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さすがはレノボ、モバイルPCなのに10万円台前半。これこそ学生にピッタリなモバイルノートだ

~「Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8」でキャンパスライフを満喫

Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)。レノボのWeb直販での価格はRyzen 5 7350U搭載モデルが10万9,670円(1月26日時点)。なお、量販店ではOffice Home & Business 2021付きのものが売られており、13万円くらいで購入できる。このほかにも下位および上位構成のモデルを用意

 レノボ・ジャパンの「Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)」は、重量1.17kgの薄型・軽量筐体で、長時間のバッテリ駆動が可能な14型モバイルノートだ。しかもモバイルノートとしては高性能なRyzen 5 7350Uを搭載するモデルなら実売10万円台からと、コストパフォーマンスが非常に良好である。

 Ryzen 7000シリーズによる高パフォーマンスだけでなく、広色域のIPS液晶やDolbyAudio対応の正面配置スピーカーにより、映像・音楽も楽しめるなど、さまざまな用途で使えるバランスの良さが光る1台となっている。

 また、背景ぼかしやノイズキャンセリングといったオンライン授業でのビデオ通話向けの機能が充実し、Webカメラはプライバシーシャッター付きになっているなど、初めてモバイルノートを使って授業を受けるといった大学生に特に適した製品だ。

この製品はどんなユーザー/用途に向いている?

 この記事では、Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)の特徴や使い勝手、性能などをチェックし、その実力を検証していく。

シンプルかつ薄型軽量。学業・ビジネス用途にも馴染む

 Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)(以下、Ideapad Slim 5 Light)は、軽量や長時間のバッテリ駆動を特徴とする「Ideapad Slim」シリーズのうち、もっとも薄型・軽量を追求したモデルだ。

スタイリッシュな外観
ディスプレイは14型で、モバイルノートとしては大きめの画面を採用するのがメリットの1つ
鈍く光る「クラウドグレー」単色のスタイリッシュな筐体。Lenovoのロゴ部分以外は目立つ装飾もなく、どんなシーンでも利用しやすい
A4用紙を上に載せてサイズ比較。14型ディスプレイ採用のため横幅は少し大きいが、奥行きはほぼA4サイズに収まるコンパクトさ
薄型設計でありながら、米国国防総省の調達品試験規格の1つ「MIL-STD 810H」に準拠。耐衝撃や耐衝突性も高い

持ち運びやすさ

 本体カラーは、ヒンジ部分を含めシルバー系統の「クラウドグレー」に統一され、ディスプレイを閉じた状態では目立った装飾もほとんどない、極めてシンプルかつスッキリとした外観に仕上がっている。学生およびビジネス向けPCとして利用しやすいのはもちろん、どんな用途でも場に馴染んでくれるだろう。

 本体サイズはおよそ約324.1×215.7×17.1mm。多くのモバイルノートが13型ディスプレイを採用するのに対し、本製品は14型とやや大きめのディスプレイを採用するため、横幅は少し大きいものの、奥行きや厚みは13型の製品と比べても遜色ないコンパクトさが特徴だ。

1kgちょっとなのでとても軽い
このクラスの重量であれば、片手でも楽に持ち運べる。バッテリ駆動時間も長いため、数時間の外出であればACアダプタを一緒に持ち運ばなくていい点も魅力

 さらに注目したいのが、約1.17kgと非常に軽い点。片手でも楽に持ち運べる上、一日中カバンに入れていても大きな負担にはならないだろう。一般的なリュックサックやビジネスバッグにもしっかり収まるサイズなので、毎日持ち運ぶような用途には特に向いている。

USBなどのインターフェイス

 インターフェイスは、USB 3.2 Gen1 Type-Cポート、USB 3.2 Gen 1ポート×2、HDMI、SDXCカードスロット、ヘッドフォン/マイク端子。モバイルノートながらUSBポートは合計3つで、うち2つは汎用性の高いType-A形状と、しっかり数を確保している。

