16時時点での表示価格に変更しました。

 OLED(有機EL)のディスプレイも高性能だ。OLEDは液晶に比べて、輝度の高さや色域の広さ、応答速度の速さで優位性を持つが、特にLegion Pro 7i Gen 10については、16型で解像度2,560×1,600ドットの「Lenovo Puresight OLED Gaming Display」を搭載する。これは、現状認証済みディスプレイがほとんど存在していないOLEDパネル向けの「 DisplayHDR True Black 1000 」という規格に準拠しており、稀有なディスプレイなのだ。

高輝度のOLEDディスプレイ
ディスプレイは16型で解像度は2,560×1,600ドット。DisplayHDR True Black 1000をサポートする「Lenovo Puresight OLED Gaming Display」を採用しており、最新のLegionシリーズではこの高性能ディスプレイの搭載が進む模様だ

 DisplayHDR True Black 1000は、ほぼ真っ暗の黒表現から最大では1,000cd平方/m(もしくはnit)、全体でも500cd平方/mの明るさが求められる認証で、かなり強烈な明暗表示が潰れることなく楽しめる。色域の広いデジタルシネマ向けの「DCI-P3」規格のカバー率100%と色の再現力も高い。

 リフレッシュレートは240Hzと高く、可変リフレッシュレート(VRR)としてG-SYNCに対応する。競合他社のOLEDパネルに比べて寿命を50%向上したとしており、長期間安心して使えるのも大きな特徴だ。

 このほか、ディスプレイ上部にはWebカメラ(500万画素)、マイクを搭載。インターフェイスは左側面にHDMI出力、Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen 2 Type-C(DP対応)、USB 3.2 Gen 2、右側面に2.5Gbpsの有線LAN、USB 3.2 Gen 1 2基、ヘッドセット端子を用意。ワイヤレス機能は、Wi-Fi 7とBluetooth 5.4を搭載している。

左側面にHDMI出力、Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen 2 Type-C(DP対応)、USB 3.2 Gen 2
右側面に2.5Gの有線LAN、USB 3.2 Gen 1 2基、ヘッドセット端子

 日本語配列のキーボードは、ゲーミングに最適化された「Legion TrueStrike」を搭載。独自のパンタグラフによってスムーズで応答性の高いゲームプレイを実現しているのが大きな特徴だ。

 FPS/TPS操作のホームポジションと言える「S」キーに突起を付ける、複数キーの同時押しにも対応している。矢印キーが大きく、テンキーも備えているのでゲーム以外の作業もスムーズに行なえるのもポイントだ。RGB制御が可能なバックライトも内蔵する。

キーボードは日本語配列だ。矢印キーが大きめなのがポイント
よく見ると「S」キーの位置に突起が付いており、FPSなどでのWASDキーにおけるキャラクター操作性を高めている
タッチパッドは大きめ。ボタンの凹凸がないタイプだ
ゲーミングノートらしくイルミネーション機能を備えており、さまざまな配色を設定可能

400WのACアダプタでRTX 5080の性能を引き出す!

 ここからはベンチマークテストに移ろう。動作モードを「Fn」キーと「Q」キーで静音、バランス、パフォーマンスと切り換えられるが、ここではパフォーマンスに統一してテストを行なっている。

「Fn」キーと「Q」キーを押すごとに動作モードが変わる。電源ボタンが青く光れば静音、白がバランス、赤がパフォーマンスモードだ

ゲーム性能

 今回のゲームでの検証は、本機のディスプレイが画面比率16:10の2,560×1,600ドットなので、それに合わせて2,560×1,600ドット、1,920×1,200ドットの2パターンで、最小と平均のフレームレートを測定。最高画質設定でレイトレーシングに対応していれば有効化している。

 テストしたゲームについてだが、注目はマーベル・ライバルズ、サイバーパンク2077、アサシン クリード シャドウズだ。この3本はDLSS 4のマルチフレーム生成に対応しているのがポイント。高いフレームレートが期待できる。

2,560×1,600ドットでの7タイトル比較
1,920×1,200ドットでの7タイトル比較

 サイバーパンク2077、アサシン クリード シャドウズとも高負荷なレイトレーシング処理が入っているが、マルチフレーム生成の効果もあって2,560×1,600ドットの高解像度でも高いフレームレートを記録した。モンスターハンターワイルズは最高画質設定の描画負荷が高く、マルチフレーム生成に対応していないタイトルだが、それでも2,560×1,600ドット平均153.8fpsを出している。ほとんどのゲームを高画質かつなめらかな描画で楽しめるパワーを持つ。

