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デンソー、「将棋電王戦」に1mmの誤差もなく指すロボットアームを提供

電王手くん
3月12日 発表

 株式会社ドワンゴ、公益社団法人 日本将棋連盟、株式会社デンソーは12日、「第3回 将棋電王戦」に、デンソーウェーブ開発のロボットアーム「電王手くん」(でんおうてくん)を提供すると発表した。デンソーは将棋電王戦の協賛企業となる。

 電王手くんは、デンソーウェーブの垂直型多関節ロボット「VS-060」をベースに開発。アーム先端にカメラを備え、将棋の駒を多方向から認識し、駒が斜めになっていても1mmの誤差もない着手が可能という。駒の移動は先端のコンプレッサーで吸着するため、近くの駒に影響がなく、公式戦の将棋盤と駒を使える。成った時の駒の反転にも対応。対面に座る棋士の安全面に配慮し、ロボットアームと棋士の間に柵(エリアセンサー)を設置している。指すスピードも設定可能なほか、長丁場になる対局でも連続稼働が可能としている。


 将棋電王戦は日本将棋連盟のプロ棋士と、コンピュータ将棋ソフトが対局するイベントで、第3回は3月15日~4月12日に開催される。前回までは、人間がコンピュータの手を代指ししていたが、今回の電王手くんによって見た目でコンピュータと分かりやすくする狙いがあるという。

 持ち時間は5時間(チェックロス方式)、使い切った後は1分将棋となる。対局カードは、菅井竜也五段 vs 習甦、佐藤紳哉六段 vs やねうら王、豊島将之七段 vs YSS、森下卓九段 vs ツツカナ、屋敷伸之九段 vs ponanzaが予定されている。

(山田 幸治)