Type-Cポートは映像出力と充電対応
左側面にはUSB 3.2 Gen 1ポート、HDMIポート、USB 3.2 Gen 1 Type-Cポート、ヘッドフォン/マイク端子を配置。充電の際はアダプタをType-Cポートに接続する
右側面にはUSB 3.2 Gen 1ポート、SDXCカードスロットを配置
ACアダプタはType-Cポートに接続して使用。急速充電にも対応する

 USB 3.1 Type-CポートはUSB PD対応のほか、DisplayPortによる映像出力も可能で、HDMIポートと合わせて最大3画面のマルチディスプレイ環境も構築できる。

 ただし充電時はType-Cポートが埋まってしまうため、常にUSBポートをフル活用したい場合は上手くやりくりするか、別途ドッキングステーションなどの用意を考えるといい。フルサイズのHDMIポートは先に述べたマルチディスプレイのほか、学校や職場でモニターに画面出力するようなシーンでも便利に使いやすい。

キーボード周り

 キーボードはテンキーなしの日本語配列を採用。キーピッチは実測20mm前後と余裕があり、打鍵感はこのクラスのモバイルノートとしては標準的だ。

タイピングしやすいレイアウト
日本語キーボードを採用。このタイプのノートPCとしてはキー配置も一般的で、キーピッチも実測20mmと広め
タッチパッドは独立したボタンがないタイプ

 キー配置は右端のBackspaceやEnter、Shiftに真横のキーがぴったりと隣り合っているレイアウトだが、隣り合った側のキーは使用頻度がそれほど高いわけではなく、打鍵はしやすいほうだろう。

 また、電源ボタンは指紋認証機能内蔵で、Windows Helloによる高速なログインが可能となっているなど、利便性も配慮されている。

指紋認証センサー搭載
電源ボタンには指紋認証機能が付いている

 キーボード横にはスピーカーを配置。モバイルノートではオーディオの優先度が低くなりがちで、本体裏面にスピーカーを配置する場合がほとんどだが、本製品は正面配置かつDolby Audio対応と、エンタメ用途にも配慮されているのがポイント。

スピーカーを本体左右に配置
スピーカーを正面側に配置することで音がこもりにくくなり、映像・音楽コンテンツを高い品質で楽しみやすい

 実際にサウンドを試聴してみると、底面配置のスピーカーよりも圧倒的にステレオ感を感じやすく、臨場感も高いので、映画や音楽といったコンテンツを楽しみたいユーザーにもおすすめできる。

ディスプレイ

 ディスプレイ解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)。輝度300cd/平方mのIPS液晶を採用しており、視野角や発色は良好だ。色域はモデルの採用スペックによって異なるが、例を挙げるとレノボ直販の82XS002NJPというモデルは45% NTSCで、ほかのモデルではsRGB 100%カバーとなる。

視認性に優れている
ノングレア(光沢なし)のIPS液晶を採用し、ディスプレイ解像度は1,920×1,080ドット(フルHD)。
色域はモデルごとに異なるが、最大でsRGB 100%をカバーする

 レビュー機の上位モデル「82XSCTO1WWJP2」はsRGB 100%カバーで、14型ということで画面も見やすく、色も鮮やかに見える。サウンドと合わせて映像コンテンツを楽しんだり、ちょっとした画像・動画編集などにも扱いやすい構成だ。

Webカメラ

 ディスプレイのベゼル上部には1080p対応のWebカメラを搭載。近年はオンライン授業やリモートワークなど、カメラを通じて人と対面する機会が増加したことで、否応なくカメラを意識せざるを得ない場面が増えている。

 しかし、本製品には物理的にカメラ映像を遮断できる「プライバシーシャッター」が搭載されている。ベゼル上部のスライダーを動かすことで必要な時だけカメラをオンにできるため、プライバシーが気になるという人でも安心して利用できるのはうれしい。

カメラを物理的に隠すことが可能
ベゼル上部のWebカメラにはプライバシーシャッターを採用。赤いパーツでカメラが隠されているのが分かる
上部スライダーを操作することでカメラが利用可能に

