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たった3年前のモデルが置いてけぼり!14コアCPU搭載最新VAIOの圧倒的性能差に刮目せよ!

~第12世代Core版「VAIO SX14 | ALL BLACK EDITION」レビュー

VAIO SX14|ALL BLACK EDITION(写真手前)。VAIOストア価格は27万9,500円~(※2022年7月1日時点のキャンペーン適用価格)

 日本のPCブランドが次々に外資の傘下となっていく中、「VAIO」ブランドのPCを作っているVAIO株式会社は日本のPCメーカーとして、PCの開発や製造組立工程以降を長野県安曇野市にある本社工場で行なうなど、正真正銘の「Made in Japan」であることが、今のVAIOの特長となっている。

 そんなVAIOに最新モデルの「VAIO SX14」が追加された。今回レビューする「VAIO SX14|ALL BLACK EDITION」は、名前の通り、隅から隅まで真っ黒な14.0型ノートだ。タッチパッドや天板ロゴまで黒いという徹底ぶりである。

 それになんとこのVAIO、約1kg程度のノートなのにCPUがAlder Lakeの14コアCPUなのだ。このモデル以外にも通常モデルの「VAIO SX14」と兄弟モデルで12.5型サイズの「VAIO SX12」も新モデルとして追加されているが、本レビューではその中でも最上位のプレミアムモデルである「VAIO SX14 | ALL BLACK EDITION」を紹介する。

これが最新世代のVAIO SX14
VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONは新しいVAIO SX14の中で唯一14コアCPUを搭載したプレミアムモデルだ。隅から隅まで真っ黒ということも特徴で、天板にあるVAIOのロゴまで黒色になっている
VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONだと、キートップの文字まで黒くした隠し刻印キーボードを選択できる。隠し刻印はバックライトLEDで文字が光るのでキーがまったく見えないわけではない。どちらのキーボードでも配列は日本語と英字を選択可能だ
左側面にはUSB 3.0と、ヘッドフォン/マイクのコンボジャックを搭載している。一番左に見えるのはセキュリティーロック・スロットだ
右側面にはUSB 3.0、Thunderbolt 4(USB Type-C)×2、HDMIとGigabit Ethernetを搭載している。充電はThunderbolt 4のどちらかを使用して行なう仕様だ
こちらは別色のアーバンブロンズ。VAIO SX14はカテゴリとしてはモバイルノートとなっており、本体サイズは約320.4×222.9×13.3~17.9mm(幅×奥行き×高さ)。重さはモデルにもよるが、約1.046kg~1.167kg。持ち運びが苦にならないサイズ感と軽さである
14.0型ノートはモバイル活用も容易な万能サイズ
ディスプレイはモバイルノートとしては大きめの14.0型だが、狭額縁のため実質13.3型ノートと同程度。14.0型の画面は腰を据えてしっかりと作業に集中できるディスプレイサイズであり、持ち歩きやすいサイズでもある。バランスの良いサイズだ

CPUコア数は3.5倍で性能激変

 ノートPCを使っている人は大体5年くらいで買い換える人が多いという話を聞く。スマホなどでもそうだが、快適に使える限度の1つの目安なのかもしれない。

 VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONのレビューにあたり、5年前よりも新しい3年前のVAIO SX14と比べて最新のVAIO SX14がどれくらい変わっているのかという視点で進めていこう。

左が3年前のVAIO SX14で、右が最新のVAIO SX14 | ALL BLACK EDITION。同じ14.0型ノートだが、タッチパッドなどを見ると、大きさが変わっているのが分かる

  3年前のモデルともっとも大きく変わっているのは性能面だ。特にCPUは第8世代のWhiskey Lakeコアから第12世代のAlder Lakeコアに変わり、内部構造から内蔵するグラフィックスコアまで何もかも変わっている。

