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2021年春のおすすめゲーミング液晶モニター5選

 在宅時間の増加により、ゲームをプレイする機会が増えたという人は多いだろう。業務中にこっそりゲームを……というわけではもちろんなく、通勤時間が削減されたことで可処分時間が増え、それらをゲームに注ぎ込めるようになったという成り行きだ。

 ゲーミングディスプレイは、性能の優劣がそのままゲームの勝敗に直結しかねないだけに、ビジネス用のそれと比べると、求められる性能はよりシビアだ。

 たとえばビジネス向けのディスプレイの多くは応答速度がせいぜい5ms程度なのに対し、ゲーム用は1ms以下が当たり前だし、リフレッシュレートは144Hzが主流、なかには240Hz対応の製品も登場している。AMDのFreeSyncやNVIDIAのG-SYNCなど、対応グラフィックボードとの組み合わせでテアリングを抑止できる拡張規格に対応した製品も多い。

 今回はそうしたゲーミング用途を前提に、買い替えに適したディスプレイを、いくつかの切り口をもとに紹介する。最近は、高フレームレートおよび高解像度に対応したGeForce RTX 3080および3090の登場により、そのポテンシャルを活かせるディスプレイへの買い替えを考えている人も多いはず。本稿がその参考となれば幸いだ。

 また記事の最後には、ゲーミング環境をよりグレードアップできるチェア・デスクのおすすめ製品も紹介しているので、併せて参考にしていただきたい。

リフレッシュレート165HzのWQHD対応なら……Dell「S2721DGF」

S2721DGF

 最初に紹介するのは、WQHD(2,560×1,440ドット)に対応した27型ディスプレイだ。WQHD解像度のモデルは、4K解像度までは求めないというユーザーに人気が高いが、今回紹介するモデルは、165Hzのリフレッシュレートと1msの応答速度に対応しており、ワンランク上のなめらかな動きを実現しているのが特徴だ。

 またDisplayHDR 400認証を取得しており、DCI-P3カバー率は98%を実現するなど色再現性も高い。さらにAMDのFreeSyncおよびNVIDIAのG-SYNCにも対応するなど、まさにゲーミング用途に最適化されたディスプレイだ。高さ調節や回転機能により、さまざまなプレイスタイルに対応。3年間良品先出しサービスとプレミアムパネルの保証も付属する。

 パネルはFast IPSで、輝度は400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1。応答速度は1ms(GTG)、表示色は約10.7億色、視野角は上下/左右ともに178度。インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort×1。本体サイズは611.6×200.3×393.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.5kg(スタンド除く)。

さらにワンランク上、リフレッシュレート240Hz対応なら……Acer「KG251QIbmiipx」

KG251QIbmiipx

 次に紹介するのは、さらにその上、リフレッシュレート240Hzに対応したモデルだ。応答速度は0.5msで、動画やゲームでの残像の少なさは傑出している。こちらもAMDのFreeSyncに対応するほか、ジャンルに応じたゲームモードも8種類から選択可能。さらに液晶パネル周囲のフレームをなくしたデザインで、複数を並べた場合に継ぎ目も目立ちにくい。

 サイズは24.5型と決して大画面ではなく、解像度もフルHD(1,920×1,080ドット)止まりだが、実売3万9,980円と手頃な価格ゆえ、コンパクトな設置サイズでひととおりの機能を網羅したゲーミングディスプレイを探している場合には格好の選択肢だ。3年保証(パネル・バックライトユニットは1年)も付属する。ただし、高さ調節や回転機能は非搭載なので注意したい。

 パネルはTNで、輝度は400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1。応答速度は0.5ms(GTG)、表示色は約1,670万色、視野角は上下160度、左右170度。インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort×1。本体サイズは557.9×215.5×429.7mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.2kg。

4K対応、かつリフレッシュレート144Hzにこだわるなら……ASUS「XG27UQ」

XG27UQ

 3つ目に紹介するのは、4K(3,840×2,160ドット)対応のゲーミングディスプレイだ。27型とはいえ4K解像度に対応し、かつリフレッシュレート144Hzともなると値段が張るのが普通だが、本製品は10万円を切るプライスを実現している。映像の非可逆圧縮技術であるDSC(Display Stream Compression)に対応しているのも強みだ。

 DisplayHDR 400認証を取得済みで、DCI-P3カバー率は90%、sRGB 99%と広色域に対応している。AMDのFreeSyncおよびNVIDIAのG-SYNCにも対応する。高さ調節や回転機能もサポートするほか、VESAマウントのディスプレイアームでの利用にも対応する。通常は1基のDisplayPortを2基搭載しているのも、このクラスのディスプレイとしては珍しい仕様だ。

 パネルはIPSで、輝度は400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1。応答速度は1ms(MPRT)、表示色は約10億7,374万色、視野角は上下/左右ともに178度。インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort×2。本体サイズは633.64×269.5×436.5~556.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約7.5kg。

