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なぜ高リフレッシュレートがゲーマーに有利をもたらすのか?プロゲーマーとともにAOCの新製品で検証!
~デバイスの差で負けないための必需品
- 提供:
- MMD Singapore Pte Ltd.
2022年12月19日 06:30
PlayStation 5などの新型ゲーム機で4K/120Hzの表示が可能になり、高解像度なだけでなく高リフレッシュレート対応のモニターへの注目度が高まっている。
「いや、PCではずっと前からあったよ!」と思われた方は、その通り。4K/120Hzはここ2~3年で広まってきたものだが、フルHDなど低めの解像度での高リフレッシュレートは、PC向けモニターでは遥か前から存在している。
ただ、モニターが高リフレッシュレートになるとどんなメリットがあるのかをしっかり理解している人は少ないかもしれない。本稿では、240Hz以上の高リフレッシュレートに対応したAOC製の24.5型モニター「AG254FZ2/11」と、27型湾曲モニター「C27G2ZE/11」を用いて、そのメリットを解説していく。
240Hzの高リフレッシュレートのメリットとは?
リフレッシュレートとは、モニターの画面表示を書き換える頻度のこと。何気なく画面を見ていると気づかないが、モニターは静止画の表示を高速に切り替えることで、映像として動くように見せている。誤解を恐れずに言えば、モニターで絵が動いて見える原理は、紙に書いた絵を次々に入れ替えるパラパラマンガと同じである。
一般的なPC用モニターのリフレッシュレートは60Hz。つまり1秒間に60回映像を書き換えている。これに対し、今回用いるAOC製モニターは、「C27G2ZE/11」が最大240Hz、「AG254FZ2/11」が最大280Hzに対応。つまり、書き換え回数は一般的モニターの4倍以上ということになる。
リフレッシュレートが240Hzになるとどう違うのか? まずは、ハイスピードカメラで撮影した映像をご覧いただきたい。モニターは「AG254FZ2/11」を使用し、映像モードを「FPS」として、リフレッシュレートを60Hzと240Hzに設定して撮影。240fpsで撮影して30fpsで再生したもので、8倍スローモーションとなる。
FPS「Apex Legends」の映像を60Hzと240Hzを見比べると、240Hzの方が圧倒的に動きが滑らかなのが分かる。実際のゲームではこの動画の8倍速で見ることになるが、それでも動きの滑らかさの違いは明確に体感できる。
またWebブラウザのスクロールも滑らかで違和感が減り、視認性も高まる。ゲームだけでなく、普段使いのアプリでも滑らかでストレスを減らせるのも見逃せないメリットだ。
さらにゲーマーにとって大きな価値となるのが、相手やターゲットの動きをより速く視認できることだ。60Hzのモニターで画面が1回書き換えられる間に、240Hzのモニターでは4回書き換えられる。60Hzでは表示されない3回の画面書き換えが先行する分、240Hzの方が次の状況確認が早くできるわけだ。
実際に表示が先行する時間は、計算上、最速で約12.5ms。100分の1秒程度の差と、数値で言えばわずかではあるが、FPSなど一瞬の反応で勝敗が決まるゲームでは確実に効いてくる。特にプレイヤーがハイレベルで拮抗するeスポーツの競技などでは、決して無視できない。「デバイスの差で負けた」という後味の悪さを感じないためにも、こういった製品が必要になってくる。
また表示が滑らかになることで、より精密な操作が可能になるメリットもある。FPSゲームでの振り返り動作など、画面が大きく動くと視野の遷移が大きくなってしまうが、リフレッシュレートが上がると、1コマ辺りの変化が小さくなる。特にFPSで遠くの小さなターゲットを狙う繊細な操作の際には、フレームレートが高い方が照準を合わせやすくなる。
見た目以外のメリットもある。フレームレートが向上すると、ゲームの判定ルーチンも高速化され、マウスやボタンを押してからゲームに反映されるまでの遅延を短縮できるのだ。ゲームの処理系がどうなっているかにもよるが、プレイヤーの反応速度の差が出てくることになるため、さらに優位性が高まる。
加えて高リフレッシュレートモニターは、液晶の応答速度も配慮されていることが多く、リフレッシュレートの向上との相乗効果で残像感が少なくなる。滑らかな描画になるほど見た目の違和感がなく、視覚のストレスが減るのだ。
高リフレッシュレートのメリットをまとめて言うと、「反応速度が上がり、操作しやすく、見た目も滑らか」となる。高リフレッシュレートの製品は主にゲーミング向けとされているが、ゲーム以外の場面でも映像の滑らかさは体感でき、誰にとってもメリットになる。今回、AOCの製品をプロFPSゲーマーに実際に使ってもらったので、プロプレイヤー目線でのメリットを記事後半で語ってもらっている。