 今回の試用機のスペックは以下の表の通りだ。

【表】今回検証したVAIO SX14の主なスペック
VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONVAIO SX14(2019年発売の初代モデル)
CPUCore i7-1280P(P-core6+E-core8、20スレッド、最高4.8GHz)Core i7-8565U(4コア、8スレッド、最高4.6GHz)
メモリLPDDR4x-4267 32GBLPDDR3-2133 16GB
ストレージSSD 512GB
(M.2、NVMe、PCI Express 4.0 x4)
SSD 256GB
(M.2、NVMe、PCI Express 3.0 x4)
グラフィックスIntel Iris Xe(CPU内蔵)Intel UHD(CPU内蔵)
ディスプレイ14.0型液晶(1,920×1,080ドット、光沢、タッチパネル搭載)14.0型液晶(3,840×2,160ドット、非光沢)
おもなインターフェイスThunderbolt 4×2(Thunderbolt 4対応、DisplayPort 1.4対応)、USB 3.0×2、HDMI、Gigabit Ethernet、ヘッドフォン/マイクUSB 3.1 Type-C(DisplayPort 1.2対応)、USB 3.1、USB 3.0×2、HDMI、ミニD-Sub 15ピン、SDカードスロット、Gigabit Ethernet、ヘッドフォン/マイク
通信機能Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.1、5G(nanoSIM)Wi-Fi 5、Bluetooth 4.1、4G LTE(microSIM)
Webカメラ207万画素(Windows Hello対応)92万画素
バッテリ駆動時間約15.0~19.5時間
(JEITA2.0)
約8.0~11.0時間
(JEITA2.0)
OSWindows 11 ProWindows 11 Pro
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)約320.4×222.9×13.3~17.9mm約320.4×222.7×15.0~17.9mm
質量約1,152g(実測)約1,036g(実測)
直販価格39万7,500円
(※2022年7月1日時点のキャンペーン適用価格)
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  VAIO SX14|ALL BLACK EDITIONが搭載しているCore i7-1280Pは14コアCPUで、対応スレッド数は20スレッド、ブースト時の最高クロックは4.8GHzだ。 対して3年前のVAIO SX14が搭載しているCore i7-8565Uは、4コアCPUで、対応スレッド数は8スレッド、最高クロックは4.6GHzである。

 内蔵するグラフィックスコアもIntel UHDからIntel Iris Xeになり、次のグラフにあるように3年前の内蔵GPUでは厳しかった3Dゲームの実行なども可能になっている。

人気ゲームのエーペックスレジェンズでゲーム中のフレームレートを計測した結果。3年前のVAIO SX14ではゲーム画面がカクカクでゲームにならなかったが、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONでは普通に遊べるレベルで実行できる。平均フレームレートで実に約3.5倍の差だ

 CPUの基本性能に関しては、Intelが新採用したハイブリッドアーキテクチャの存在が大きい。3年前の時点でCPUの性能向上の方向性はマルチコア化だった。しかし、当時のCoreでは構造上の問題や消費電力やコストの問題などでコア数を極端には増やせず、そこをAMDに突かれた。

 そこでIntelが打ち出したのが、通常の処理を行なう高性能なP-core(Performanceコア)と、低消費電力で単純な処理を行なうE-core(Efficientコア)を組み合わせた、ハイブリッドな第12世代Coreである。

  第12世代Intel Coreでは、異なる性質のP-coreとE-coreにそれぞれ適した処理をさせて処理効率を高める仕組みをとっている。たとえば動画エンコードをしながらほかの作業をする場合などに、単純な処理である動画エンコードはE-coreに割り当てられ、それ以外の処理をP-coreが行なうという処理分担が行なわれる。 その結果、動画エンコードをしているのに、そのことを意識させないような使用感をVAIOのようなモバイルノートでも実現できるのだ。

 もちろん同時処理は動画エンコードに限ったことではない。 Web会議をしながらPDFを開いて、ちょっとPowerPointの編集をしつつ届いたメールを開き、さらにチャットに返信するなんてことも、各処理が適切に分担されることで従来よりも軽快に処理を行なえるようになっている。

  3年前のCPUに比べて最新の第12世代Coreは、同時にいろいろやりたい人にさらなる快適さをもたらすことが可能になったのだ。 たった3年でCPUはこんなにも変わるのである。