予算とコンパクトさを優先するなら……アイ・オー・データ機器「EX-LDGC221HTB」

EX-LDGC221HTB

 FPSをプレイする場合、あまりに画面サイズが大きすぎると、隅まで目が行き届きにくいという問題がある。また設置場所の関係で、なるべくコンパクトなモデルが望ましいケースもあるだろう。こうした場合、昨今のディスプレイとしては小ぶりな、21.5型クラスの製品をチョイスすれば、出費も抑えられて一挙両得だ。

 すでに使用中の大画面ディスプレイからの買い替えであれば候補には入りにくいが、現在使っているノートPCに新しく外付ディスプレイを追加するのであれば、このサイズで不満を感じることも少ないだろう。解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、リフレッシュレートは144Hz、AMDのFreeSyncに対応している。1W+1Wと出力は低めながらスピーカーも付属しており、使い勝手はよい。高さ調節や回転機能は搭載しない。

 パネルはTNで、輝度は250cd/平方m、コントラスト比は1000:1。応答速度は最大0.6ms(GTG)、表示色は約1677万色、視野角は上下160度、左右170度。インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort×1。本体サイズは633.64×269.5×436.5~556.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約3.2kg。

まさに究極、リフレッシュレート360Hz対応なら……Dell「AW2521H」

AW2521H

 最新ビデオカードと合わせて究極の表示環境を整えたいのであれば、最近対応製品が徐々に増えつつある、リフレッシュレート360Hzのディスプレイはチェックしておきたい。画面サイズは24.5型で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、応答速度は1msで、実売価格は7万円台前半と、性能と価格のバランスが取れたモデルだ。

 sRGBを99%カバーするほか、NVIDIAのG-SYNCにも対応。USBポートが4基搭載されており、コントローラーやUSBメモリを接続するにあたっても、ポートが足りずに困ることがない。高さ調節や回転機能もサポート。3年間良品先出しサービスとプレミアムパネルの保証も付属する。

 パネルはFast IPSで、輝度は400cd/平方m、コントラスト比は1,000:1。応答速度は1ms(GTG)、表示色は約1,680万色、視野角は上下/左右ともに178度。インターフェイスはHDMI×2、DisplayPort×1。本体サイズは556.29×251.92×421.21mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約4.5kg(スタンド除く)。

ゲーミング環境をよりグレードアップできるおすすめチェア・デスク

 最後に、ディスプレイを新調するならばこちらも併せて導入を検討したい、ゲーミング環境をよりグレードアップできるチェア・デスクのおすすめをそれぞれ紹介しておこう。

 ほかにないユニークなコンセプトで、入荷するたびに即完売するほどの人気を誇るのが、Bauhutteのゲーミングソファチェアだ。外見は一般的なチェアと変わらないが、ポケットコイルを内蔵し、かつソファーと同様の素材を採用することで、ゲーミングチェアでありながらソファーの座り心地を備えた製品だ。

Bauhutteゲーミングソファチェア

 座面の奥行き調整や最大135度のリクライニングも可能なほか、上下昇降式のアームレストやランバーサポートも搭載するなど、機能はゲーミングチェアそのもので、リラックスしながらのプレイはもちろん、長時間のプレイでも快適な時間を過ごせる。ゲーミングチェア独特の重厚感がないので、どのような部屋にでもマッチするのもメリットだ。

 大量生産に向かない仕様なのか、何カ月かに一度のペースで少数が入荷しては瞬殺されるパターンが繰り返されており、運よく在庫があるのを見かけたらぜひゲットしたい逸品だ。ちなみに今回紹介しているチェアタイプ以外に座椅子タイプもあるので、併せてチェックしておきたい。

 ゲームはもちろん通常の作業でも使えるデスクを探しているならば、姿勢の改善やリフレッシュに効果のあるスタンディングデスクはぜひチェックしておきたいところ。電動タイプであればボタン1つでスムーズな昇降が可能で、今回紹介したようなゲーミング用のディスプレイを載せた状態でも、スムーズな高さの調整が行える。

FLEXISPOT スタンディングデスク

 そんなスタンディングデスクで高い人気を誇るのが、FLEXISPOTのスタンディングデスクだ。フレームと天板の組み合わせを自由に選べるラインナップで、本体にあたるフレームのみを購入し、自前で調達した天板と組み合わせるユーザーも多いようだ。

 電動タイプは昇降時に異物を検知すると動作をストップさせるセーフティモーション機能も搭載しており、安心して利用できる。好みの高さを登録しておけるメモリー機能も搭載。モーターは静音タイプで夜間の昇降でも響かないのが特徴だが、フレーム本体が5年保証なのに対しモーターは2年保証と、期間に違いがあることは注意したい。