イベントレポート

In Win、側面が強化ガラスのPCケースを展示

~開発中のゲーミングタワーケースも

1枚のアルミ板を曲げて成型したフレームと強化ガラスで構成されるPCケース「901」および「904」
会期:1月7日~10日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention and World Trade Center(LVCC)

LVH

The Venetian

 In Winは、CES会場のブースでPCケースの新モデルをいくつか展示していた。

 ここ数年In Winは、毎年奇抜なPCケースを送り出している。昨年のCOMPUTEX TIPEIでは、アルミフレームと強化ガラスで構成された「TOU」を発表し、すでに日本でも発売されている。そして、今回のCESでも、アルミフレームと強化ガラスを組み合わせた、新しいケースを展示していた。それが、Mini-ITX仕様のミニタワー「901」と、ATX仕様のミドルタワー「904」だ。製品自体は昨年(2013年)11月に発表済みだが、展示は今回のCESが初という。

 TOUは、高級感を追求した限定生産の製品で、日本での販売価格は110,000円前後と、非常に高価となっている。それに対し901および904は、TOUと同じアルミフレームと強化ガラスを組み合わせたケースではあるが、TOUの廉価版といった位置付けで、より一般的なユーザーを狙った通常の市販製品だという。

 強化ガラスを採用しているのは左右側面のみで、本体を構成する部分は厚さ4mmのアルミ板を折り曲げて成型されている。そのため、TOUのような奇抜さはほとんど感じられず、見た目は一般的なタワーケースに近い。それでもアルミフレームはヘアライン処理が施され、左右の強化ガラスの側面と合わせ、ほかのPCケースにはない高級感がある。

 ケースの構造で面白いのが、ケース前方下部に左右側面に突き抜けた空洞が用意されている点。ケース内部を見ると、この空間部分の上部にはケースファンを取り付けるスペースが用意されており、吸気口としての役割を果たしている。また、904ではこの部分の後方に5インチベイが1つ用意されており、光学式ドライブを取り付けた場合には、ディスクトレイがこの空間内に出てくることになる。説明員の話では、ここにはスピーカーを設置したり、ワイヤレスマウスなどを収納するのに便利とのことだったが、どちらかというとデザイン的な意味合いが強いと考えて良さそうだ。

 ケース内部の拡張性は、一般的なタワーケースに比べるとやや弱い。ドライブベイは、901が3.5/2.5インチベイ×2、2.5インチベイ×2のみ。904は5インチベイ×1、3.5/2.5インチベイ×3、2.5インチベイ×2となる。なお、双方とも3.5/2.5インチベイはホットスワップベイとなっている。拡張スロットは、901は2スロット構成で最大300mmの拡張カードに対応。904は8スロット構成で、最大360mmの拡張カードに対応する。

 901および904は、それぞれケース単体または電源ユニット装着済みの2モデルが用意されることになるそうだ。装着される電源ユニットは、このケースに合わせて特別デザインされたものになるそうで、容量は901が550W、904が750W。双方とも80PLUS GOLD準拠のケーブルプラグイン式となる。発売は2014年第1四半期で、価格は901が190ドル、904が280ドルを予定している。

Mini-ITX仕様のミニタワー「901」
こちらはATX仕様のミドルタワー「904」
フレーム部分は、厚さ4mmのアルミ板を加工して成型されている
ヘアライン処理が施され高級感がある
前方下部に大きな空洞を備える
このように、空洞は左右側面を突き抜けている。スピーカーを設置したり、マウスの置き場所として便利とのこと
ケース内を見ると、ここにケースファンを設置可能となっている
904では空洞部分後方に5インチベイを配置
901の側面ガラスを外した状態。サイズは173×350×400mm(幅×奥行き×高さ)と、Mini-ITXケースとしては大きい。内部のマザーボードトレイなども全てアルミ製
こちらは904の内部。一般的なミドルタワーケースに近い空間となっている。サイズは192×490×490mm(幅×奥行き×高さ)
901のドライブベイは、3.5/2.5インチシャドウベイ×2と、この下部に2.5インチシャドウベイ×2を備える
904のドライブベイは、3.5/2.5インチシャドウベイ×3と、この下部に2.5インチシャドウベイ×2を用意
901の拡張スロットは2本構成で、最大300mmのカードに対応
904は拡張スロット8本で、最大360mmのカードに対応する
電源ユニットは下部に搭載。双方ともATX仕様電源を搭載可能
電源ユニット搭載モデルは、シリーズ専用の特別デザインのものを搭載。容量は901が550W、904が750Wで双方とも80PLUS GOLD準拠、ケーブルプラグイン式となる

 次に、ゲーミングフルタワーケース新モデル「707」。こちらはまだ完成品ではなく、今回のCES来場者の意見を聞いたうえで修正をかけて発売することになるという。シャシーは0.4mmのスチール製だが、前面の扉は厚さ4mmのアルミ板を利用。ゲーミング向けフルタワーということで、内部の拡張性も充実しており、5インチベイ×4、3.5/2.5インチシャドウベイ×8、拡張スロット8本で最大365mmのカードに対応。

 ケースファンは、140mmファンをフロント2、リア1、トップ2、ボトム2、サイド1、HDDベイ部分に1と、計9個搭載可能。また、280mmサイズの水冷ラジエータをトップとボトムに1基ずつ搭載できる。サイズは、230×536×585mm(幅×奥行き×高さ)。カラーは、レッドとブラックを基調としたものと、ホワイトとブラックを基調としたものの2モデルが展示されていた。

 ゲーミング向けのフルタワーケースとしては比較的オーソドックスな仕様だが、比較的シンプルなデザインのため、ゲーミング用途だけでなく、一般的な自作PC用途にも十分対応できそうだ。2014年3月末から4月にかけて発売できるようにしたいとのことで、価格は未定だ。

ゲーミングタワーケース新モデル「707」。CES来場者の意見を聞き修正して発売する予定とのこと
こちらはレッドとブラックを基調とするモデル
サイズは、230×536×585mm(幅×奥行き×高さ)。ゲーミング向けフルタワーらしく内部はゆったりしている
ドラブベイは、5インチ×4、3.5/2.5インチシャドウ×8と豊富に用意
トップに240mm水冷ラジエータを搭載可能
前方ドライブベイを外せば、ボトムにも240mm水冷ラジエータを搭載できる
前面は4mm厚のアルミ板の扉が取り付けられている
前面にはUSB 3.0×4ポートを配置
裏面配線を考慮したスペースを確保している
背面

(平澤 寿康)