大小さまざまなファイルが入った約1GBのフォルダをWindowsでzip圧縮した場合と逆に展開した場合にかかった時間。こんな感じで大体あらゆる作業にかかる時間が短縮されている。圧縮展開をしている最中にほかの作業を行なっても引っかかりなどはまったくなく、分担処理の恩恵を受けられていることが確かに分かる。処理時間の短縮はすべて体感できるレベルなので、いつもの作業が驚くほど快適になる
いろいろなものが速くなっているわけだが、その1つとしてスリープからの復帰速度も驚きのレベルで速くなっている。3年前のVAIO SX14の3.5秒でもPCとしてはかなり速いと感じるが、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONではわずか約1秒である。ほぼ待つことなく復帰する。使用感としてはスマホに近いレベルだ

ストレージとバッテリ性能差は2倍近い

 続いてストレージを見てみよう。

 3年前のVAIO SX14は、帯域幅が片方向約4GB/sのPCI Express 3.0 x4で接続されたNVMe SSDを搭載していた。このSSDの仕様を調べてみると、最大読み出し速度が3GB/s程度のようだが、古いSSDということもあり詳細なスペックシートが確認できず確かな値ではないということに注意してほしい。

 VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONの方は、片方向約8GB/sの帯域幅を持つPCI Express 4.0 x4で接続されたNVMe SSDが搭載されている。 ストレージの接続インターフェイスの帯域幅が倍になって、搭載しているSSD自体のスペックも倍以上になっているということで、メモリと同様にこちらもかなり性能が上がっている。

Zip圧縮のテストでも使った1GBのフォルダをSSD内でコピーしてかかった時間を測ってみた。ただコピーするというだけでも、これだけ処理時間が短くなっている。ソフトの起動やファイルを開く時間など本当に何もかも速くなっていて、自分自身の作業速度が速くなったのではないかと錯覚するほどである

 こちらも広い意味では性能面と言えるバッテリ駆動時間を見てみよう。処理性能が劇的に向上しているわけなので、バッテリ駆動時間は減るか変わらないか程度だろうと思っていたが、そんな考えはまったく間違っていた。

 比較用の初代VAIO SX14は解像度は4Kであるため、消費電力が高い可能性がある点と、評価した旧製品はバッテリの性能が落ちてる可能性がある点には注意が必要だが、公式スペックでも3年前のVAIO SX14が約8.0~11.0時間で、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONが約15.0~19.5時間となっている。倍に近い延びである。

 VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONの方も消費電力が大きめのタッチパネル付きだ。 本体サイズや質量はほとんど変わっていないのにバッテリ駆動時間が大きく延びていることは注目に値するだろう

ビジネスソフトを使用した場合を想定したPCMark 10 v2.1.2556.0のバッテリテスト。3年前のVAIO SX14が5時間14分で休止状態になったのに対し、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONでは9時間17分で休止状態になった。公式スペック通り倍近い駆動時間の向上である。いや、すごいなこれは

 ちなみに、3年前のVAIO SX14は専用のACアダプタを本体の左にある電源端子に接続して充電を行なう仕様だったが、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONでは本体の右にあるThunderbolt 4ポートから充電を行なう今風の仕様になっている。

 当然USB PD(Power Delivery)に対応しているので、大容量の対応モバイルバッテリを一緒に持っていればどこにいても充電を行なえる。つまり、準備さえしておけばコンセントが必要ないのだ。モバイルノートとしてバリバリ使いたい人にはうれしい仕様である。

USB PD対応で電源アダプタも小型化
給電方法が変わったことでACアダプタにも劇的な変化が起こっており、3年前のVAIO SX14では実測で105×39×22mm(幅×奥行き×高さ)で重さ約235gだったACアダプタ(写真右)が、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONでは実測で60×45×28mm(同)で重さ約165gになった(写真左)。比較にならないほどの小型軽量化だ。分かりやすく言うと、新しいACアダプタはほぼスマホ用のUSB電源アダプタと同じサイズ感になっている