 ちなみに、今回試した実ゲームはGeForce RTX 5080として極めて優秀なフレームレートだ。400WのACアダプタによる安定した電力供給、強力な冷却システムが有効に働いている。

AI性能

 このほか、AIや動画、画像編集の性能もチェックしてみよう。AIはLLM(大規模言語モデル)の処理性能を見るProcyon AI Text Generation Benchmark、画像生成を行なうProcyon AI Image Generation Benchmarkを実行した。

LLMの処理性能
Procyon AI Text Generation Benchmarkの結果

 ノートPCとしては大容量と言える16GBのビデオメモリが生きた結果だ。Procyon AI Text Generation Benchmarkはパラメータが多く、ビデオメモリ8GBの環境では動作しないLLMA 2でも高いスコアを出している。

画像生成の処理性能
Procyon AI Image Generation BenchmarkのStable Diffusion XL(FP16)設定での結果

 Procyon AI Image Generation BenchmarkではStable Diffusion XLによる画像生成も問題なく行なえており、AI目的でも十分活躍が可能だ。

クリエイティブ性能

 動画編集では、実際にAdobeのPremiere Proを動作させてさまざまな処理を行なうProcyon Video Editing Benchmark、画像編集ではAdobeのPhotoshopとLightroom Classicを動作させるProcyon Photo Editing Benchmarkを実行した。

動画編集の処理性能
Procyon Video Editing Benchmarkの結果
写真編集の処理性能
Procyon Photo Editing Benchmarkの結果

 GeForce RTX RTX 5080は最新のハードウェアエンコーダである第9世代NVENCを2基備えており、優れたエンコード性能を持つだけあって、Procyon Video Editing Benchmarkは非常に高いスコアだ。Procyon Photo Editing Benchmarkのスコアも優秀。特にCPUで主に処理するBatch Processingのスコアが高い。24コアのCPUパワーが発揮されている。

消費電力

 続いて、システム全体の消費電力を測定してみよう。OS起動10分後をアイドル時、Cinebench 2024実行時の最大値とサイバーパンク2077実行時の最大値を測定した。電力計にはラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を使用している。

 Cinebench 2024はCPUだけに負荷がかかる処理、サイバーパンク2077はCPUとGPUの両方に負荷がかかる処理だ。そのためサイバーパンク2077では最大331Wに達しているが、400Wには届いていない。より負荷の高いゲームにも対応できるだろう。

性能を考えると十分静かな動作音と高い冷却力

 ここまで高い性能だと冷却力や動作音も気になるところ。そこで、サイバーパンク2077を10分間動作させたときの動作音を正面、右側面、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を置いて測定、サーモグラフィーでキーボード全体の温度をチェックしてみた。動作モードはターボだ。

 排気が集中する背面はさすがに動作音はかなり大きくなるが、その構造によって正面からはかなり音が小さくなる。背面側に排気をまとめるのは最近のトレンドだが、キーボードが熱くなりにくい、正面からの動作音が小さくなるという効果を考えると理にかなった設計と言える。

温度

 最後にゲームプレイ中の温度をチェックしておこう。サイバーパンク2077を10分間プレイしたときのCPUとGPUの温度推移を「HWiNFO Pro」で測定している。CPUが「CPU Package」、GPUが「GPU Temperature」の値だ。

 GPUはほとんど75℃前後で推移とGeForce RTX 5080の性能をしっかりと引き出しながら、冷却も申し分ない。さすがの冷却力と言える。CPUは一瞬100℃を超えるシーンも見られたが、その後は温度が下がっているので、うまく熱をコントロールできていると言える。

 なお、GPUのブーストクロックは1,500MHzに設定されていたが、ゲーム中は2,420MHz前後で推移。かなり高クロックで動作していた。

ゲーミングノートとして最高クラスの1台

 Legion Pro 7i Gen 10は、CPUに24コア24スレッドのCore Ultra 9 275HX、GPUにNVIDIA最新のGeForce RTX 5080 Laptop GPUを搭載、それを生かせるACアダプタと冷却システムによって、 超重量級ゲームでも最高画質で快適に遊べるパワーを実現している。

 OLEDのディスプレイも美しく、映像コンテンツの視聴にも向く本機は、汎用性もバッチリであり、満足度は非常に高い。長く使えるゲーミングノートを探しているなら早速チェックしてみてほしい。