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1,000Wh級で世界最小/最軽量を謳うポタ電など、EcoFlowから新製品

 EcoFlowは10月30日に新製品発表会を開催し、従来製品から約30%の小型化を実現したポータブル電源「DELTA 3 1000 Air」を含む5製品をお披露目した。ともに11月6日に発売する。

DELTA 3 1000 Air

DELTA 3 1000 Air

 DELTA 3 1000 Airは、960Whと大容量ながら小型/軽量で扱いやすいデザインを採用したポータブル電源。価格は8万7,700円。

 同容量帯の従来製品と比べて約30%小型化し、重量を約10kgに抑えた点が大きな特徴。1,000Whクラスのポータブル電源で世界最小/最軽量を謳う。グリップ部を本体内側に収めるなど出っ張り部分を排除することで、フラットなキューブ型デザインを実現。端子の多くを前面に配置し、横置きも可能な設計としたことで、使用場所や設置場所の自由度が大幅に向上した。

 バッテリセルにはリン酸鉄リチウムイオン(LFP)を採用。セルを本体フレームに直接実装するCTC(セル・トゥ・シャーシ)構造により耐震性を高めているほか、プラスチックの難燃性評価基準で最も厳しいUL94-5VAに準拠する素材を外装に使用し、耐火性も確保した。

 加えて、過電圧や過負荷、過熱、短絡など7種類の保護機能を装備。バッテリマネジメントシステム(BMS)による常時監視機能も搭載している。専用アプリとの連携による遠隔操作やモニタリングにも対応する。

 出力ポートは、AC(最大500W)、USB Type-C(最大18W)、USB Type-A(最大12W)。ACの定格出力は500Wだが、独自のX-Boost機能により最大800Wの製品の駆動も可能となっている。

 満充電時間はACで約2.7時間、ソーラーで約2.5時間、Alternator Chargerで約2.1時間(いずれも500W入力時)、シガーソケットで約10時間(100W入力時)。20ms未満での電源自動切替にも対応する。

 本体サイズは220×223×263mm、重量は約10kg。

前面
出っ張らないデザインのグリップ
横置きも可能

DELTA 3 Ultra/Ultra Plus

DELTA 3 Ultra

 「DELTA 3 Ultra」および「DELTA 3 Ultra Plus」は、3,072Whの大容量と定格3,000Wの高出力が特徴のハイエンドポータブル電源。価格はそれぞれ34万9,800円、36万9,800円。

 両機種ともに、家屋の切替分電盤と接続することで、簡易的な家庭用蓄電池として使えるのが特徴。ソーラーパネルなどと組み合わせて節電に活用できるほか、停電時に本機から家に給電することもできる。10ms未満での電源自動切替にも対応している。

 一方で、本体にはキャリーハンドルとキャスターも備えており、電源がない場所に持ち運んで使うことも可能。車に載せて持ち出したり、災害時の非常用電源として活用したりできる。

 加えて、CTC構造による耐震/耐衝撃性能も特徴としており、0.2mからの落下や100kgの面荷重にも耐えられる設計になっているという。

 また、上位モデルのDELTA 3 Ultra Plusは、4つのACポートを2系統に分けてコントロールする分割出力機能に対応。容量拡張用の4ピンコネクタも備えており、2台までの拡張バッテリを接続して、最大11,264Whの超大容量電源を構築できる。

 共通の出力ポートは、AC 4基(最大2,000W)、L6-30(最大3,000W)、USB Type-C 3基(最大140W 1基、最大45W 2基)、USB Type-A(最大18W)、シガーソケット(最大126W)。DELTA 3 Ultra Plusではこれらに加えてアンダーソン(最大378W)も備える。

 ACでの満充電時間はともに約2.6時間(1,500W入力時)。リン酸鉄リチウムイオン(LFP)を採用。

 本体サイズ/重量は、DELTA 3 Ultraが626×328×395mm/約32.7kg、DELTA 3 Ultra Plusが613×328×395mm/約33.7kg。

DELTA 3 Ultra
DELTA 3 Ultra Plus

Alternator Charger 600/Plus 1000

Alternator Charger 600(左)、Alternator Charger Plus 1000(右)

 「Alternator Charger 600」および「Alternator Charger Plus 1000」は、車の走行中やアイドリング中の発電を利用して充電できる車載充電器。価格はそれぞれ7万円、9万9,000円。

 Alternator Charger 600は、最大600Wの出力が可能。XT60コネクタを採用する出力ケーブルが付属しており、他社製のポータブル電源への充電にも使用できる。別売のXT150出力ケーブルを用意すれば、車のバッテリへ充電する逆充電モードなども利用可能となる。

 Alternator Charger Plus 1000は、最大1,000Wの高出力モデル。車の発電機からだけでなく、ソーラーパネルから本機へ最大300Wで充電する機能をシリーズで初めて搭載した。本機とソーラーパネルからの電力を合わせて出力することもでき、停車中でも急速給電が可能。逆充電モードも備える。

防災やアウトドアなど幅広い国内ニーズに対応。日本ポータブル電源協会会員としての取り組みも

Paul Liu氏

 新製品発表会では、EcoFlow日本地域統括責任者のPaul Liu氏が冒頭で挨拶。同社は創業以来、安全かつクリーンで便利な電力ソリューションを提供することに注力。グローバルでのポータブル電源市場は2024年までに32億ドル規模にまで拡大しており、その中で同社は業界をリードするブランドへと成長したと語った。

 日本は欧米に続く主要な市場であり、安全性や環境基準、耐久性といった点で製品への要求レベルが高い地域でもあると説明。その上で、防災やアウトドア、日常利用といった日本国内でのニーズに応える安全安心な製品を提供していきたいと述べた。

長浜修氏

 続いて、同社危機管理対策部部長・RV事業部部長の長浜修氏が登壇。新製品群を紹介するとともに、長浜氏が理事を務め、同社が正会員として参加している日本ポータブル電源協会(JPPSA)の取り組みについても触れた。

 JPPSAでは現在、経済産業省とともにポータブル電源専用のJIS規格の策定を進めており、早ければ2026年の春にも準備が整う見込みだという。こういった取り組みを通じて、危険な製品が市場に出回ることを防ぎ、国内の消費者を守ることもメーカーの責務だと説明した。

発表会では、MCを務めた森風美氏とゲストとして登壇したYouTuberのやぎちゃん氏によるトークセッションも行なわれた
キャンプを想定した展示も行なわれていた