Webカメラなど進化のレベルがすさまじいテレワーク関連機能

 最新世代のVAIO SX14は、使い勝手の面でも3年前のVAIO SX14とは比べものにならないほどに進化している。

  特に現代のノートということで、テレワーク関連機能の進化がすごい。その1つがWebカメラの高性能化だ。 単純に画素数が92万画素から207万画素になって高精細化しているだけでなく、暗い場所にも強くなり、さらにさまざまな機能も搭載している。ここでは購入時に「Full HDカメラ」を選択した場合に使える機能を紹介しよう(別の選択肢のHDウェブカメラでは利用できない)。

  まずうれしいのが、「背景ぼかし」機能だ。この機能をオンにすると、自分以外の背景を自動でぼかしてくれる。部屋が汚くても恥ずかしい思いをしなくて済むし、屋外で使えば関係ない物が映り込まなくなる。

背景ぼかしに対応
背景ぼかし機能をオンにしておくと、このように自分以外の部分にぼかしを入れてくれる。結構激しく動いても的確にぼかしが入り、後ろが映り込む心配がない。ちなみに人物が2人いた場合はちゃんと2人共きちんと映って背景はぼけてくれる。猫の場合は猫も一緒にぼけたので人間だけを正確に認識しているようだ

 さらに、 「自動フレーミング」という機能も便利だ。これは、顔を基準にしてカメラに映る自分の大きさを自動で調節してくれる機能で、たとえばカメラから離れ過ぎていたら自動で拡大して映してくれるし、近過ぎれば小さく映るように調節してくれる。

 顔の位置が上下左右などにずれている場合も、画面の真ん中あたりに映るように自動調節してくれてかなり優秀だ。この機能があれば、自分とカメラの位置関係をあまり意識しなくても常に最適な映り方になってくれる。

 背景ぼかし機能と同じ人物認識系では 「顔優先AE」という機能もある。これは、顔の明るさが最適になるように露出(AE)を自動調節する機能だ。この機能をオンにしておくと、周囲の明暗に影響されて顔が白くなったり暗くつぶれたりするということがなくなる。 通常のWebカメラでは顔にライトを当てないと顔が極端に暗く映ってしまうことが多いが、そういったことがなくなるわけだ。

顔優先AEで顔が明るく表示される
顔優先AE機能をオンにしておくと、顔の明るさが最適になるように全体の明るさを自動調節してくれる。左が顔優先AE機能オフで右がオンだ。この機能があれば光源の方向を気にしたり顔を照らすためのライトを用意したりする必要がなく、すごく便利である

 顔優先AEに近い機能として 「逆光補正」という機能もある。こちらは、逆光環境で使用する場合に顔が暗くなってしまうのを防ぐ機能だ。 席の後ろに窓がある場合や、カフェなどで使うときにかなり便利である。この機能では自動で制御する設定のほかに、手動で補正レベルを設定することもできる。

強い光を背負う逆光の環境で適切に調整
こちらは逆光補正機能のオン/オフの違い。左がオフで右がオンだ。通常のWebカメラでは逆光時に顔が暗くなってしまうが、この機能をオンにしておくと顔が暗くならない。屋内で窓が近い場合などのほか、屋外での使用時にも大変便利だ

  「ちらつき低減」機能というものもある。これは、蛍光灯の下などで発生する画面がちらつく現象を低減する機能だ。 自動設定のほかに、住んでいる地域に合わせて対応周波数を60Hzと50Hzに設定できる。

  これらの機能のさらにすごいところは、すべての機能がWebカメラの機能としてノートに搭載されているということだ。そのため、使用するWeb会議アプリの種類に関係なく使うことができる。 「VAIOの設定」というソフトで機能のオン/オフを設定しておけば、Webカメラを使う際には特に意識することなくいつでも各機能が仕事をしてくれるのだ。

カメラ機能は「VAIOの設定」から簡単に有効化できる
Webカメラの設定はVAIOの設定というソフトで行なえる。この設定内容はWindowsのカメラ設定とは独立しており、ここで設定を行なった内容は使用するWeb会議ソフトなどが変わっても関係なく有効になる。ソフトごとに設定を行なう必要がないので使い勝手が良い

