特集

任天堂「Wii U ベーシックセット」ハードウェアレポート

「Wii U ベーシックセット」
12月8日発売

価格:26,250円

 任天堂の最新家庭用ゲーム機「Wii U」が、12月8日に発売となった。編集部でも1台実機を入手したので、内部のハードウェア構造を見ていくことにしよう。

Wii U ベーシックセットのパッケージ

 Wii Uのパッケージは、本体の内蔵メモリーが32GBで、Wii U GamePad、Wii U GamePad用充電スタンド、Wii U本体縦置きスタンド、ケーブル類などが付属する「Wii U プレミアムセット」と、内蔵メモリーが8GBの本体とWii U GamePad、ケーブル類が付属する「Wii U ベーシックセット」の2つがあり、編集部で入手したのはベーシックセットの方だ。

 ベーシックセットには、Wii U本体とWii U GamePad、Wii U本体用のACアダプタ、Wii U GamePad用のACアダプタ、HDMIケーブル、各種マニュアルおよび保証書などが付属している。パッケージは内部で2つの層に分けられており、一方にWii U本体とWii U GamePad、もう一方に2つのACアダプタとHDMIケーブル、マニュアル類が格納されている。カラーは、Wii U本体、Wii U GamePadともに白だ。ベーシックセットには縦置きスタンドが付属しないため、設置は横置きが基本となる。

パッケージ内は、このように2分割となっている
上層に入っている、Wii U本体用のACアダプタ
ACアダプタのサイズは結構大きい
こちらは、Wii U GamePad用のACアダプタ。こちらは比較的コンパクトだ
HDMIケーブル。AVケーブルは付属しないが、Wiiのものを流用可
取扱説明書や保証書

 本体の形状は、Wiiのような直線的なデザインではなく、角に曲線を取り入れた、柔らかい印象のデザインとなっている。サイズは、約172×268.5×46mm(幅×奥行き×高さ)となっている。高さはWiiとほぼ同じだが、幅および奥行きはWii Uの方が大きい。とはいえ、プレイステーション3やXbox 360と比較すると十分にコンパクトで、Wii同様、置き場所にはそれほど困らないだろう。

 Wii U本体には、前面に電源ボタンと光学式ドライブのイジェクトボタン、Wii U GamePadやコントローラ/リモコンとのペアリングを行なう場合に利用するSYNCボタン、蓋の中にSDカードスロットとUSB 2.0ポートが2個、背面にはACアダプタの接続コネクタ、センサーバーの接続コネクタ、Wiiと同じAVケーブル接続用コネクタ、HDMI出力、USB 2.0ポートが2個、それぞれ用意されている。ちなみに、Wiiリモコンを利用する場合にはセンサーバーを接続する必要があるが、センサーバーはWii Uには付属しないため、Wii付属のものを流用するか、別途購入する必要がある。また、Wiiに用意されていた、ゲームキューブコントローラ用コネクタは省かれている。

Wii U本体。ベーシックセットは、本体カラーは白
本体正面。光学式ドライブはスロットインタイプ。電源ボタンやイジェクトボタンがある
前面の蓋を開けると、SDカードスロットとUSB 2.0ポートが2つ現れる。左の赤いボタンは、コントローラのペアリング用SYNCボタンだ
左側面。側面は曲面となっている
背面。背面には電源コネクタ(黄色)、センサーバー接続コネクタ(赤)、AVケーブル接続用コネクタ(黒)、HDMI出力、USB 2.0ポートが2つ用意されている
右側面には吸気口のスリットがある
本体底面。ゴム足が見える以外は、特に何もない
本体上部。こちらも吸気用スリットがあるだけだ
Wiiとの比較、幅と奥行きはWii Uの方が大きい
高さはほぼ同じ
WiiとWii Uを重ねてみた。何となく雰囲気は似ている