湾曲もあり! 240Hz以上の高リフレッシュレート対応製品をチェック
実際に今回試用したAOCの240Hz以上の高リフレッシュレートに対応したおすすめの2機種を紹介する。
湾曲式で240Hz対応の「C27G2ZE/11」
本機の特徴は、何といっても湾曲した画面だ。モニターの左右がユーザーに向けて近づくように曲がっている。湾曲のメリットは、映像への没入感が上がること。3Dゲームは3D空間を2Dのパネルに落とし込んでモニターに表示している。VRのように全方位に視界が広がるのが理想的だが、2Dでも湾曲している方が自然な見え方になる。
また画面の中央と端での明るさの違いを軽減できる。本機で使われているVAパネルは視野角が広く、端の方が暗く感じることはないが、厳密には角度をつけて見た時の変化は必ずある。湾曲モニターは平面のものに比べ、端の方でも角度を付けずに見られる分、視野角の問題が出にくい。つまり画面のすみずみまで正確かつ均一に映像を見られる。これも没入感を高める一因になる。
また、画面中央でも画面端でも目からの距離がある程度均一になるため、ピント調節が少なくて済む。それによって、目への負担が低くなる。長時間ゲームする上で、重要な点だ。
パネルは240Hzの高リフレッシュレートを、0.5ms(MPRT)の高速な応答速度で支えている。コントラストの高さで有利なVAパネルだけあって、コントラスト比も3,000:1と高い。テアリングやスタッタリングを抑えるFreeSync Premiumにも対応しており、スムーズな映像を堪能できる。
本体色はマットブラックで、一部にメタリックなレッドを配している。ゲーミング向けの製品として、デザイン面でも特徴的な印象を与えてくれる。
パネルサイズ | 27型 |
---|---|
パネル種別 | VAパネル/湾曲(1,500R) |
解像度 | 1,920×1,080ドット |
リフレッシュレート | 最大240Hz |
応答速度 | 0.5ms(MPRT)/4ms(中間色) |
輝度 | 300cd/平方m |
コントラスト比 | 3,000:1 |
表示色 | 約1,670万色 |
視野角 | 上下/左右178度 |
HDR | エフェクトモード機能搭載 |
インターフェイス | HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.2×1、ステレオミニジャック |
スピーカー | なし |
サイズ | 612.37×227.4×464.57mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 5.1kg |
280Hzまで対応可能な「AG254FZ2/11」
パネルサイズは24.5型で、「C27G2ZE/11」よりひとまわり小さい。こちらは、没入感よりも、コンパクトさで画面全体を一目で見やすい点を重視したいユーザー向けだ。そして、DisplayPort接続では、240Hzを上回る280Hzの表示にも対応。リフレッシュレートの高さにこだわるなら本機の方が有利だ。
パネルはIPS式を採用。応答速度はMPRTで0.5ms、中間色でも1msと高速だ。またHDRにも対応し、DisplayHDR 400の認証を受けている。こちらもテアリングとスタッタリングを抑えるAdaptiveSyncに対応している。
5W×2のスピーカーも内蔵。家庭用ゲーム機を含め、接続すればすぐにゲームで遊べる環境が整う。PS5の120Hz入力にも当然対応している。
スタンドはモニター部の高さや上下左右の角度調整に加え、90度回転させて縦長の表示にもできる。縦スクロールのシューティングゲームをフルスクリーンで遊ぶ時など、必要な時に回転させて使えるのは便利だ。
ユニークな点としては、画面の上部と左右を覆うスクリーンシールドを標準で付属している。一見するとただのカバーではあるのだが、装着すると周囲から画面への映り込みが格段に減る。またモニターの周辺での視覚的ノイズが減り、画面への集中力が高まる。ゲームでも仕事でも、集中力の観点で思った以上に効果は大きいと感じた。
また設定用の専用デバイスとして、クイックスイッチキーパッドが付属する。設定は通常、本体背面にあるジョグスイッチで行なえるが、クイックスイッチキーパッドがあれば背面に手を伸ばすことなく、ボタンを使って快適に設定変更ができる。
