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5万円台までで普通に使える激安ミニPCはどう選ぶ?コスパ良好なオススメ5モデルにも注目
2025年7月9日 06:19
5年前に「普通に使えるデスクトップPCを3~5万円で買える」と言われたところで、本気で受け取ることはなかっただろう。しかしミニPCはそうした「常識」を打ち破り、れっきとした1つのジャンルとして定着しつつある。ただ最近は、メーカーやブランド、製品数が激増しており、選び方が非常に難しくなっているのも事実だ。
そこで今回は、コストパフォーマンスに優れるローコスト帯に注目し、搭載CPUによる性能差や製品を選ぶうえで重要になるポイントを解説するとともに、オススメ5製品を紹介しよう。
Intel N150モデルが登場、Ryzen搭載モデルも依然として安い
まずは今回取り上げる2~6万円台のミニPCについて、現状を整理しよう。ミニPCが一躍注目を集めたのは、Intelの低消費電力CPU「Intel N100/N95」を搭載した2~3万円前後のモデルの発売がきっかけだ。このIntel N100/N95は、第12世代Coreシリーズに組み込まれていた「高効率コア」のみを4基抜き出して構成した消費電力の低いCPUである。
最近は後継となる「Intel N150」を搭載するミニPCが登場しており、実売価格もほとんど変わらないため、徐々に切り替わっていくだろう。あとで紹介するRyzenシリーズやCoreシリーズと比べると、総合的な性能は劣るものの、Windows 11やオフィスソフト、YouTubeや動画配信サイトなど、一般的な軽作業なら問題なく対応できるだけの性能はある。
とはいえ、Intel N100シリーズ特有のもたつきやCPU負荷率の高さに悩まされる場面はそれなりにある。そうしたことに煩わされず「普通にPCを使いたい」なら第12世代Core i5や、ノートPC向けRyzenを搭載する5万円前後のミニPCがオススメだ。
こうしたCPUでは、CPUコア部分は8コア/16スレッドや6コア/12スレッドなど、デスクトップPC向けCPUと遜色のないレベルをサポートする。内蔵GPUの性能も比較的高く、軽作業程度なら当然のごとくこなせるし、2Dグラフィックスや軽めのFPSゲームもプレイできるなど、利用範囲は大きく広がる。
今回取り上げたオススメモデルのほか、5~6万円前後のミニPCに搭載されることが多いCPUのスペックと、簡単な性能の目安を整理したのが下の表だ。基本的にCPUコアや内蔵GPUの性能は、世代が新しくなるほど高くなる。
AMDのCPUコアで言えばZen 4世代の方がZen 3世代より性能が高いし、GPUコアで言えばRadeon 7xxM世代の方がAMD Radeon 6xxM世代よりも高い。ただし世代が1つ古い程度だと、コア数やスレッド数が多いモデルの方が高性能な場合もある。
| CPU名 | コア/スレッド数 | CPUコア | GPUコア | ミニPCの性能の目安 |
|---|---|---|---|---|
| Ryzen 7 7735HS | 8コア/16スレッド | Zen 3+ | Radeon 680M | 高め |
| Ryzen 7 Pro 6850H | 8コア/16スレッド | Zen 3+ | Radeon 680M | 高め |
| Ryzen 7 6800H | 8コア/16スレッド | Zen 3+ | Radeon 680M | 高め |
| Ryzen 5 7545U | 6コア/12スレッド | Zen 4、Zen 4c | Radeon 740M | 中間 |
| Ryzen 7 7430U | 6コア/12スレッド | Zen 3 | Radeon Graphics | 低め |
| Core i5-12600H | 12コア/16スレッド (Pコア4基、Eコア8基) | Alder Lake | Iris Xe Graphics eligible | 中間 |
| Intel N150 | 4コア/4スレッド (Eコア4基) | Twin Lake | Intel Graphics | 低い |
最近の低価格なミニPCではインターフェイスも比較的充実しており、一般的な用途で不満を感じることはないだろう。特殊な変換アダプタを通して市販のビデオカードを利用できるようになる「Oculink」、高速なデータ通信機能に加えて給電やディスプレイ出力にも対応する「USB4」など、高機能なものを搭載するモデルも増えている。M.2スロットを複数台搭載するモデルなら、高速なM.2 SSDを追加して保存できるファイルの容量を強化できる。
また買い方で注意したいのが、取り扱うショップによって値引率や付属するクーポンが異なることだ。通販サイトによって異なるのはまだ分かるが、同じメーカーの同じモデルが、直営店、日本代理店など複数のショップで販売されていることもある。しかもそれぞれのショップで価格や値引率、付属するクーポンが異なることがよくある。特に今回取り上げた低価格なミニPCではそういった傾向が強いため、一番安く買えるショップをしっかり調べて購入したい。
なお、以下でご紹介する実売価格は7月8日時点のものとなる。
コンパクトでインターフェイスも十分!2万円ちょっとのIntel N150搭載機
GMKtek「NucBox G3 Plus」
Intel N150を搭載した低価格なミニPC。メモリ16GB、ストレージは512GBといった過不足ない構成ながら、値引きクーポンを適用することで2万2,800円前後で購入できることもあるなど、ミニPCらしい買い得感はそのまま引き継いでいる。しかも2.5Gigabit Ethernetによる有線LANや4基のUSB 3.2 Gen 1ポート、2基のHDMIなど、インターフェイスも充実しており使い勝手もよい。メモリ8GBのモデルはさらに安いが、メモリスロットが1基のみで増設できないことを考えると、初めから16GBモデルを購入した方がよい。
| 製品名 | GMKtek「NucBox G3 Plus」 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU(コア/スレッド) | Intel N150(4コア/4スレッド) |
| 搭載メモリ | DDR4 16GB |
| ストレージ | 512GB SSD(PCIe 3.0) |
| 空きM.2スロット | 1基(SATA) |
| 通信機能 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
