株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は16日、携帯電話の2012年夏モデルを発表した。2012年冬モデルからは「NEXTシリーズ」と「withシリーズ」へとスマートフォンのラインナップが分類されたが、NEXTシリーズは8機種9モデル、Withシリーズは7機種が紹介されている。
タブレット製品は1機種、さらにシルバー層をメインターゲットとしたらくらくホンシリーズにも、スマートフォン1機種を投入する。らくらくホンを含めたいずれのスマートフォン・タブレットもOSはAndroid 4.0(Ice Cream Sandwitch)を搭載して、6~8月に順次発売される予定。
ほかに同社のLTEブランドである「Xi(クロッシィ)」に対応するWi-Fiルーター、そしてキッズケータイがそれぞれ1機種ずつ発表された。いわゆるフィーチャーフォンであるiモード携帯の新製品はない。総合的にみて、Androidを中心に据えた同社のスマートフォン戦略が伺えるラインナップとなっている。
サービス面では、以前から構想を発表していたドコモクラウドのサービス充実をおこなう。具体的には「しゃべってコンシェル」の機能拡充、メール通訳サービスなど。
●NEXTシリーズ新製品はすべてXiに対応する8機種9モデルグローバルモデルを含めた先進性を前面に出すNEXTシリーズからは8機種が発売される。いずれの製品も同社のLTEブランドである「Xi」に対応しており、大容量化の進むコンテンツを見据える。冬モデルではGalaxy Nexusなど先進性を優先して国内向けとされる仕様を搭載しない製品もあったが、おサイフ機能初搭載となるGalaxyをはじめ、夏モデルはおサイフケータイがNEXTシリーズの全機種でサポートされているのも特徴だ。
ほかにもワンセグは8製品中の5製品、赤外線は5製品でサポート、防水仕様も6製品にわたる。4月から放送の始まったスマートフォン向け放送である「NOTTV」対応製品は3製品。各機種に搭載されるプロセッサはTegra 3のARROWS X F-10Dを含めてすべてデュアルコア以上で構成されている。OSは前述のとおりすべてAndroid4.0。
●Galaxy S III Samsung製。Galaxy Sシリーズとしては初めておサイフに対応する。海外版では独自のクアッドコア「Exynos 4 Quad」を採用していたが、国内版ではQualcommのSnapdragon S4ベースのデュアルコアCPU「MSM8960」となっている。本体色はブルー、ホワイトの2色で展開される。
●ARROWS X F-10D
富士通モバイルコミュニケーションズ製。NVIDIAのクアッドコアCPU「Tegra3」を搭載するハイスペックモデル。液晶パネルのサイズは約4.6型。おサイフ、ワンセグ、赤外線の全部入り。おくだけ充電にも対応。本体色はブラック、ホワイト、ブルーの3色展開。
●REGZA Phone T-02D
富士通モバイルコミュニケーションズ製。最新のモバイルレグザエンジンを搭載し、REGZAブランドでNOTTVに対応する映像コンテンツ重視ともいえる製品。ワンセグ、おサイフ、赤外線をサポート。本体色はブルー、ブラック、ピンクの3色が用意される。
●AQUOS PHONE ZETA SH-09D
シャープ製。約4.7型のパネルを搭載する。新開発のパネルで独自ののぞき見防止機能なども備える。おくだけ充電にも対応する全部入りケータイ。製品カラーはホワイト。
●AQUOS PHONE sv SH-10D
シャープ製。NOTTV対応の製品。
●Xperia GX SO-04D
ソニーモバイルコミュニケーションズ製。キャリアより先行して製品発表の行なわれたXperiaの新モデル。Xperiaとしては初めてXiに対応する。ワンセグ、赤外線には非対応でグローバルモデルに近いが、FeliCaによるおサイフ機能は搭載している。カラーはブラックとホワイトの2色。
●ELUGA power P-07D
パナソニック製。2月にバルセロナで開催されたMobile World Congress(MWC)において、パナソニックのグローバル向けブランドとして発表された「ELUGA」が国内市場にも登場する。パネルサイズは約5.0型と大型。おサイフ、防水対応。カラーはブラックの1つのみ。
●Optimus Vu: L-06D
LGエレクトロニクス製。スマートフォンとしては珍しいアスペクト比4:3の約5.0型液晶を搭載。タッチペン入力も可能な製品。2月のMWCではグローバルモデルとして発表されたが、日本市場向けにはおサイフ、ワンセグ、赤外線のすべてと、NOTTVまでも搭載して投入される。カラーはブラック。
また、コラボレーションモデルとして「L-06D JOJO」が発売される。製品名のJOJOから想像できるように、少年ジャンプに長期連載されている荒木飛呂彦氏による「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの世界観とコラボレート。本体には書き下ろしイラストとサインがプリントされるほか、オリジナル壁紙やコミックス、専用アプリなどをプリインストイールして発売される。
●withシリーズ
NEXTシリーズが「先進的で自分の可能性が拡がる」という位置づけであるのに対して、withシリーズは「親しみやすく毎日の楽しさが広がる」とされており、言うならば普及帯の製品群となる。こうした普及帯にも、「Xi(クロッシィ)」対応モデルが用意される。今回発表された7機種中の3機種がXi対応製品だ。
今回のwithシリーズの共通点としてはいわゆるフィーチャーフォン(iモード携帯)の特徴だった「おサイフ、ワンセグ、赤外線」をもれなく搭載していることがあげられる。防水機能もXperia SX以外の6製品で対応する。おくだけ充電への対応は3機種、NOTTV対応製品も1機種含まれている。
冒頭で述べたとおり、今夏のラインナップにフィーチャーフォンの新製品はなく、スマートフォンへの移行が1つのテーマになっている。普及帯であるwithシリーズには、スマートフォンの基本が操作しながら学べる専用ウィジェットがプリインストールされる。
●MEDIAS x N-07DWithシリーズに含まれているが、Xi対応の3機種はいずれも1.5GHzデュアルコアプロセッサを搭載するなど、スペック上はNEXTシリーズとさほど遜色はない。
4色のラインナップとキャップレスの防水機能が特徴。
●Xperia SX SO-05D
重量95gと、最軽量のXi対応スマートフォン。カラーも4色が揃う。
現在、発表会は継続しており、その模様と各製品の詳細は続報する。
(2012年 5月 16日)
[Reported by 矢作 晃]