 PCの専用アプリ「Lenovo Smart Appearance」から、カメラ関連のさまざまな機能を有効化できる点も魅力の1つ。たとえばカメラ映像の人物だけを認識して背景をぼかしたり別の画像に切り替える「背景」はさまざまな場所でのWeb通話に使えるし、PCの前を離れると自動で画面ロックをかける「存在検知」はプライバシーやデータ保護の観点から有用だ。

背景ぼかしや離席時の自動ロックに対応
「Lenovo Smart Appearance」の「背景」機能。自動で人物以外のものをぼかしつつ、ぼかし量を調節可能。背景を画像などに切り替えることもできる
「存在検知」では、ユーザーが画面の前を離れると任意の秒数で画面ロックをかけてくれる

 プライバシーシャッターで安心を得るもよし、日頃から便利にカメラを使うのもよしと、ユーザーの好みによっていろいろな選択肢が取れるのは今どきのPCらしい特徴と言えるかもしれない。

ノイズキャンセリングも装備
通話に関しては、別のアプリ「Lenovo Vantage」からマイク・スピーカーのノイズキャンセリングなども利用できる

スペックの異なる4モデルを用意

 外観や機能面に続き、モデルごとの違いも見ていこう。Ideapad Slim 5 Lightはスペックごとに4つのモデルを用意しており、CPUはいずれもAMDのモバイル向け最新世代「Ryzen 7000」シリーズを搭載。具体的には、下位・中位・上位の順で以下の通りとなる。

  • Ryzen 3 7330U(4コア/8スレッド)
    82XSCTO1WWJP4
  • Ryzen 5 7530U(6コア/12スレッド)
    82XSCTO1WWJP3
  • Ryzen 7 7730U(8コア/16スレッド)
    82XSCTO1WWJP2

 なお、82XS002NJPというモデルもあるが、こちらはRyzen 5 7530Uを搭載するものの、メモリとSSDの容量が下位モデルの82XSCTO1WWJP4と同じ8GB、256GBとなっている。

 いずれもWebサイトの閲覧や動画視聴、Microsoft Officeの利用、通話といった基本的な用途では軽快な動作が期待できるが、Ryzen 5 7530UやRyzen 7 7730Uはマルチコア性能も高く、あまり高負荷なものでなければクリエイティブ作業への適正もないわけではない。ディスプレイやオーディオにもこだわった1台なので、使い方はいろいろ考えてみるのもいいだろう。

 メインメモリの容量は下位モデルが8GB、中・上位モデルが16GB(いずれもDDR4-3200動作)で、ストレージ容量は下位モデルが256GB、中・上位モデルが512GB。ストレージに関しては、いずれも高速なデータ転送に対応するNVMe SSDを採用している。最近のノートPCとしてオーソドックスな構成だ。

メモリ16GBのモデルなら作業に余裕がある
サンプル機の上位モデル「82XSCTO1WWJP2」でリソースモニターを閲覧。メモリ容量にはやや余裕がある

 下位モデルでも一通りのことはこなせるが、メモリ容量が若干心許ないため、マルチタスクでさまざまなアプリを起動するような使い方をしたい、多少クリエイティブな用途で使いたいといった場合は中・上位モデルを選ぶのが無難だ。

 なお、無線通信はWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)およびBluetoothに対応する。Bluetoothは周辺機器との接続に使えるため、マウスなどを用意することで、利用時の快適性が高められるはずだ。

検証機のスペック
Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8(AMD)[型番 : 82XSCTO1WWJP2]
OSWindows 11 Home
CPURyzen 7 7730U(8コア16スレッド、最大4.5GHz、TDP : 15W)
GPURadeonグラフィックス
メモリ16GB
ストレージ512GB(PCIe NVMe/M.2)
ディスプレイ14型IPS液晶(1,920×1,080ドット、60Hz)
インターフェイスUSB 3.2 Gen 1 Type-C、USB 3.2 Gen 1×2、HDMI出力、SDXCカードスロット、ヘッドフォン/マイク端子
通信機能Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1
カメラフルHD(1080p)、プライバシーシャッター付き
生体認証指紋
サウンドステレオスピーカー(1.5W×2)
キーボード84キー日本語キーボード
バッテリ容量47Wh
公称バッテリ駆動時間約17時間
オフィスアプリなし(選択可)
サイズ約324.1×215.7×17.1mm
重量約1.17kg
本体カラークラウドグレー

