イベントレポート
Intel、10nmで製造されるCannon Lakeをデモ。2017年中に出荷
~全席にVRヘッドセットを用意した“新しい記者会見”とは?
2017年1月5日 19:29
Intelは、CES 2017の記者会見日(1月3日~1月4日)の会期中に記者説明会を行ない、開発中の製品などに関する説明を行なった。この中で、次世代プロセスルールである10nmに基づいて製造されるCannon Lake(キャノンレイク)を搭載したPCをデモした。搭載製品は2017年中に出荷される見通しだという。
この説明会の記者席は、全席にゲーミングノートPCと、VR HMDのOculus Riftを用意し、同社が推進するVRを利用したスポーツ観戦の様子などをデモした。また、同社が昨年(2016年)のIDF16で発表した、オールインワンHMDとなるProject Alloy(プロジェクトアロイ)についても触れ、動作する様子をデモした。
U/YプロセッサがターゲットになるCannon Lakeを搭載した2in1デバイスを公開
説明会の冒頭に登壇したのは同社CEOのブライアン・クルザニッチ氏。同氏は、IntelがコードネームCannon Lakeとして開発を行なっている、次世代プロセッサを搭載した2in1型デバイスを公開して注目を集めた。「ムーアの法則は終わったという人も少なくないが、実際にはそうではなく、今回お見せしたCannon Lakeは10nmプロセスルールを利用して製造される」と述べ、10nmプロセスルールを既にサンプル出荷する段階にこぎ着けていることをアピールした。
今回、Cannon Lakeの詳細は明らかにしなかったが、Cannon Lakeは14nmプロセスルールの既存のアーキテクチャ(SkylakeとKaby Lake)の10nm版とされており、まずはUプロセッサやYプロセッサなどのノートPC向け製品が先行して登場するとされている。実際に同氏が公開したCannon Lake搭載システムも2in1デバイスであり、UプロセッサないしはYプロセッサである可能性が高い。
同氏は「Cannon Lakeは2017年中に出荷する予定だ」とだけ述べ、具体的な時期に関しては明らかにしなかったが、OEMメーカー筋の情報によれば、今年後半とされているので、年末商戦頃の製品に搭載されて登場してくる可能性が高いのではないだろうか。
Project Alloyは第4四半期に出荷開始
今回の説明会では、報道関係者席にVR HMDと、それが接続されているゲーミングPCが用意されていた。説明会の後半、クルザニッチ氏は会場に用意されているVRのシステムを利用して、デモを行ないながらの説明となった。これまでの説明会ではなかったような大がかりなセットの中で、参加した報道関係者全員がその様子を体験できるというのは、新しい記者説明会の形だ。
例えばその中の1つであるHyper VRのデモでは、実際のベトナムの風景を360度カメラで収録した様子を、VRで確認でき、旅行にいかなくても旅行に行った気になるようなデモが行なわれた。ほかにも、Voke VRと呼ばれるVR HMDで表示されるメニューを向くことによって視点を変えられるスポーツ中継のデモなど、これまでなかったようなデモが行なわれた。
最後に同氏は、Intelが昨年のIDF16で公開したProject Alloyと呼ばれるオールインワン型のVRについて触れ、第7世代Coreプロセッサを搭載していることなど、内部の構造についても説明したほか、ケーブルや赤外線のセンサーが必要のない様子などが紹介された。
同氏は「Project Alloyは第4四半期に大手OEMメーカーから製品が出荷される予定。この取り組みには誰でも参加できる」と述べ、Project Alloyが今年の第4四半期から出荷開始される予定であることを明らかにした。