イベントレポート

ASUSの12.5型クラムシェルモバイル「ZenBook 3」実機レポート

ZenBook 3

 ASUSの発表会「Zenvolution」では、スマートフォンにフォーカスした説明がなされると思われたが、ジョニー・シー会長が登壇するや否や、いきなり「ZenBook 3」のスライドを掲げ、力強いスピーチで来場者を驚かせた。

 速報で見てもらえば分かる通り、本製品はAppleの「MacBook」を下回る910gの軽量性と、11.9mmという薄さを実現。910gという重量は、Atomを搭載した従来製品「EeeBook X205TA」の980gよりも軽い。一方で、宇宙工学にも使われるアルミニウムアレイデザインを採用することで、従来から剛性を50%高めた。

 この軽さと薄さの中に、高クロックを達成できるCore i7/i5プロセッサの採用、最大1TBのPCI Express x4 SSD、最大2,133MHz駆動の16GB LPDDR3メモリといった高スペックを詰め込んだ。一方で、コネクタ類はUSB Type-Cと音声入出力のみへ最大限に絞ることで、薄さと軽さを実現したと見られる。

 これらの高スペックにより、MacBookより1.5倍のシステム性能、2.36倍のストレージ性能、そして1.52倍のメモリバンド幅を実現したという。

 ディスプレイも狭額縁の採用により、フットプリントをほぼA4用紙サイズ以下の296×191.2×11.9mm(幅×奥行き×高さ)に納めることに成功した。このほか、Gorilla Glass 4の採用、9時間駆動のバッテリ、49分で60%充電できる急速充電、MacBookの2倍となる0.8mmのキーストローク、そして指紋センサー付きタッチパッドを搭載する。

 ラインナップは、Core i7/メモリ16GB/1TB SSDの最上位モデルが1,999ドル、Core i7/メモリ16GB/512GB SSD搭載モデルが1,499ドル、Core i5/4GB/256GB SSDモデルが999ドル。

 スライドの中でなかった液晶サイズと解像度だが、ハンズオンでそれぞれ12.5型、1,920×1,080ドットであることが明らかにされた。また、キーボードLEDバックライトが搭載されていることも分かった。

 実際に手にしてみると、910gへの軽量化のメリットがよく分かる。このクラスの製品は薄さからくる視覚的な期待感に相反して“スペック以上に重い”という印象を持ちがちなのだが、ZenBook 3に関してはほぼ見た目通りの軽さだと言って良い。アルミニウムによる重厚感があり、その点EeeBook X205TAのような“素直な軽さ”ではないのだが、910gという数字への期待は裏切らない。

 一方MacBookの2倍と謳われているキーストロークに関しても、確かに深さがあり、ペチャペチャしない印象。とは言え、薄さを特に追求していないノートと比較すると、やや物足りないかもしれない。剛性に関しては片手で端を持ってもたわまない程度には保たれていた。

 今回来場したメディアは数百人規模で、触れられる端末は6台だったため、あまり長時間触ることができず、限られたインプレッションとなってしまったが、日本国内で投入された際には改めて詳細なレビューをお届けしたい。

 なお、説明員によると本体色はブルー、ゴールド、シルバーの3色が用意されているが、初期ロットに関してはブルーのみ指紋センサー付きタッチパッドを搭載し、残り2色はセカンドロット以降に搭載される予定。日本を含む各国での発売日に関しては、説明員も分からないとのことだった。

ZenBook 3の主な仕様
端から端まで使ったゆとりのあるキーボード
解像度はフルHDで、液晶サイズは12.5型
本体上部にスピーカーを搭載
ゴールドモデル。同心円状のヘアライン加工も踏襲する
汎用インターフェイスはUSB Type-Cのみ
ヒンジ部に「ZenBook Series」の印刷が
手にしてみたが、ほぼ予想通りの重さだった
右側面はステレオミニジャック
初期ロットはブルーモデルにのみ、指紋センサー付きタッチパッドを備える
ブルーモデルの天板
液晶下部に「ASUS ZenBook」のロゴ

(劉 尭)