イベントレポート
WD、初の64層3D NAND採用SSDの国内投入を示唆
~WDとSanDiskの両ブランド展開の理由も明かす
2017年6月2日 17:39
Western Digitalは、COMPUTEX TAIPEI 2017開催に合わせて、WDブランドのSSD新モデル「WD Blue 3D NAND SATA SSD」と、SanDiskブランドのSSD新モデル「SanDisk Ultra 3D」を発表した。そして、COMPUTEX会場付近のホテルに設置したスイートにおいて、各製品の詳細を解説した。
WD Blue 3D NAND SATA SSDは、2.5インチ SATAモデルと、M.2 SATAモデルの2モデルをラインナップ。また、SanDisk Ultra 3Dは、2.5インチ SATAモデルのみが用意される。接続インターフェイスはいずれもSATA 6Gbps。
実は、この2ブランドの新SSDは、別製品として発売されるものの、SSDとしてのハードウェア部分はまったく同じ。そのため、主なスペックは下にまとめたとおりで、全モデルとも共通となっている。
コントローラは従来モデル同様にMarvell製(型番は非公開)とのことだが、本製品よりNANDフラッシュメモリが最新の東芝・SanDisk製64層TLC 3D NANDへと変更されている。WDは、64層3D NANDを採用するSSDを、業界で先がけて市場に投入すると説明する。
64層3D NANDの採用によるメリットは複数ある。まず1点目は、大容量化が容易になるということで、全製品とも最大2TBの容量までラインナップされる。また2点目としては低消費電力になるという点。WDの説明では、従来の2次元NANDフラッシュメモリに比べて25%以上低消費電力となっているそうで、ノートPCなどではバッテリ駆動時間を伸ばせられるとのことだ。
そして総書き換え容量(TBW)は、最低容量の250GBモデルで100TBW、最大容量の2TBモデルでは500TBWに達する。500TBWでは、1日あたり20GBほどの書き換えを行なう一般的なPCで利用する場合、70年ほど問題なく利用できる計算で、耐久性に優れる点も大きな特徴だという。
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
---|---|---|---|---|
シーケンシャルリード | 550MB/s | 560MB/s | ||
シーケンシャルライト | 525MB/s | 530MB/s | ||
4Kランダムリード | 95,000IOPS | |||
4Kランダムライト | 81,000IOPS | 84,000IOPS | ||
総書き換え容量 | 100TBW | 200TBW | 400TBW | 500TBW |
保証期間 | 3年 |
ところで、なぜまったく同じハードウェアを別ブランドで投入するのか。それは、WD Blue 3D NAND SATA SSDとSanDisk Ultra 3Dがターゲットとするユーザー層を明確に切り分けているからだという。
まず、WD Blue 3D NAND SATA SSDについては、上級自作PCユーザーやシステムインテグレーターなどをターゲットとしている。それに対しSanDisk Ultra 3Dは、一般ユーザーのアップグレード用途、カジュアルゲーマーなど、一般消費者をターゲットにしているという。
また、販売チャネルもそれぞれのユーザー層にマッチさせるとのこと。日本では、SanDiskブランドのSSD人気が根強いことも理解しているそうで、日本では今後もSanDiskブランドに注力していく意向とのことだ。
米国での販売価格は、WD Blue 3D NAND SATA SSD、SanDisk Ultra 3Dともに99.99ドルからで、2017年第3四半期より販売開始予定。なお、日本での発売については現時点では未定だ。