トピック
PS4メインのFPS好き高校生は、360Hz液晶搭載ハイエンドゲーミングノートをどう評価する?
~14コアCPU+GTX 3070 Ti採用のGIGABYTE「AORUS 17」
- 提供:
- 日本ギガバイト株式会社
2022年7月25日 06:30
これ1台でFPS/TPSをバリバリできるガチンコ派ゲーミングノート
GIGABYTEから発表された新ゲーミングノート「AORUS 17」。14コア20スレッドのCPU、GPUにはノート版のRTX 3070 Ti、ディスプレイは360Hzの超高リフレッシュレートとガチなゲーマーも満足できる高スペックだ。今回は人気ゲーム8本をプレイして性能をチェックするだけでなく、TPS/FPSを主にPS4でプレイしている高校生の息子にも使ってもらい感想を聞いてみた。FPS/TPSに関しては、360Hz液晶をなるべく活かせる高フレームレート設定も探っている。
AORUS 17最大の特徴は、17.3型で現役最速クラスとなるリフレッシュレート360HzのフルHD液晶ディスプレイだ。360Hzの超高リフレッシュレートに対応する液晶ディスプレイは、単体でも実売7万円台で販売されていることが多い高価なもの。ゲーミングノートは液晶パネルの交換は通常できないだけに、ゲーミング向けの最上級品を搭載しているというのは、それだけで大きなアドバンテージだ。
リフレッシュレートだけではなく、NTSCカバー率72%(sRGBカバー率100%と同等)の広色域、3msの応答速度、明るい室内でも見やすい輝度300nits、4辺超スリムベゼルの採用で画面占有率が90%と高い没入感も実現している。
360Hzのリフレッシュレートを活かすには、それだけのフレームレートを出せる性能も必要だ。そのため、AORUS 17は基本スペックも充実している。CPUはIntelの第12世代「Core i7-12700H」を採用。ゲーミングなどエンスージアスト向け「Hシリーズ」ということもあり、14コア(Pコア6基、Eコア8基)20スレッドのメニーコアかつ最大動作クロック4.7GHzとシングルタスクにもマルチタスクにも強い仕様になっている。
GPUはNVIDIAの最新世代でアッパーミドルに位置する「GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」。8GBのGDDR6メモリを搭載、メモリバス幅は256bit、CUDAコアは5,888基あり、ブーストクロックはノートPCの設計に合わせて1,035~1,485MHzで設定される。AORUS 17は、1,410MHzと高いクロックが設定されていた。電力も最大130Wと余裕を持たせており、RTX 3070 Tiの性能を高いレベルで発揮できる設計と言えるだろう。
そのほか、メモリはDDR5-4800が16GB、ストレージはPCI Express 4.0 x4接続のNVMe SSDが1TBと十分な容量が確保されている。なお、今回試用したAORUS 17 XE5-73JP534SHのスペックは以下の通り。
CPU | Intel Core i7-12700H(2.3GHz~4.7GHz) |
メモリ | DDR5-4800 16GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU |
液晶 | 1,920×1,080ドット表示対応17.3型(360Hz) |
インターフェイス | Thunderbolt 4 、USB 3.0×2、HDMI、mini DisplayPort、Webカメラ、スピーカー、音声入出力端子、2.5G有線LAN |
無線 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
本体サイズ | 398×254×24mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約2.7kg |
OS | Windows 11 Home |
360Hzを活かせる軽量級からレイトレ対応の重量級までゲーム8本でテスト
ここからはゲームでどこまでフレームレートが出るのか試していこう。AORUS 17はユーティリティの「GIGABYTE CONTROL CENTER」で、CREATOR MODEなど5つの動作モードが用意されているが、今回はアプリに合わせて自動的動作モードを設定する「Ai BOOST」をONにしてテストを実行している。解像度はディスプレイに合わせすべてフルHDで実施した。
テストしたゲームとテスト方法は以下の通り。
- VALORANT(射撃場の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測)
- レインボーシックス シージ(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
- Apex Legends(トレーニングモードの一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測)
- フォートナイト(ソロモードのリプレイデータを再生した際のフレームレートをCapFrameXで計測)
- モンスターハンターライズ(集会所の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定)
- ファークライ6(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