| 主なインターフェイス | USB 3.2 Gen 2 4基、HDMI 2基、2.5Gigabit Ethernet |
| 本体サイズ(実測値) | 114×106×42.5mm |
| 重量 | 360g |
4万円を切るRyzen 5搭載ミニPC!ツールレスで簡単に内部アクセス可能
GEEKOM「A5」
低価格なノートPCに採用されることが多いRyzen 5 7430UをCPUとして搭載するミニPCだ。型番は7000番台ではあるが、CPUコアはZen 3世代、内蔵GPUはRadeon Graphicsであり、性能的にはノートPC向けの「Ryzen 5000」シリーズと同等だ。とはいえ軽作業中心なら今でも充分だし、Intel N100搭載ミニPCと比べればはるかに使い勝手はよい。8コア/16スレッドの「Ryzen 7 5825U」を搭載する上位モデルも存在する。
| 製品名 | GEEKOM「A5」 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU(コア/スレッド) | Ryzen 5 7430U(6コア/12スレッド) |
| 搭載メモリ | DDR4 16GB |
| ストレージ | 512GB SSD(PCIe 3.0) |
| 空きM.2スロット | 1基(SATA対応) |
| 通信機能 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
| 主なインターフェイス | USB 3.2 Gen 2 Type-C 2基、USB 3.2 Gen 2 3基、USB 2.0、HDMI 2.0b 2基、2.5Gigabit Ethernet |
| 本体サイズ | 117×117×49.2mm |
| 重量 | 約652g |
Ryzen 7 Pro 6850H搭載で5万円台!! 突出したコスパを誇る定番の1台
GMKtek「NucBox M7」
CPUにRyzen 7 PRO 6850Hを搭載しながらも、値引きクーポンなどを活用することで5万円台、あるいは5万円を切ることもあるなど買い得感が非常に高いミニPCだ。世代はやや古めではあるが、CPUコアや内蔵GPUのパワーはかなり高く、OculinkやUSB4を搭載するなど拡張性も高い。天板内部にはSSDやメモリを冷却するためのファンを搭載しており、冷却対策もバッチリだ。
| 製品名 | GMKtek「NucBox M7」 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU(コア/スレッド) | Ryzen 7 PRO 6850H(8コア/16スレッド) |
| 搭載メモリ | DDR5 16GB |
| ストレージ | 512GB(PCIe 3.0) |
| 空きM.2スロット | 1基(PCIe 3.0対応) |
| 通信機能 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
| 主なインターフェイス | USB4 2基、USB 3.2 Gen 2 2基、USB 2.0 2基、2.5Gigabit Ethernet 2基、HDMI、DisplayPort、Oculink |
| 本体サイズ | 125×132×62mm(実測) |
| 重量 | 632g(実測) |
高速なM.2 SSDを3基搭載可能!OculinkやUSB4も利用できる
AOOSTAR「GEM10」
GEM10では搭載CPUが異なるモデルをいくつかラインアップしているのだが、Ryzen 7 6800Hを搭載するモデルなら5万円弱で購入できることがある。最大の特徴はM.2スロットを3基も装備し、コンパクトながらも大容量のストレージを搭載できることだ。SSDを冷却するための金属製ヒートシンクや冷却ファンを搭載しており、発熱の大きなM.2 SSDも安心して利用できる。性能的には、ほぼ同じグレードのCPUを搭載するNucBox M7に近い。
| 製品名 | AOOSTAR「GEM10」 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU(コア/スレッド) | Ryzen 7 6800H(8コア/16スレッド) |
| 搭載メモリ | LPDDR5 16GB(オンボード) |
| ストレージ | 512GB(PCIe 4.0) |
| 空きM.2スロット | 2基(PCIe 4.0対応) |
| 通信機能 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2 |
| 主なインターフェイス | USB4、USB 3.2 Gen 2 4基、2.5Gigabit Ethernet 2基、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4、OCuLink |
| 本体サイズ | 107×107×55mm |
| 重量 | 不明 |
Zen 4コアとRDNA3なのに5万円台前半と非常に安い最新ミニPC
MINISFORUM「UM750L Slim」
薄型モバイルノートPC向けの「Ryzen 5 7545U」をCPUとして採用するミニPCだ。CPUコアは2基のZen 4に加えてやや性能を落としたZen 4cと呼ばれる小規模コアを4基搭載する構成。またGPUはRDNA3と世代的には新しめな構成ながら、こちらも5万円台前半で購入できる。一般的なミニPCに搭載されるCPUと比べても消費電力や発熱が小さいCPUなのでアイドル時や軽作業時はほぼ無音であり、高負荷時のファンの音もかなり小さかった。
| 製品名 | MINISFORUM「UM750L Slim」 |
|---|---|
| OS | Windows 11 Pro |
| CPU(コア/スレッド) | Ryzen 5 Pro 7545U(6コア/12スレッド) |
| 搭載メモリ | LPDDR5 16GB(オンボード) |
| ストレージ | 1TB(PCIe 4.0) |
| 空きM.2スロット | 1基(PCIe 4.0対応) |
| 通信機能 | Wi-Fi 6、Bluetooth 5.3 |
| 主なインターフェイス | USB4、USB 3.2 Gen 2 2基、USB 2.0 2基、2.5Gigabit Ethernet、DisplayPort、HDMI |
| 本体サイズ | 126.5×130×50.4mm(実測) |
| 重量 | 670g(実測) |






















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