イベントレポート
AMDのRadeon統合型Ryzen、HUAWEIの「Matebook D」14型に採用
~PowerColorはRadeon RX Vega56 Nanoの販売を開始
2018年6月7日 15:14
米AMDは、台湾・台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEIの2日目にあたる6月6日(現地時間)に、台北市内の会場で記者会見を開催し、同社の新製品などに関して説明した。
この中でAMDはこの中でAMDは32コア/64スレッドの第2世代Ryzen Threadripperを第3四半期に発表すると明らかにし(詳細は別記事参照)、さらに7nmプロセスルールで製造されるVegaのデモとEPYCの初期サンプルを公開した(別記事参照)。
本稿では、同記者会見で披露されたOEMメーカーからの搭載製品について紹介する。
Radeon RX Vega56 Nanoの販売が開始、SamsungのTVとXbox OneがFreeSyncに対応
AMDは、昨年(2017年)の7月末に行なわれたSIGGRAPHにおいて、同社が開発コードネーム“Vega”と呼んできた最新GPUとなるRadeon RX Vegaシリーズを発表した。
同社のGPUロードマップでは、今後それを14nmから7nmへ微細化した7nm版Vega、さらに、同じ7nmで製造される新アーキテクチャのNAVI、7nmの改良版となる7nm+で製造される次世代アーキテクチャが計画されているが、7nmのVegaはディープラーニング(深層学習)ないしはプロ向けグラフィックスとなるRadeon Instinct向けとされており、コンシューマ版は今のところ何もアナウンスがない(なお存在が否定されてもいない)。
このため、今回のCOMPUTEX TAIPEIでは、現行製品であるRadeon RX Vegaシリーズのソリューションや、それに基づいた新製品が紹介された。
初めに紹介されたのは、Radeon RX Vega 56 Nanoを搭載した、PowerColorの「AXRX VEGA 56 NANO 8GBHBM2-NANO Edition」だ。
Radeon RX Vega 56 Nanoは、Radeon RX Vega 56をGPUとして採用していながら、カードの奥行きが短くなっている製品で、通常のRadeon RX Vega 56搭載カードの280mm前後と比較して、170mmへと短くなっている。
これにより、省スペースデスクトップPCなど、スペースが限られているPCにビデオカードを追加したい場合などに適している。
なお、スロットは2スロット専有タイプで、ストリームプロセッサは3,584ユニット、コアクロックは1,156MHz、8GB HBM2メモリ(800MHz動作)を搭載し、HDMIとDisplayPort×3の映像出力を備えている。
AMDによれば、6月6日より販売が開始されているとのことだ。
もう1つはFreeSync関連だ。1つはSamsung Electronicsがグローバルに販売しているTVが、ファームウェアをアップグレードすることで、FreeSync対応になることが発表された。
同時に、MicrosoftのゲーミングコンソールであるXbox One X、Xbox One Sが、やはりファームウェアアップデートでFreeSync対応になると明らかにされた。
HUAWEIが14型のMateBook DにRyzen 5を採用と発表
コンシューマ向けパートの後半では、AMDのクライアント戦略・ビジネス開発担当執行役員であるケビン・レンシング氏が、パートナーの担当者を呼んでパートナーの製品を紹介した。
最初に呼ばれたのはASUSの担当者で、同社のゲーミング製品などが紹介された。なかでも紹介されたのは「ASUS X570ZD」というノートPCで、CPUにRyzen 7 2700Uを搭載している製品になる。
ただし、GPUはRadeonではなく、NVIDIAのGeForce GTX 1050になっており、ASUSの担当者が「NVIDIAのGPU搭載だ」と言うと、会場からは苦笑が漏れ、ちょっと微妙な空気が流れた……なお、このことはNVIDIAのGeForceのTwitterアカウントにネタにされてしまった。
Teamwork makes the dream work.@ASUScombined an@AMDCPU with an@NVIDIAGPU for a powerful combo. Nice. 💚❤pic.twitter.com/LA3jwAO904
— NVIDIA GeForce (@NVIDIAGeForce)2018年6月6日
次いで、Lenovoの担当者が呼ばれたあと、最後のゲストとして登場したのがHUAWEI Technologiesの担当者。ここで、HUAWEIのMateBook Dに、Ryzenを搭載したバージョンが追加されたことが明らかにされた。
Matebook Dは、すでに15.6型がIntelの第7世代Core i7を搭載して販売されているが、今回紹介されたのは14型フルHD(IPSパネル)のディスプレイを搭載しており、CPUにRyzen 5 2500U(Radeon Vega内蔵)、57.4Whのバッテリーを搭載し、重量は1.45kg、薄さ15.8mmになることが明らかにされた。