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Claude Mythosが耐量子暗号やAESの欠陥を特定

 ネットバンキングやパスワードを守っている「暗号」に、AIが新たな弱点を見つけ出しつつあるようだ。Anthropicは7月28日、AIモデルの「Claude Mythos Preview」を用いて、既存の暗号アルゴリズムに対する攻撃手法を発見したと報告した。なお、今回対象となったアルゴリズムは、実用前のものや、通常と比べて暗号化強度を落としたものとなっている。そのため、攻撃手法が見つかったことによる現在のコンピュータシステムへの実用上の影響はないとしている。

 今回Claude Mythos Previewで発見されたのは、耐量子暗号の候補「HAWK」と、暗号化規格「AES-128」の7ラウンド簡略版などにおける攻撃手法。プログラム上のエラーではなく、暗号アルゴリズムの設計における数学的な欠陥を発見した点が画期的であると同社は説明している。

 HAWKは、NISTが公募する耐量子暗号(PQC)の第3ラウンド候補となっているアルゴリズムで、高速でコンパクトな点が特徴となっている。Claude Mythos Previewはこれに対し、60時間ほどの作業で有効な鍵の強度を実質的に半分に引き下げる攻撃手法を発見。同じ安全性を保つには、鍵のサイズを2倍にする必要がある。

 AESは、世界でも広く使用されてきた暗号アルゴリズム。そのうちAES-128では、暗号化のステップであるラウンドを10回行なうが、今回対象となったのはラウンド数を7回に減らしたバージョンとなっている。Claude Mythos Previewはこれに対し、メビウスブリッジと呼ばれるフィンガープリンティングアルゴリズムを開発し、従来最も有効とされた中間一致攻撃を改良。攻撃を200~800倍高速化する最適化手法を発見した。

 なお、Claudeは当初AESの解読は不可能だと返答したが、新規性のある攻撃手法を探すようプロンプトを調整したことで、発見につながったという。どちらの攻撃手法も開発のコストは約10万ドルだった。このほか、LEA、Serpent-128、Salsa20、Poseidon、SHA-1などにおける攻撃手法の発見や改善を報告したという。

 Anthropicでは、AIが短時間で高度な研究結果を自律的に生み出せるようになったことで、それを検証する人間の時間がボトルネックになりつつあると指摘。その上で、提案と攻撃が繰り返される暗号分野において、AIは脆弱性を未然に防ぐテストを強力にサポートするだけでなく、より安全な次世代暗号システムの設計においても重要な役割を果たすとした。