 そのほか、サポートについては下位モデルで1年間引き取り修理、中・上位モデルでは引き取り修理に加えハード・ソフト面のカスタマーサポートを受けられる「PremiumCare」が1年間付属する。初めてノートPCを買うユーザーも安心だろう。

性能は上々、バッテリベンチは12時間駆動に成功

 参考までに、本製品のパフォーマンスを定番ベンチマークソフト「PCMark 10」で確認してみる。

 計測はRyzen 7 7730Uを搭載した上位モデル「82XSCTO1WWJP2」で実施し、比較対象として2020年発売のCore i7-1165G7搭載モバイルノートのスコアを併記した。当時のハイスペックモバイルノートと比較し、どの程度スコアが違うかは気になるところだ。

 次のグラフの通り、総合スコアは比較対象に1.3倍以上の差を付けている上、各テストグループのスコアでもすべてIdeapad Slim 5 Lightが上回る良好な結果が出た。

3年前のPCとシステムの性能を比較

 内訳を見ていくと、アプリの起動やWebブラウジング性能を比較する「Essensials」のスコアは軽負荷なためさほど変わらないが、ビジネスアプリ系のテストである「Productivity」ではほとんど2倍近い差が出た。Ryzen 7 7730Uのマルチコア性能の高さゆえ、処理速度に大幅な開きが出たと推測できる。

 同じくデジタルコンテンツ制作に関するテストグループの「Digital Content Creation」でも、両者のパフォーマンス差は小さくない。少なくとも、学業やビジネスアプリの使用においては極めて軽快に利用できるだけの性能を備えていると言ってよさそうだ。

 あわせてバッテリ駆動時間のベンチマークも見ていこう。PCMark 10 Professional Editionの「Modern Office」での計測結果は12時間49分と、実利用で十分すぎるほどのバッテリ性能を見せている。

バッテリ駆動時間は12時間49分と長かった

 本製品は薄型・軽量ながら47Whのリチウムイオンバッテリを搭載しており、満充電状態であれば電源の取れない環境で持ち運んでも、その日の朝から夜まで利用できる。学校や職場に持ち込んで家に帰って充電、というサイクルで使用するなら、ACアダプタを持ち運ぶ必要もないということだ。

 パフォーマンスもさることながら、このように利便性が高く隙がないのもIdeapad Slim 5 Lightの魅力と言える。

コストパフォーマンスに優れる1台。どのモデルを選ぶか悩ましい

 ここまで見てきた通り、Ideapad Slim 5 Lightは、薄型・軽量・堅牢かつ長時間のバッテリ駆動、モバイルノートとしての高いパフォーマンス、映像・音楽などエンタメ向けの機能性といった要素を、非常にバランスよく組み合わせた魅力的な製品だ。

 実際に使ってみると、さまざまな用途に応用できるだけのポテンシャルがあるのはもちろんだが、特にオーディオやWebカメラ周りの機能など細部に渡って気が利いており、ストレスなく利用できるのが好印象だった。

 加えて、最後に本製品のコストパフォーマンスの高さにも言及しておきたい。

 前述の通り、Lenovo IdeaPad Slim 5 Light Gen 8には下位(Ryzen 3 7330U)、中位(Ryzen 5 7530U)、上位(Ryzen 7 7730U)のモデルが用意されているが、量販店での価格は12万円~15万円台とかなり良心的。しかもレノボのWeb直販なら、一部構成パーツのカスタマイズができて、最廉価モデルで8万4,865円からとなっている(1月26日時点)のだ。

 下位モデルの価格は魅力だが、中位モデルのバランス、上位モデルの全部盛りも捨てがたい。カジュアルに普段使いするなら下位モデル、画像・動画編集などもかじるなら中位モデル、より高性能で長く使えるPCを求めるなら上位モデル、といったところだろうか。

 余談だが、レノボ・ジャパンの直販サイトからの購入ではSheerIDによる学割も利用できる。これからモバイルノートを初めて購入する学生におすすめしたい1台だ。