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スノーモービルやスキーでiPhoneやApple Watchの衝突事故検出が誤誘発

 海外のニュースサイトMPR Newsによると、スノーモービルでの移動やスキーアクティビティでAppleデバイスの衝突事故検出が誘発され、緊急通報される事象が発生しているという。

 Appleが2022年9月以降に発売したiPhone 14やApple Watch Series 8/SEでは、ユーザーの自動車の衝突事故を検知し、ユーザーから応答がなければ自動的に緊急通報を発信する機能を備えているのだが、スノーモービルやスキーがトリガーになってしまうことがあるようだ。

 実際、米ミネソタ州スターンズ郡では、過去数週間にわたって7回も誤検出された緊急通報を受け、このうち4人はスノーモービルでの移動中、3人はダウンヒルスキーヤーだった。スノーモービルやスキーでは突然の停止、急な方向転換、ジャンプ、起伏の多い地形の移動が多いため、iPhoneやApple Watchの緊急通報をトリガーしてしまうのだという。

 Appleデバイスの衝突事故検出は、加速度計、ジャイロスコープ、GPSを駆使してデバイスの位置変化を検出し、マイクがクラッシュ音を拾う。衝突を検出すると10秒の遅延のあと、緊急通報するかどうか問われ、アラームが鳴る。誤検出なら、ユーザーはその際に発信を取り消せばいいのだが、スノーモービルの轟音の中や防寒着の下では聞き取りにくい場合があるため、誤通報につながる。

 誤通報は緊急通信センターにとって時間や人員リソースの浪費となってしまうため、クック郡とスターンズ郡では、スノーモービルやスキーなどのアクティビティに参加する際は、自動緊急通報機能をオフにするよう住民に促している。誤って通報した場合、誤通報であることをオペレータに伝えたほうがよい。電話に応答せずそのまま切ると、オペレータが逆に電話をしたり追跡したりする必要が生じるためだ。

 一方、緊急通報機能は本当に命を救うこともでき、実際に命が救われた事例もあるため、通常はオンのままにしておくことが推奨される。