 次に、Wii Uの最大の特徴である、タッチパネル液晶搭載コントローラ、Wii U GamePadを見ていこう。コントローラ中央には6.2型のタッチパネル液晶が取り付けられていることもあり、サイズはかなり大きい。公称のサイズは、約255.4×133.4×41mm(同)と、ゲーム機に付属する標準コントローラとしては、これまでにない大きさと言っていいだろう。重量は公称で約500g。実際に手に持ってみるとこの数字以上に軽く感じる。おそらく、サイズの大きさと、両手でしっかり持つスタイルだからそう感じるものと思われるが、初めて手にした時には、その軽さに少々驚いた。パッケージには、Wii U GamePadは1個のみ付属するが、1つのWii U本体に対して最大4個のWii U GamePadをペアリングさせ、同時に利用できる。

 Wii U GamePadには、表に十字キーとA、B、X、Y、START(+)、SELECT(-)、HOMEボタン、左右にアナログスティックを1本ずつ、奥にL、LZ、R、RZボタンと、ゲーム操作用のボタンやスティックに加えて、TVリモコン機能を呼び出す専用ボタン、電源ボタンも用意。また、中央のタッチパネル液晶の上にはカメラが搭載され、下部にはステレオスピーカーとマイクも搭載。センサー類は、加速度センサー、ジャイロセンサー、地磁気センサーを搭載し、NFC機能も内蔵。さらに、手前には拡張コネクタと充電用の端子が、裏面には拡張機器を固定するネジ穴が、奥にはタッチペン、ボリューム、赤外線ポート、ヘッドフォン端子、ACアダプタ接続用コネクタもある。

 ところで、本体裏面にはネジで固定された蓋があり、蓋を開けるとバッテリが現れる。バッテリはユーザーでも簡単に交換できるように配慮されているので、将来性も安心だ。バッテリ容量は、3.7V 1,500mAhだった。バッテリスロットはかなり大きく、標準のバッテリを入れてもまだかなりすき間がある。既にサードパーティ製の外付け大容量バッテリは発表済みとなっているが、内蔵用の大容量バッテリが登場する可能性も十分考えられる。ちなみに、バッテリ駆動時間は公称で約3~5時間、充電時間は約2.5時間とされている。長時間遊ぶ場合には、付属のACアダプタを接続した状態でプレイした方が良さそうだ。

Wii U GamePad。中央部に6.2型タッチパネル液晶を搭載
液晶左には、アナログスティックとおなじみの十字キーがある。十字キーの下はNFCのアンテナ部分だ
液晶右には、アナログスティックとA、B、X、Y、START(+)、SELECT(-)の各ボタンがある
液晶下部にはHOMEボタンがあり、その左にはマイクの穴が見える
液晶下部右には、TVリモコン呼び出しボタンと電源ボタンがある。電源ボタンを押すと、コントローラとWii Uが同時に電源が入る。また、右の穴はスピーカで、左側にもある
液晶上部にはカメラを搭載
サイズは約255.4×133.4×41mm(同)と、ゲーム機の標準コントローラとしてはかなり大きい
裏面。握りやすいように凹凸が用意されている
右トリガーボタンは、RとRZの2つ
左トリガーボタンも、LとLZの2つ
手前には、拡張コネクタがある
左側面。後方にかけて高くなっている。また大きな凹凸も見える
奥側には、ペンの収納部分、ボリューム、赤外線センサー、ヘッドフォン端子、電源コネクタがある
ペンはプラスチックタイプ
Wii Uベーシックセットの内容物

本体内部

 では、内部の構造を見ていくことにしよう。

※※ 注意 ※※

  • 分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
  • この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害は筆者および、PC Watch編集部、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
  • 内部構造などに関する記述は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
  • 筆者およびPC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

 Wii U本体およびWii U GamePadの分解には、プラスのドライバとY字のドライバが必要だ。ほとんどのネジは見えないようにシールで隠されているので、シールをはがして分解していくことになる。