- サイバーパンク2077(ゲーム内のベンチマーク機能を使用)
- Ghostwire:Tokyo(マップ内の一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定)
まずは、360Hzの超高速パネルが特に活きる、軽めのFPS「VALORANT」と「レインボーシックス シージ」の結果から見ていこう。VALORANTは、最高画質でも平均320fpsを記録。画質設定をすべて中程度まで落とせば平均385.7fpsと360Hzのリフレッシュレートをフルに活かし切れるだけのフレームレートを出せる。レインボーシックス シージも画質を低設定にすれば平均313fpsとかなりの高フレームレートを達成可能だ。ちなみに、画質「低」でレンダリングスケールを50%に落としても平均318fpsと画質が落ちるわりにはフレームレートは伸びなかった。
次はゲームの“重さ”としては中量級の「Apex Legends」、「フォートナイト」、「モンスターハンターライズ」を試そう。Apex Legendsはフレームレート制限を解除するコマンドを使っても300fpsが動作上限。各種画質設定を中程度まで落とせば平均286.9fpsとほぼ出せるフレームレートの上限に到達できる。フォートナイトはやや重め。画質プリセットを「低」にして描画負荷をさげつつ、見た目が粗くなるのを防ぐため3D解像度を100%、敵を見付けられやすいように描画距離を「遠い」に設定と高フレームレートを目指しながら、プレイ感を損なわない設定では平均229.4fpsまで出せた。
モンスターハンターライズはアクションRPGなので、そこまで高フレームレートを求められるゲームではないが、もともとNintendo Switchのタイトルだけあって描画負荷は軽め。最高画質設定の画質「高」でも平均191.2fpsまで出ている。
続いて、レイトレーシングにも対応する重量級ゲームを見ていこう。描画負荷が高いので、ここでは平均60fps以上が快適プレイの目安としたい。ファークライ6は、最高画質かつレイトレーシング関連をすべて有効にしても平均83fpsとオープンワールドの美しい世界を存分に堪能できる。Ghostwire:Tokyoとサイバーパンク2077は最高画質でレイトレーシングを有効にすると平均60fpsは出せないが、アップスケーラーのDLSSを有効にし、バランス設定にすることでどちらも平均60fps以上に向上が可能だ。
360Hzの超高速パネル搭載ということで、競技志向の強いFPS/TPS向きのPCという印象が強いが、このテスト結果からAAA級のゲームを高画質でプレイできるだけのパワーがあることが分かる。
FPS/TPS好きの高校生が360Hz液晶を初体験! その感想とは
筆者の息子は現在高校生。ゲームが(それなりに)遊べるレベルのPCも持っているが、手軽に遊べる、登録しているフレンドが多い、といった理由からゲームは主にPS4でプレイしている。プレイするタイトルは、Apex Legends、フォートナイト、レインボーシックス シージが中心だ。PS4なのでフレームレートは最大60fps、使っているディスプレイもリフレッシュレート60Hzの一般的なものだ。ゲーミング液晶に興味はあるそうなので、AORUS 17の360Hz液晶を体験してもらうにはうってつけだ。
ゲーミング液晶でよく聞くのは、60Hzと144Hzの違いは分かるけど、それ以上はあまり分からないという意見。現役バリバリの高校生ゲーマーはどうだろうか。ということで60Hz、144Hz、360Hz設定でそれぞれプレイしてもらうことにした。プレイしたのは、PC版のApex Legendsとフォートナイトだ。
数時間プレイしてもらったが、「敵との撃ち合いが多いシーンでは差を体感する余裕があまりなかったけど、ジャンプして空中で全体を見回すようなシーンでは、144Hzと360Hzの違いが分かった。360Hzのほうがよりスムーズに画面が動くのがスゴイ!」とのこと。まわりを見渡す余裕がなくなる撃ち合いでは、リフレッシュレートの違いを判別するのは難しくなるのは、当然と言えば当然というところだろう。
フォートナイトでは、「エモートのアニメーションがなめらかなのがうれしい」と言う。撃ち合いでの有利、不利ばかりに目が行きがちだが、フォートナイトではエモートでアピールしたりコミュニケーションを取ったりすることも多いだけに、360Hz液晶でエモートがなめらかになるのは思いのほかおもしろいようだ。
また、高リフレッシュレートとはちょっと離れるが、PS4でのプレイに比べて重くなるシーンがないことに感動していた。PS4のApex Legendsでは、オブジェクトが多くなると処理が重くなってラグが発生することもめずらしくないようで、何をしても描画がスムーズなのは高性能なゲーミングノートならではの強みと言える。「これでずっとプレイしてたい!」と率直な感想を述べていた。
基本性能もチェック。普段使いのPCとしても優秀な性能を誇る
ゲームにおけるポテンシャルは以上の通りだが、普段使いのPCとしての性能はどうだろうか? PCの基本性能を測定する「PCMark 10」、CGレンダリングでCPUパワーを見る「CINEBENCH R23」、ストレージの最大速度を測る「CrystalDiskMark 8.0.4a」と定番のベンチマークでその実力を見てみよう。
PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適度の目安となっているが、すべて大幅に上回っており、特にDigital Content Creationがひときわ優秀だ。高性能なゲーミングノートはクリエイティブ用途でも活躍できることが分かる結果だと言えよう。
CINEBENCH R23のスコアは、デスクトップ向けの第11世代Coreシリーズの上位モデル、Core i9-11900Kを十分上回るもの。第12世代のCoreプロセッサはシングルコアの性能も優秀だ。CrystalDiskMark 8.0.4aは、シーケンシャルリード6995.41MB/s、シーケンシャルライト5000.17MB/sはPCI Express 4.0 x4のNVMe SSDとして十分優秀だ。ストレージの速度で不満を感じることはないだろう。
次に、GIGABYTE CONTROL CENTERアプリで「Ai BOOST」をあえてOFFにして、手動で動作モードを切り替えて性能や挙動の違いを比べてみた。テストにはゲーミング性能を総合的に計測できる3DMarkを使用している。
ファンを常に高回転させて高クロック動作を維持しようとする「TURBO MODE」のスコアが優秀だ。その代わり動作音は常に大きい。「CREATOR MODE」と「GAMING MODE」は状況に応じてファンの回転数を上げる。負荷が小さいときは静かなので、使い勝手としては一番よい。「MEETING MODE」と「POWER SAVING SILENCE MODE」は、CPUとGPUのクロックを落とすためスコアは大きく下がるが、ファンの回転数も上がらないため動作音はかなり静か。Web会議や外出先で使う場合には重宝するだろう。
インターフェイスについては後述するが、ゲーミングノートなので当然ゲームでの性能の高さに注目されるところではあるものの、基本性能が高く、必要とあれば静音動作に特化して利用することができたり、高性能のWebカメラや豊富な拡張性も備えていたり、といったところも合わせて考えると、ゲーム以外の用途、たとえば、リモートワークや自宅学習などへの適正も高く、総合力としても優秀。“ゲームだけ”にとどまらないところも本機の魅力だ。
インターフェイスも充実。キーボードの反応も良好
ディスプレイ上部にはWebカメラ、マイクを搭載。Windows Helloに対応しているので、顔認証によるWindowsへのログオンも可能だ。インターフェイスは左側面に2.5Gの有線LAN、HDMI 2.1出力、Mini DisplayPort 1.4出力、 USB 3.0を用意。右側面にヘッドセット端子、USB 3.0、Thunderbolt 4を備えている。映像出力が3系統も用意されているのがめずらしいところだ。無線LANはIntel AX211によるWi-Fi 6対応で、Bluetooth 5.2もサポート。
キーボードはゲーミングノートらしく、キーの浅い押し込みで入力を認識、複数キーの同時押しに対応するNキーロールオーバー、RGB LEDバックライトといった機能を備えている。実際にいくつか音ゲーをプレイしてみたが、一般的なパンタグラフのキーボードに比べて反応は良好で、連打するようなシーンでもキーの反応が遅かったり、キーの物理的な戻りが遅くて入力につまづくといったこともなかった。
長時間のプレイも安心の冷却システム
システム全体の消費電力を確かめておこう。OS起動10分後をアイドル時、3DMark Time Spy実行時の最大値を3DMark時とした。電力計にはラトックシステムの「REX-BTWATTCH1」を使用した。
CPUとGPUの両方に負荷がかかる3DMarkでは消費電力がかなり高くなるのが分かる。ACアダプタが240Wなので、フルに電力を使って性能を出していると言ってよいだろう。温度とクロックはどうだろうか。サイバーパンク2077を20分間プレイしたときのCPU/GPUクロックと温度をモニタリングアプリの「HWiNFO64 Pro」で測定した。
59枚のブレードを持つ2つのファン、5本のヒートパイプなどで構成されているWINDFORCE Infinity冷却システムは実に優秀で、CPUはクロックが上がった一瞬だけ温度が80℃台に入っているが、それ以外はほぼ75℃前後、GPUも最大76.9℃とゲームプレイ中という高負荷な状況が続いても基本70℃台と長時間のゲームプレイも安心と言える。温度が上がるとCPU、GPUともに微妙にクロックを落として発熱を抑制するなど、温度とパフォーマンスのバランス管理もよくできている。高い負荷がかかる時間が比較的長くなりがちなゲームプレイ時にはこのバランスのよい温度管理の動作が効果を発揮してくれそうだ。
30万円と高価なようでトータルコストで見るとオトク
AORUS 17は30万円前後とゲーミングノートとしても高価な部類には入るが、同レベルの性能を自作PCで実現しようと考えた場合、CPUはCore i5-12600K、GPUはGeForce RTX 3060 Tiクラスが必要。そこにマザーボードや16GBのDDR5メモリなど各種パーツ、キーボードにフルHDの360Hz液晶まで含めると30万円弱と、ほとんど変わらない価格になる。コンパクトで置き場所にも困らず、持ち運びもできるという利便性まで考えると、AORUS 17のコストパフォーマンスも納得のレベル、ノートならではのメリットがプラスの価値となると言える。
ノートPCでもゲーミング性能に妥協したくないというコアなゲーマーはもちろん、ゲームでも仕事でも快適にPCを使いたいという人にも向いている。高性能なゲーミングPCながら、シンプルなデザインで場所を問わず使いやすいのも魅力的な1台だ。