 ほかには、 Webカメラに物理的なプライバシーシャッターがあることも最新世代のVAIO SX14のうれしい進化ポイントだ。プライバシーシャッターは1世代前のVAIO SX14から搭載された装備で、Webカメラの上にあるスライドスイッチを左右に動かせば、Webカメラのレンズを物理的に隠すことができる。

 これがあれば、操作ミスで映ってはいけないものが映ってしまうということを防げるし、レンズが隠れていれば何があってもWebカメラに自分や何かが映ることはあり得ないので安心して使用できる。

  まとめると、最新世代のVAIO SX14のWebカメラは画素数の向上で映りが格段に綺麗になり、さらに各種便利機能の搭載でWeb会議などがすごく快適に行なえるようになったというわけだ。

ノイキャン機能でマイクの使用感が格段に向上

 テレワーク関連の進化としては、マイクの高音質化も3年前のノートとはレベルが変わっている。何が違うのかというと、ノイズキャンセリング機能の搭載だ。 最新のVAIO SX14にはAIノイズキャンセリング機能という大変高性能なノイズ除去機能が搭載されている。

【ノイズキャンセリングの有効/無効を比較】
VAIOのAIノイズキャンセリング機能があれば「キーボードの音で声が聞き辛かったのでもう一度よろしいですか?」という状況を回避できる
キーを叩きまくってノイズキャンセリングを検証
上の動画による検証では写真のように、Web会議アプリを立ち上げながら、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONのWebカメラで外付けキーボードを写し、そのキーボードで激しく入力している。マイクが当然このキーボード音を拾うはずだが……

 具体的には、内蔵ステレオマイクとビームフォーミング技術を組み合わせることで、ノートの正面からする声だけを特定し、それ以外の場所から聞こえる音を除去してくれる。 Web会議中に家族の声が相手に聞こえてしまったり、食器の音や自動車の音などが相手に届いてしまったりすることを防げるのだ。

 正面以外の音でも声だけは除去せずに通すモードも搭載しているので、複数人でマイクに話す場合にも対応できる。もちろんその場合でも声以外はちゃんと除去してくれる。

 すごいのは、 スピーカーから出力される音にもAIノイズキャンセリング機能を適用できることだ。つまり、Web会議中の相手からの音にもノイズキャンセルをかけることができ、相手側の環境音などを除去してクリアな聞きやすい音声を実現できる。

 VAIO SX14では、こちらの音声を相手に綺麗な音で伝えることができ、そして相手の音声も綺麗な音で聞くことができるわけだ。相手は気付いていないけど、実はこちらに聞こえる音声が綺麗になっているというのはなんだかおもしろい。

ノイズキャンセリングの設定も「VAIOの設定」から
AIノイズキャンセリング機能の設定はVAIOの設定というソフトで行なえる。自分以外の声を除去するかどうかの設定や、相手の音声にAIノイズキャンセリングを適用するかどうか、またノイズ低減レベルの設定が可能だ

5G対応でどこにいても高速なネットワーク接続が可能

 VAIO SX14にはSIM対応モデルが用意されている。それは3年前のVAIO SX14も最新のVAIO SX14も同じで、特に今回使用した VAIO SX14|ALL BLACK EDITIONに関しては、新たに最新の5Gに対応した。

本体底面にnanoSIMスロットを装備
VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONの底面にはnanoSIMに対応したスロットがある。ここに自分で用意したnanoSIMを挿せば、どこででもネットワーク接続を行なえるようになる

 外でノートを使う人の中には、外出先で大きなデータをダウンロードしなければならなくなったり、急遽Web会議に参加しなければならなくなったりする人もいるだろう。そんなとき、従来のLTE回線ではいつまでもデータのダウンロードが完了しなかったり、Web会議の映像と音声が途切れ途切れになって困ってしまうことがある。そういった悩みを解決するのが、5Gだ。

  5Gはとにかく速い。通信事業者によって多少変わるが、従来の4G LTEのダウンロード速度が理論値で最大150Mbpsなのに対して、5Gでは最大4.2Gbpsと桁が変わっている。 しかも、利用者が多くてなかなか速度が出にくいLTEと違い、5Gは回線が空いているので速度が出やすい。外出先でのネット接続の快適さは、3年前のVAIO SX14よりも格段に向上しているのだ。