本体色はマットブラックで、メタリックなレッドを配しているのは「C27G2ZE/11」と共通。背面にはより広範囲にLED装飾を内蔵するほか、モニター下部に向けてロゴが浮かび上がるプロジェクタも内蔵している。高い性能だけでなく、各部のデザインにもこだわりが感じられる。
パネルサイズ | 24.5型 |
---|---|
パネル種別 | IPSパネル/平面 |
解像度 | 1,920×1,080ドット |
リフレッシュレート | 最大280Hz(DisplayPort)、最大240Hz(HDMI) |
応答速度 | 0.5ms(MPRT)/1ms(GTG) |
輝度 | 400cd/平方m |
コントラスト比 | 1,000:1 |
表示色 | 約1,670万色 |
視野角 | 上下/左右178度 |
HDR | 対応(DisplayHDR 400) |
インターフェイス | HDMI 2.0×2、DisplayPort 1.4×2、ステレオミニジャック×2(ヘッドセット×1、マイク×1) |
スピーカー | 5W×2 |
サイズ | 556.6×308.2×420.3~528.9mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 5.9kg |
Sengoku GamingのPantashia選手に使用感を聞く
続いては、プロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」の「Apex Legends」部門で活躍するPantashia選手にも今回のAOC製品を試していただき、使用感などを尋ねた。
Pantashia選手は、高校3年の時にApexと出会った。当初からPCでプレイしており、すぐに頭角を現し、その年にはアマチュアのeスポーツチームに加入し、大会でトップ4に入るなどの成績を収めた。その後プロになり、ALGS(Apex Legends Global Series)という公式大会で日本2位の実績も持つ。
Pantashia選手に、周辺機器に対するこだわりを聞いたところ、意外にもキーボード、マウス以上にモニターを重視しているという答えが返ってきた。Apex LegendsなどのFPS系ゲームでは、キーボードでキャラを動かし、マウスで狙いを定める。これらにこだわるプレイヤーは多いのだが、「モニターのリフレッシュレートが低いと、戦闘に支障が出るんです」とPantashia選手。
モニターリフレッシュレートの重要性を当初から知っていたPantashia選手は、最初に買ったゲーミングPCでも144Hz駆動のモニターを選んだ。現在は、AG254FZ2/11を280Hzで活用している。
今回あえて、同製品を60Hzと144Hzに設定してApex Legendsをプレイしてもらった。まず、60Hzでは、プロでなくても一目瞭然なほどの画面のカクツキが生じた。Pantashia選手によると、見た目のカクツキだけでなく、キーボードやマウスを操作した時に、もっさりとした遅延を感じるという。この状態でのプレイは大きなハンデとなってしまう。
続いて144Hzで試してもらった。見た目には描画はスムーズである。しかし、Pantashia選手によると、操作時にまだわずかな遅延があり、急に真後ろを向くなどの大きな動作を行なう時はカクツキを感じるという。普段から280HzでプレイしてるPantashia選手にとって、280Hzでのプレイは、マウスがまるで自分の手の一部かのように操作できるが、144Hzでは違和感があるのだそうだ。
スクリーンガードについては、映り込みが減ることで、画面が見やすくなり気に入っていており、常用をオススメするという。
C27G2ZE/11も試用してもらった。湾曲式を使うのはこれが初だという。Pantashia選手は「湾曲式というと、どちらかと言うと臨場感を楽しむレースゲーム向けという雰囲気があったけど、今回FPSゲームで試してみて、全く違和感はなく、むしろ見やすいと感じました」と感想を語ってくれた。
また、240Hzというリフレッシュレートについては、144Hzのときに感じたような違和感はなく、プロゲーマーでも自分のポテンシャルを十分に発揮してくるとのことだ。
と言うことで、240Hzを超えるリフレッシュレートの優位性をご理解いただけただろう。今回紹介した2製品はいずれもそれに対応する製品で、あらゆるゲームで性能を遺憾なく発揮してくれること請け合いだ。
どちらを選べばいいかについては、強いて言うならFPS系ゲームをメインでやるなら280Hzまで出せるAG254FZ2/11の方が、理論上はプレイヤーのポテンシャルをより生かすことができ、少しでも勝ちやすくなる。
アクションゲームやレースゲームなどFPS以外のゲームがメインというユーザーには、より臨場感のあるC27G2ZE/11の方がオススメと言えるだろう。