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ブラウザ内でAI処理が完結→バズってもサーバー代0円を実現した画像メーカー

 動物の写真から背景を消し“ひらめき猫”風の画像が作れるWebアプリ「InspirationCat」の作者である電電猫猫/Naoki氏は、「(InspirationCatの)サーバー代は0円」であるとしてその仕組みをXで公開、投入されている技術について解説している。

 InspirationCatは、ユーザーが用意した動物の写真から背景を自動的に消去し、代わりに「ピキーン」とひらめいたような背景に差し替える画像メーカーの類のWebアプリだ。初日だけで50万アクセスを達成したという。

 本来、こうしたWebアプリはサーバー側に画像を送信して処理するのだが、InspirationCatはWebGPUの仕組みを使い、ローカルで処理させる。サーバーに超シンプルな構成でVite+TypeScriptでビルドした静的ファイルだけを置くことを実現した。APIもデータベースもなく、ユーザーがアップロードした画像はどこにも送信されず、背景除去も画像合成もWebブラウザの中で完結している。

 より具体的には、背景除去にはニューラルネットワークが必要だが、@imgly/background-removalというライブラリによりWebブラウザ内で実行。その中身はONNX Runtime Webで、初回アクセス時に約40MBのモデルをダウンロードしてキャッシュして実行する。

 スマートフォンのメモリの制約に対しては、処理サイズを1,024px→768px→512pxと自動フォールバックさせることで対処し、iPhone SEでも落ちないようにした。画像がサーバーを通らないので、プライバシーやセキュリティの問題もないとしている。

 そして肝心な「静的ファイルを置く場所」だが、同氏はCloudflare Pagesを選択した。InspirationCatは初日で50万アクセスがあったそうだが、1回あたり約2MBの転送量で換算すると約1TBに相当する。一方、Cloudflare Pagesの無料枠は転送量が無制限なので「0円運用」を実現したというのだ。とはいえ、転送量を減らすためWebPを優先させる(フォールバック時はPNG)処理を施している。

 これらの工夫により、「バズっても壊れない、課金されない」Webアプリを実現した。

 ちなみにほかのサービスの場合、初日だけで帯域幅に約5万4,000円、サーバー処理に1万7,000円ほどかかると試算している。