3年前のVAIO SX14のLTEと、VAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONの5Gの速度をGoogle FiberのSpeed testて測定した結果。これがどれくらいの差かと言うと、Webブラウザを使っただけですぐに違いが分かるほどの差である。一度5Gの速さを体験してしまうと、5G以外では仕事にならないと思えてしまうくらい速い

 ネットワーク周りについては無線LAN機能も大きく進化している。3年前のVAIO SX14の無線LAN機能はWi-Fi 5までの対応だったが、 最新のVAIO SX14では、Wi-Fi 6Eまで対応している。Wi-Fi 6Eは、日本でまだ認可されていない6GHz帯の周波数を使うため、使用できるのは認可後になってしまうが、それでも将来的に使えるようになるという保証があるのは大きい (総務省認可後にVAIOがアップデートプログラムを提供予定)。

 それに、Wi-Fi 5に比べればWi-Fi 6が使えるようになったというだけでも十分速い。Wi-Fi 5からWi-Fi 6に替えるだけでネットワーク周りはかなり快適になるはずだ。

3年前のVAIO SX14と最新のVAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONの無線LANの転送速度の違い。無線LANルーターにGigabit Ethernetで自作PCを接続し、無線LAN経由で約1GBのフォルダをコピーした際にかかった時間を計測した。このように、Wi-Fi 5に比べてWi-Fi 6はほぼ倍くらい高速だ

細部の使いやすさが向上して究極の完成度に

 前述した通り、3年前のVAIO SX14と最新のVAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONは同じVAIO SX14なので、色以外のデザインは大きく変わっていない。パッと見は同じノートに見えるほどだ。しかし、使ってみるといろいろと変わっている部分に気付く。同じように見えて、実はがらりと進化しているのだ。

打ちやすく進化したキーボード
ノートのキーボードというとキーのサイズが変則的になっていて違和感があるものが多いが、このキーボードはファンクションキーと右下部分を除けばほぼキーのサイズが縮小されていないので、タッチタイピングを違和感なく行なえる。キートップが中央に向けて約0.3mmへこんでいるので指に馴染んでとても打ちやすい

 キーボードはキーピッチが約19mmのフルサイズキーボードで、素直な実装をした通常配列に近いものだ。そのため違和感なくすんなりと使える。キーストロークも約1.5mmと深いのでキータッチも良好だ。ただ、 3年前のVAIO SX14とキーボードを使い比べてみると、大きな仕様変更はされていないはずなのに確実にキーが打ちやすくなっている。

 これはなぜだろうと不思議に思っていたら、キートップの形状が異なることに気が付いた。 新しいVAIO SX14はキートップが中央にへこんだ形状になっており、指の収まりが良いのだ。使えば使うほどハッキリと打ち心地の差を感じることができ、格段に使いやすくなっている。

ヒンジが持ち上がる構造も良好な打鍵感に一役買う
キーボードが手前に向かって傾斜していることも使いやすさにつながっている。一般的な傾斜のないキーボードよりも傾斜がある方がやはり打ちやすく、傾斜のおかげでパームレスト部分と机の面の段差が小さくなるので手のひらや手首が疲れにくい

 キーボード周りではほかに、パッと見てすぐに分かるレベルでタッチパッドのサイズが変わっている。3年前のVAIO SX14では実測でタッチ操作部分が80×45mm(幅×奥行き)+ボタンの奥行きが9mmだったのが、VAIO SX14では実測で110×62mm(幅×奥行き)+ボタンの奥行きが9mmになっている。

  タッチ操作部分の面積が広くなったことで、手元を確認しなくても指がタッチパッドから外れてしまうということがなくなり、画面に集中できるようになった。 新旧ともに、タッチパッドのタッチ操作部分とボタンが分離しているセパレートタイプなのでボタンが押しやすく、これならマウスなしでタッチパッドだけで使い続けることができる。

タッチパッドは旧機種からかなり大型化
右が3年前のVAIO SX14のタッチパッドで、左が最新のVAIO SX14のタッチパッド。幅と奥行きが長くなって面積がかなり広くなり、手元を見ずに操作しても指がタッチパッドから外れてしまうことがなくなった。ボタンもセパレートタイプでとても使いやすい