Wii U本体

まず初めに、右側面に見えるネジを外して引き抜くと、設定保持用のバッテリが取り出せる
次に、ネジを隠しているシールを全てはがし、その中のネジを外す
一部のネジは、Y字ネジとなっているが、多くは通常のプラスネジだった
ネジを全て外したら、左側面のカバーを外し、そこに見えるネジも外す
カバーを開けた状態
フレキケーブルとネジを外して、フロントパネルを外す
光学式ドライブを外す。この光学式ドライブは、Wii UおよびWii専用光学式メディアのみが利用でき、DVDやBDは利用できない
ドライブはパナソニック製のスロットインドライブで、型番は「RD-DKL034-ND」だった
黒の樹脂製カバーと背面の排気ファンを外す
排気ファンは、直径40mm、厚さ20mm。今回分解した機材では、Delta Electronics製のASB0405LD-AH28という型番のファンが取り付けられていた
基板を覆う金属シールドを外す
金属シールドを外すと、中からプロセッサに取り付けられたヒートシンクが現れる
基板をケースから取り出した状態
ヒートシンクを外した状態
Wii Uのカスタムプロセッサ。IBM Powerベースのマルチコアプロセッサと、AMD RadeonベースのGPUを統合。表面には、NINTENDO、IBM、AMD、RENESASの文字が見える
プロセッサ上部には、パナソニック製の「MN864718」というチップが見える。基板の配線から、HDMI出力用のコントローラと思われる
プロセッサの左および下には、Samsung製の4Gbit gDDR3 SDRAMチップ「K4W4G1646B-HC12」を合計4チップ、2GB搭載
基板前方には、Samsung製のeMMC準拠NANDフラッシュメモリチップ「KLM8G2FE3B-B001」を搭載。容量は8GBで、内部保存領域として利用される
基板裏面
Hynix製のEPROM「H27U8G8G5DTR」
裏面には、表側に2本のケーブルが延びている無線モジュールが2つ搭載されている。インターネット接続用の無線LANモジュールと、コントローラ接続用の無線モジュールと思われる
手前には、もう1つ無線のモジュールが取り付けられている(写真下側の小さな基板)。こちらはおそらく、Wiiリモコン接続用のBluetoothモジュールと思われる
内部の基板と主なパーツ類

Wii U GamePad

裏面のネジを外して蓋を取る
蓋の中にはバッテリを内蔵。バッテリ容量は、3.7V 1,500mAhで、3~5時間の連続利用が可能。バッテリは簡単に交換できる
裏面のネジを隠しているシールをはがしてネジを取れば、裏蓋が開く
裏蓋には、振動用のモーターが取り付けられている
背面側のトリガーボタンと、表面のボタンやアナログコントローラを覆っているカバーを外す
アナログコントローラはネジ2本で固定されている
メイン基板に繋がるケーブルを外したうえで、手前の小さな基板を外す。拡張コネクタやSYNCボタン、マイク、TVリモコン呼び出しボタン、Powerボタンなどがある
メイン基板上には、アンテナにケーブルが2本延びる無線モジュールがある。おそらく、本体と接続用の無線モジュールと思われる
基板右下にも無線モジュールらしき小さな基板がある。これはNFCモジュールと思われ、右下側のアンテナ基板に接続されている
左右にスピーカも搭載
メイン基板を取り出した様子
基板上には、STMicroelectronics製やTexas Instruments製などのチップが搭載されている。詳細不明なチップが多い
基板裏面。中央上部にカメラモジュールが搭載されている
裏面にもいくつかのチップが搭載されている。こちらも詳細不明なものが多いが、センサー類ではないかと思われる
タッチパネル液晶を固定しているカバーを外す
タッチパネル液晶を取り出した様子。製造メーカーを示唆する記述は見あたらなかった
Wii U GamePadを構成する主なパーツや基板

(平澤 寿康)