ニュース
NIMS、大気中で実用動作する「真」のリチウム空気電池技術を開発
2026年5月15日 11:08
国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)の野村晃敬氏および伊藤仁彦氏らのグループは5月12日、「本当に空気でうごく」とするリチウム空気電池の電極技術を開発したと報告した。論文は学術誌Science and Technology of Advanced Materialsにて掲載され、Materials Data Repository(MDR)にて公開されている。
リチウム空気電池は、リチウムイオン電池を超える高エネルギー密度の電池として期待されている。しかし、空気電極のガス表面で局所的に起こされる酸素還元反応により電極が不活性化され、酸素濃度の低い大気中では発電が早期に停止してしまい、実際の動作は高濃度酸素中に限定されていた。
今回、その空気電極にカーボンナノチューブ(CNT)とカーボンペーパー(CP)ガス拡散層(GDL)を組み合わせた「CNT-CP電極(ガス流路一体型CNT電極)」を開発して適用。この構造では、CNTとCPの間に階層的な細孔構造が形成されるのだが、これにより連続的に酸素を吸入でき、酸素還元反応による電極の不活性化を防げる。このため、大気中の酸素環境下でも大容量放電や高出力放電が可能となった。
研究で、CNT-CPのカソードとリチウム箔アノードを複数積層させたリチウム空気電池で検証したところ、大気中において0.1Aの電流で1.6Ahの容量を発揮し、48W/kgの電力密度で740Wh/kgのエネルギー密度を実証。研究チームではこれを「大気中の酸素を利用した実用的な電力出力を実現した、真のリチウム空気電池を実証した最初の研究事例」としている。





