 最新のVAIO SX14は、 ディスプレイにタッチパネルを選択できるようになったことも大きな進化ポイントだ。また、3年前のVAIO SX14と違いディスプレイが180度まで開くようになったので、ミーティング中にディスプレイを180度開いて表示内容を簡単に相手と共有できる。

画面を180度倒して画面を反転することが可能
ディスプレイが180度開き、表示内容を相手に向けて反転でき、さらにタッチ操作を行なえるということで、ミーティング時の使い勝手の良さは数あるノートの中でも群を抜いている。ディスプレイは発色も良くて十分に明るく、視野角も広いのでどこから見ても表示内容をハッキリと確認できる

 その際、 タッチパネルなら相手に表示内容を説明しながら直接タッチで操作を行なえるのでこれがまた便利だ。Fn+2キーを押すと相手側に向けて表示内容が反転するので、ミーティングでも本当にこのノートは使いやすい。

 タッチパネルは別売りのデジタイザペンにも対応しており、手描きで文字を書き込んだり、図や絵を入力するといった使い方にも対応できる。

デジタイザペンも利用できる
別売りのデジタイザペンを購入すればペン入力も行なえる。印刷して手描きしてスキャンして送るなんていう面倒な書類も、これがあれば直接画面で入力を行なえる。また、図や絵を気軽に描けるというのもタブレットのような使い方ができて用途の幅がグッと広がる

 ほかに、使っていてすごく便利に感じたのが指紋認証と顔認証機能だ。3年前のVAIO SX14では指紋認証センサーがキーボードの右下部分に搭載されていたが、VAIO SX14では電源ボタンと一体型になった。

指紋認証センサーを電源ボタンに内蔵
右が3年前のVAIO SX14の指紋認証センサーで、左がVAIO SX14の電源ボタン一体型指紋認証センサー。電源ボタンを押すだけで指紋認証まで行なってくれる優れものだ。とにかく簡単で快適で使いやすい

 これにより、 電源をオンにするのと同時に指紋認証を行なえるようになっている。つまり、電源ボタンを押すだけで指紋認証まで終了して、ログイン操作をすっ飛ばしてWindowsのデスクトップ画面が表示されるのだ。 速いし簡単で、これは実に快適である。

 ちなみにこの指紋認証機能はBIOSパスワードにも対応しており、セキュリティを高めるためにBIOSでパスワードを設定している場合でも、パスワードを入力することなく指紋認証で認証を通過することができる。

 そして、 VAIO SX14ではWebカメラがWindows Helloに対応したので、顔認証でログインを行なえるようになった。 1日の始めにノートを起動するときは電源ボタンの指紋認証でログインすればいいわけだが、スリープから復帰させる場合は電源ボタンは使わないので顔認証の方が簡単にログインできる。

  離席オートロックという機能も搭載しており、ノートの前から離れたときに自動でノートをロック状態にさせることも可能だ。この機能を使用した場合は、ノートの前に戻ってきたときに自動で顔認証を行なってノートを使える状態にすることもできる。

 最新のVAIO SX14は堅牢性の面でも進化しており、 アメリカの軍事規格であるMIL規格(MIL-STD-810H)に準拠したテストをクリアしている。 もともと3年前のVAIO SX14の時点でも堅牢性を売りの1つにしていたのだが、MIL規格に準拠させたことでその堅牢性の高さを証明した形だ。

 ちなみに 天板は剛性と軽量化を両立できるカーボン製である。質感、手触り、剛性感のどれも大変高いレベルに仕上がっている。

3年前のモデルとの性能差は? ベンチマークでチェック

 最後にベンチマークテストの結果を見てみよう。性能の違いを説明した際にもいくつかの性能テストの結果を見せているが、ここでは定番のベンチマークソフトの結果を紹介しておく。テストはすべて、3年前のVAIO SX14と最新のVAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONで同じ条件で実行し、その結果をグラフにしている。

