イベントレポート

【速報】DellがBay Trail-T搭載8型フルHD Windowsタブレットを公開

~採用メーカーには富士通、シャープの名前も

ハーマン・ユール氏
会期:9月10日~12日(現地時間)

会場:米国カリフォルニア州サンフランシスコ Moscone Center

 IDF 2日目となる9月11日(現地時間)には、主にクライアント向けのデバイスを話題にした基調講演が行なわれた。講演に登場したのは、同社のスマートフォン・タブレット向けの製品を統括するIntel副社長兼モバイル&コミュニケーション事業本部長のハーマン・ユール氏、PC向けの製品を統括するIntel上席副社長兼PCクライアント事業本部長カーク・スコーゲン氏、ソフトウェア部門を統括する副社長兼ソフトウェアサービス事業本部長のダグ・フィッシャー氏で、「Atom Z3000」シリーズ(Bay Trail-T)、そしてUltrabookの発展系として推進している2-in-1デバイス、2014年に搭載製品の出荷が予定されている「Broadwell」(ブロードウェル)などに関して紹介が行なわれた。

ASUS、DellのBay Trail搭載Windowsタブレットが公開

 ハーマン・ユール氏は、Atom Z3000についての説明を行なった。この中でユール氏は「Bay Trailはゲームチェンジャーな(状況を一変させる)製品となる」と述べ、これまで劣勢だったタブレット分野で、反撃が可能になる製品だとアピールした。

 次いでユール氏は、Bay Trail-Tを搭載したタブレットを紹介した。最初に紹介されたのは台湾ASUSTeK Computer(ASUS)の製品で、同社の社長兼CEOのジェリー・シェン氏が壇上に呼ばれ、「T100」という脱着型キーボードを備えた2-in-1端末が発表された。シェン氏によれば、HD解像度(IPS)のディスプレイを備え、11時間のバッテリ駆動時間が可能。タブレット部分とキーボード部分は分離が可能で、スレート型のタブレットとしても、クラムシェル型のタブレットとしても利用できる。

ASUSのジェリー・シェン社長兼CEOがBay Trail搭載タブレット「T100」を公開
Dell タブレット/パフォーマンスPC担当副社長ニール・ハンド氏は、8型Windowsタブレットを公開

 また、Dellタブレット/パフォーマンスPC担当副社長のニール・ハンド氏は8型ディスプレイを搭載したWindowsタブレットを紹介した。薄さ9mm以下で、重さ400g程度になるという。液晶ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)の解像度で、これまでに明らかになっている7~8型Windowsタブレットの中では最も高解像度な製品となる。Dellはこの製品を近日中に「Venue」という新ブランドで発表する予定で、10月の上旬にニューヨークで発表会が行なわれることが明らかにされた。

 また、ユール氏は、Bay Trail-TのOEMメーカーのリストも発表した。これまでに明らかになっていた東芝に加えて、ASUS、Dell、Acer、Lenovo、HP、LGといったメーカーのほか、日本の富士通、シャープの2社もOEMメーカーとしてリストアップされた。

 現時点では、富士通とシャープがどのような製品をリリースするかは明らかになっていないが、富士通はAtom Z2760搭載タブレットをリリースしているので、その延長線上にある製品が予想される。シャープは「AQUOS Pad」のブランド名でタブレット製品を通信キャリアに提供しているため、Atom Z3000シリーズがそうした通信キャリアから販売される可能性が出てきたと言える。

 このほか、カーク・スコーゲン氏は、同社が2014年に搭載製品を出荷する予定の「Broadwell」と、現行製品となる第4世代Coreプロセッサ(Haswell)の比較と行ない、同じ処理でBroadwellが30%ほど低い消費電力で動かすことできる様子を紹介した。

 詳細に関しては追ってアップデートする予定だ。

OEMメーカーのリスト。日本のメーカーの名前には東芝、富士通、シャープが
Broadwellと第4世代Coreプロセッサの消費電力の比較。下の赤い線がBroadwellで、第4世代Coreプロセッサに比べて30%ほど少ない

(笠原 一輝)