イベントレポート
発表では明かされなかった新充電方式にも対応するE Ink+液晶搭載ノートLenovo「ThinkBook Plus」
2020年1月10日 10:12
Lenovoは、CES 2020にあわせて、多種多様な製品を一挙に発表した。クリエイター向けやゲーマー向け、そしてひときわ注目を集めた折りたたみ式の「ThinkPad X1 Fold」などである。X1 Foldがあまりにも先駆的であったため、じゃっかんその影に隠れたかたちになってしまったが、天板にE Inkディスプレイを備えた「ThinkBook Plus」もX1 Foldに負けず劣らず先駆的な製品である。
これまでにも背面にディスプレイを備えた製品はあったし、スマートフォンでは背面にE Inkディスプレイを備えたものはあったが、ノートPCではおそらくThinkBook Plusが初だろう。CESのLenovoブースにて同製品の実機に触れる機会があったので、ここに紹介する。
ThinkBook Plusは、第10世代Coreプロセッサと13.3型のフルHDディスプレイを備えた一般的なモバイルノートだが、天板にE Inkディスプレイを搭載するのがほかにはない特徴となる。このE Inkディスプレイの使い方としては、壁紙表示、カレンダー・メールの確認、付属ペンによるメモ書き、PDFへの書き込み、Kindleアプリを使った電子書籍の読書などがある。
天板には基本的には壁紙が表示されており、同じ製品を持っている人でも、個性を出せる。カレンダーとメールは(設定でオフにもできるが)、天板を閉じたときに表示される。というのも、天板を開いているときにメールなどが表示されると自分以外の人に見えてしまうためだ。各アイテムをタップするとOutlookなどが起動し、内容を確認できる。
見慣れたKindleのアイコンをタップすると、Kindleアプリが起動し、読書できる。付属のペンの頭を押し込むか、天板上の鉛筆アイコンをタップすると手書きメモアプリが起動する。このアプリ上で書かれたものは、自動的にOneNoteと同期する。しおりのようなアイコンをタップすると、PDFビューワが起動。PDFファイルを見るだけでなく、手書きメモを添えたり、テキストにハイライトを加えたりで着る。このほか、Alexaにも対応しており、天板を閉じたまま、Alexaの機能を使える。
これらは、専用のプロセッサやOSで動いているのではなく、Windows上で動作しており、プロセッサも本体のものが使われている。E Inkディスプレイは2つめのディスプレイ扱いだ。天板を閉じて、何も操作していないときは、モダンスタンバイ状態でシステム上では最低限のリソース/サービスのみが動いている。そのため、メールを受信すれば、即座に天板に表示されるし、天板を開ければ、Windowsはすぐに復帰する。
展示機では、基本的にこれらのアプリでしかデモしていなかったが、仕組みとしては前述のとおりただのセカンダリディスプレイなので、原理上はどのアプリも利用できるはずだ。
E Inkは、書き換えのときのみ電力を使い、表示では電力を消費しないという特性のため、液晶利用時は最大約10時間程度の駆動時間は、閉じたままのときは20時間ほど使えるという。
最初に行なわれた説明会ではとくに触れられなかったのだが、ThinkBook Plusには、もう1つほかの製品にはない特徴がある。それは、「Power by Contact」と呼ばれる置くだけ充電機能だ。ThinkBook Plusは、Energy Square製Power by Contact対応の充電台に置くだけで本体を充電できる。
これは、Qiのようなワイヤレス充電ではなく、充電台に敷き詰められた金属の板と、ThinkBook Plus底面から出ている接点が触れることで充電が行なわれる。ワイヤレス充電を採用しなかったのは、電力効率の観点からだという。この充電方式は、今後、ほかのLenovo製品にも広がっていく予定。Energy Squareでは、Power by Contactを既存の机などに埋め込むといったことも想定しているようで、カフェなどでの採用が広がれば便利に使えそうだ。