レノボ、2万円を切る7型Androidタブレット「IdeaPad Tablet A1」
~13.3型、1.32kgのUltrabook「IdeaPad U300s」も

IdeaPad Tablet A1

10月13日 発表



 レノボ・ジャパン株式会社は13日、7型液晶搭載のAndroidタブレット「IdeaPad Tablet A1」、13.3型Ultrabook「IdeaPad U300s」、14型モバイルノート「IdeaPad U400」を発表した。

 IdeaPad Tablet A1の主な仕様は、CPUがTI OMAP 3622 1GHz、メモリが512MB、ストレージは2GBあるいは16GB、液晶が1,024×600ドット表示対応7型、OSがAndroid 2.3。

 インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth、microSDカードスロット、microUSB、前面に30万画素、背面に300万画素のカメラなどを備える。センサー類は、GPS、加速度センサー、光センサーを内蔵。

 GPSについては、Navdroydというアプリにより、ローカルに任意の地域の地図を保存可能。加えて、Wi-Fiや3Gなどの接続をすることなく、GPSだけを使って、ナビゲーションすることができる。なお、標準収録地図は不明だが、有料の地図もある。

 バッテリ駆動時間は、標準的な使い方で約7.2時間。本体サイズは195×125×11.95mm(幅×奥行き×高さ)、重量は400g。本体色はパールホワイト、カーボンブラック、コバルトブルー、ホットピンクの4色(ストレージ2GBモデルはブラックのみ)。筐体は、ThinkPadシリーズで培ったマグネシウムロールケージ構造を採用し、モバイル環境での堅牢性を確保した。

 発売は10月28日。実売価格は2GBモデルが2万円を切る程度、16GBモデルが25,000円前後となる見込み。

 純正オプションとして、保護カバー、スクリーン保護シール、本製品をカーナビとして使うための、車載マウント、シガーソケットチャージャーなども用意する。

IdeaPad Tablet A1
ホームアプリは独自のLenovo Lucky Launcher左側面に電源ボタンと音声入出力兼用端子右側面にmicroSDカードスロット、microUSB、スピーカー
下面にはなにもなし上面に回転ロックスイッチと音量ボタンパールホワイト、カーボンブラック。製品を持っているのはプロダクトマネージャーの櫛田弘之氏
コバルトブルーとホットピンク。なお、テープは展示機固定用のもので、製品にはつかない背面カバーを外したところ。展示機のバッテリ容量は3,700mAhとなっていた
無線なしでもGPSのみの接続でナビができるアプリが付属オプションのカバー車載マウントとチャージャー

 IdeaPad U300sは、同社初のUltrabook。発売は11月下旬で、まだ一部の仕様詳細は明らかにされていない。店頭予想価格は15万円前後の見込み。

 主な仕様は、Core i7-2677M(1.8GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ最大4GB、256GB SSD、Intel QS67 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応13.3型液晶、Windows 7 Home Premium(64bit SP1)などを搭載。同社では、CPUは超低電圧版だが、性能は通常電圧版に肉薄しており、グラフィックスについては前世代のものよりも3倍以上に伸びており、ゲームにも対応できるとしている。

 インターフェイスはUSB 2.0、USB 3.0、HDMI出力などを装備。横から見るとほぼ平らで、本体の厚さは14.9mm(最薄部)、重量は1.32kg。既存の12.5型である「U260」より液晶は大きくなっているにもかかわらず、厚さは約4mm薄くなり、重量も約100g軽くなっている。

 本製品の筐体も堅牢性で定評のあるマグネシウムロールケージを採用。本体色については、見栄えのするクレメンタインオレンジとしたほか、天板と背面はアルミ製の継ぎ目がない一体構造で、背面にもねじ穴や通風口がないなど、デザインにも配慮した。タッチパッドはガラス製で、従来よりスムーズな操作が可能としている。また、廃熱制御によりパームレスト付近の温度は30℃前後に抑えられている。

 そのため、バッテリは固定式となるが、U260が駆動時間約4時間だったところ、U300sは2倍の約8時間を実現。さらに、30分の充電で約3時間使える急速充電に対応する。

IdeaPad U300s
額縁やキーボードはブラック系。キーボードは英語版右側面に、音声出力、USB 3.0、HDMI、電源。薄さが際立つ左側面に、USB 2.0
キーボードはアイソレーションタイプ天板と背面は継ぎ目のないアルミ製一体構造。背面にもねじ穴などがない。ロゴなどは刻印されている
タッチパッドはガラス製で大型筐体はロールケージ構造表面が熱くならない設計
バッテリは急速充電が可能通常電圧版との性能比較旧世代CPUとのグラフィック性能比較

 IdeaPad U400は、14型で光学ドライブを内蔵しながら、モバイル用途にも対応可能な薄型軽量ノート。発売は11月下旬。店頭予想価格は10万円前後の見込み。

 主な仕様は、Core i5-2430M(2.4GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ最大8GB、500GB HDD+32GB SSD、Intel HM65 Expressチップセット、1,366×768ドット表示対応14型液晶、同社初となるスロットイン式DVDスーパーマルチドライブ、Windows 7 Home Premium(同)を搭載。

 インターフェイスは、USB 2.0×2、USB 3.0、HDMI出力、LANなどを装備。横から見るとほぼ平らで、厚さは22.6mm(最薄部)、重量は1.98kg。U300s同様、天板から背面まで一体構造。キーボードは、防水でありながら通気性があり、キーを通して熱を分散。また、人間工学に基づいた設計で、ミスタイプを減らすとしている。本体色はグラファイトグレー。

IdeaPad U400
こちらも英語版右側面に光学ドライブ、USB 2.0×2、HDMI出力、音声出力左側面に、LAN、USB 3.0
こちらもキーボードはアイソレーションで、タッチパッドはガラス製背面CPUは通常電圧版

●コンシューマ市場でのブランド力向上を目指す

 13日に行なわれた発表会では、同社代表取締役社長ロードリック・ラピン氏らが、業績や今後の戦略について説明した。まず、ラピン氏は、同日午前中にIDCが出した速報値として、LenovoがDellを抜きシェア世界2位になったことを告げた。

 国内市場について、同社はNECとの合併により、向こう3年で国内シェア30%の獲得を目標に掲げている。レノボ単体の業績は、順調に右肩上がりで伸びているものの、ビジネス向けであるThinkPadや、低価格製品のイメージがまだ強いため、コンシューマ市場でのブランド力や、顧客満足度の改善を目指し、積極的な訴求活動を行なう。

 具体的には、すでに発表されている、ブランドアンバサダーで元サッカー日本代表の中田英寿氏とのTV CMや街頭広告などでの協業に加え、ショップインショップであるレノボカスタムショップの増強、女性誌とのタイアップや、表参道でのIdeaPad U300s体験カフェオープンなどを企画している。

 発表会にはゲストとして、多国籍なバックグラウンドを持つ歌手のMay J.さんが登場。黒のドレスに赤い帽子というThinkPadカラーで登場したMay J.さんは、IdeaPad U300sについて、「見た目がファッショナブルで、軽くて良いですね」と気に入った様子だったが、そのままU300sをレノボから贈呈され、移動中に思いついた歌詞を書き留めたり、リハーサルのビデオの確認などに使いたいなどと語った。

ロードリック・ラピン氏プレゼンではまだ世界3位となっているが、この日2位になったとの速報が発表された国内でも順調にシェアを拡大
さらなるシェア拡大のための重点施策May J.さんThinkPadに合わせた出で立ちで登場した

(2011年 10月 13日)

[Reported by 若杉 紀彦]