 使用したベンチマークソフトは、以下の6本だ。

  • PCMark 10 v2.1.2556.0
  • Cinebench R23.200
  • DemoCreator 5.8.1.4
  • 3DMark Professional Edition v2.22.7359.0
  • ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク
  • CrystalDiskMark 8.0.4

  全体的に明確にすごい差が出ているが、特に画像編集やグラフィックス系のテストでその差が大きい。 たとえばPCMark 10のDigital Content Creation配下を見てみると、ほかの項目に比べて突出して大きく差が付いていることが分かる。

 このDigital Content Creationは、その下の3つのテストの総合評価である。ではその3つを見てみると、 写真の加工や編集を行なう際の性能を見るPhoto Editing Scoreと、レイトレーシングによる3D CG処理を行なう際の性能を見るRendering and Visualization Scoreでそれぞれ倍以上の差が出ている。

 この結果を見ると、特に写真や画像を扱う人や、デジタルコンテンツの制作を行なっているような人は、すぐにノートを買い換えた方が良いように思う。これだけ差があれば、作業効率がグンとアップするはずだ。

 CPUのコア数が増えたことによる効果は、CPUのレンダリング性能を測るCinebenchの結果に大きく表れている。 コアあたりの処理性能も上がりつつ、それ以上にマルチコアによる処理性能が3倍近く上がっている。 それにしてもすごい差である。

 DemoCreatorを使用した動画エンコードのテストは、約10分間のMOV形式の動画にDemoCreatorでタイトル周りの追加と若干の特殊効果を加えて、MP4形式の動画として書き出した際のエンコード時間を計測したものだ。

 このテストはエンコード時間も速かったのだが、 動画編集時のタイムラインの移動やプレビューの表示などが3年前のVAIO SX14よりも最新のVAIO SX14|ALL BLACK EDITIONの方が軽快に動作し、その操作感でも大きな性能差を感じた。

 ほかには、 CPUのグラフィックスコアが変わった影響がゲーム系のベンチマークテストに大きく出ており、古いIntel UHDグラフィックスと最近のIntel Iris Xeの性能差はすさまじい。 見ての通り3DMarkとファイナルファンタジーXIVの結果は、比較にならないほどVAIO SX14 | ALL BLACK EDITIONの方が上だ。

 SSDの速度を計測するCrystalDiskMarkの結果も、 インターフェイスの高速化とSSD自体の性能向上の効果が良く出ていて、ほとんどの項目でVAIO SX14|ALL BLACK EDITIONの方が倍以上高速な結果になっている。

作業効率を上げたい人はすぐに買い換えた方が良いかも

  正直なところ、ここまでの差が出るとは思っていなかった。3年と言えば結構長くもあるが、それでもたった3年である。 現在、3年前くらいに購入したノートPCを使っている人は、特に不満なくその製品を使っているかもしれない。

 しかし使い比べてみると分かるが、 最新のノートの性能と快適さはすごい。毎日のようにプレゼン資料やさまざまな書類を作ったり編集したりするような人や、写真や画像や動画を扱ったりしている人は即刻買い換えを検討すべきだろう。最新のノートを使うだけで、確実に毎日の作業効率が変わる。

 また、差は処理性能だけではない。 Web会議が多い人は、高精細なWebカメラとさまざまな便利機能が付いた最新のノートを使えばWeb会議がグッと快適になる。AIノイズキャンセリング機能があれば、Web会議時の音声周りのストレスはほぼなくなるだろう。

 ちなみに、このVAIO SX14よりももっと小さなノートが良いという人には、ほぼ同じ進化を遂げた12.5型ノート「VAIO SX12」という選択肢もある。こちらは、287.8×205×15~17.9mm(幅×奥行き×高さ)の小型サイズかつ重さが約899~950g(950gは5G搭載の場合)という極小モバイルノートだ。VAIO SX12にもALL BLACK EDITIONがあり、CPUも同じ14コアのCore i7-1280Pである。

  ノートを毎日のように使う人ほど最新ノートへの買い換えの効果は大きい。今回のレビューで、この性能差はすごいなと感じた人はちょっと検討してみるといいだろう。

[モデル: 奥村 茉実(浅井企画)]