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NVIDIA、最大10倍高速な新GPU「RTX PRO 4500」。DGX Stationもようやく受注開始

NVIDIA RTX PRO 4500 Blackwell Server Edition(写真提供: NVIDIA)

 NVIDIAは3月16日(現地時間)から、AIソリューション向け年次イベントGTC 2026を開催しており、初日の11時から13時には同社 共同創業者でCEOのジェンスン・フアン氏による基調講演が行なわれた。

 この中で、AI向け開発環境などを発表したが、特に注目を集めたのはNVIDIA L4を置き換える「NVIDIA RTX PRO 4500 Blackwell Server Edition」と、昨年のGTC 2025で発表されたものの出荷の告知がなかった「DGX Station」の受注開始、そしてDGX Sparkのソフトウェアアップデートとなる。

Ada Lovelace世代のL4を置き換えるNVIDIA RTX PRO 4500 Blackwell SE

 NVIDIA RTX PRO 4500 Blackwell Server Edition(以下RTX PRO 4500 Blackwell SE)は、従来のNVIDIA L4(以下L4)を更新するものになる。L4はオンプレミスのデータセンターに格納され、仮想GPUやサーバー側での動画処理などに利用されている。

 L4は、FP8利用時で485TFLOPSのスループットを実現し、MIG(Multi Instance GPU: 1つのGPUを複数の部分に分割して、複数の仮想GPU環境をクライアントに提供する機能)に対応する。2つのNVENC(動画エンコーダ)と4つのNVDEC(動画デコーダ)というスペックで、TDPは72Wでデュアルスロットだ。L4は「Ada Lovelace」世代のGPUに留まっており、NVIDIA Blackwellのような最新世代のGPUには更新されてこなかった。

 RTX PRO 4500 Blackwell SEでは、その名前からも分かるように最新世代のBlackwellに更新が行なわれ、性能はL4に比べてAI要約で4倍、AIトークンを生成するスループットでは10倍、Omniverseでの4Kリアルタイムレンダリングでは3倍のフレームレートを実現する。

 L4と同じようにMIGに対応して複数の仮想GPUを実現できるほか、Blackwell世代になったことで、FP4を利用したAI推論処理を利用できる。GPUメモリは32GB GDDR7で、800GB/sの帯域幅を実現。PCIe 5.0に対応し、TDPは165Wだが、シングルスロット構成となり、ラック内やサーバー機器内での密度を上げることが可能だ。

 RTX PRO 4500 Blackwell SEは、多くのITベンダーでAI処理などに利用される計画で、日本のNTTデータはエッジ環境において撮影した動画をAIにより分析するアプリケーションを開発して活用する計画だという。ほかにも、ノキアがAI-RANと呼ばれる通信キャリアの無線アクセスネットワーク環境にAIの機能を実装するのに活用するとのこと。

 NVIDIAによれば、RTX PRO 4500 Blackwell SEはCisco、Dell、HPE、Lenovo、SupermicroなどのNVIDIAの主要OEMメーカーから搭載機器が提供される計画であるほか、Aivres、ASRock Rack、ASUS、Compal、Foxconn、GIGABYTE、Inventec、Lanner、MiTAC Computing、MSI、Pegatron、Quanta Cloud Technology (QCT)、Sanmina、Wistron、WiwynnなどのOEM/ODMからも提供が計画されている。また、クラウドサービス事業者ではAkamai CloudとAWSからインスタンス(クラウド経由で提供されるハードウェア)として提供される計画だ。

GB300+RTX PRO 6000を搭載したDGX Stationが受注開始

左下がDGX Spark、右側がDGX Stationの基板(写真提供: NVIDIA)

 NVIDIAは昨年のGTC 2025で、小型PCとなる「DGX Spark」、ワークステーション型の「DGX Station」という2つのAI開発者向けPCを発表した。

 DGX SparkにはGB10というNVIDIAとMediaTekが開発したSoCが採用されており、すでに昨年の後半には市場に出荷されていた。

 一方のDGX Stationは、GB300(Blackwell Ultra=B300を搭載したGrace Blackwell)を採用しており、当初は昨年中に出荷される予定だったが、今年にずれ込んでいた。DGX StationはGB300に加え、RTX PRO 6000が採用されており、748GB(7TB/s)のメモリを搭載するというスペックだ。

昨年のCOMPUTEXで展示されたDGX Station(昨年のCOMPUTEX 25で撮影)

 今回NVIDIAは、DGX Stationの受注開始を本日(米国時間3月16日)より開始した。システムはASUS、Dell Technologies、GIGABYTE、MSI、Supermicroから提供開始される予定で、HPは今年後半からになるという。

 また、すでに出荷済みのDGX Sparkに関してもソフトウェアアップデートが提供され、最大で4つまでのDGX Sparkをクラスタ化して利用する機能やNVIDIA Enterpriseの最新版などが提供されるほか、NVFP4に対応した「Nemotron 3 Super 120B」と「Sinistea」などのオープンソースの新しいAIモデルも提供される計画だ。さらに、「NVIDIA NemoClaw for OpenClaw」にも対応し、AIエージェントの開発をローカルで安全に開発可能になる。