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これぞ「描くために生まれた」高性能タブレット。スナドラ8s Gen 3に14型OLED搭載機がワコムから

右: MovinkPad Pro 14、左: 下位モデルのMovinkPad 11

 ワコムは9月26日、都内にて関係者向けの製品発表会を行ない、Android OS搭載の14型タブレット「MovinkPad Pro 14」を発表した。価格は14万4,980円。発売時期は後日アナウンスするとしている。

 MovinkPad Pro 14は、「描くために生まれた高性能ペンディスプレイ」を謳うAndroidタブレット。プロを目指す人やプロクリエイターなど、本格的な描画体験を必要とするユーザーがターゲットだという。

絵を描くことに特化した構成
イラストレーターのサイトウユウスケ氏が登壇、MovinkPad Pro 14を用いたイラスト制作の様子を実演した

 Androidタブレットとしての仕様は、OSがAndroid 15、ディスプレイが14型のQWXGA+(2,880×1,800ドット)OLED、CPUがSnapdragon 8s Gen 3、メモリが12GB、ストレージが256GBなど。今年7月に発売された下位モデルの「MovinkPad 11」が、IPSパネルやHelio G99を搭載するエントリー~ミドルレンジのAndroidタブレット然とした構成となっているのに対し、ほぼ別物といって良いハイエンド構成に仕上がっている。

 付属品には最新型のWacom Pro Pen 3が同梱。8,192段階の筆圧検知と最高0.005mm(5,080lpi)の読取分解能を持ち、またペン本体はパッテリレスで電池切れを気にせず使用できる。ペンはすべて工場出荷時にキャリブレーションが施され、均一な品質が保たれるという。

後述する純正カバーを装着したMovinkPad Pro 14。ペンは本体にマグネットで吸着している。画面に表示されているのは同じく後述するWacom Canvasで、非常にシンプルなUIとなっている

 全体的にイラスト制作を第一優先とした作りとなっていて、ディスプレイ表面には光沢/反射/指紋防止加工が施されており、映り込みや指紋を気にすることなく創作に打ち込める。またこれらの加工による画面のちらつき、ぎらつきも低減しており、表示された色味を損なわない。

下から2番目のタブレットがMovinkPad Pro 14。他社製品と比較し、反射が押さえられている
下のタブレットがMovinkPad Pro 14。バックライトによる光の漏れ出しがなく、深い黒を表現できる

 マルチポイント対応のディスプレイは、ペン使用中に手のひらが意図せず画面に触れても誤動作しにくいよう、入念に調整されている。120Hzのリフレッシュレートにより、描画がペン先に滑らかに追従する。

 MovinkPad 11に搭載されていたシンプルなドローイングアプリ「Wacom Canvas」と、スリープ状態から即座にWacom Canvasを起動できる機能「Quick drawing」はMovinkPad Pro 14でも続投。前モデルからさらに進化し、ペン先を画面に近づけるだけでWacom Canvasが起動する。これにより、アイデアを逃さず作品に落とし込める。また、Wacom Canvasで作成したイラストはそのまま「CLIP STUDIO PAINT」シリーズへ移行でき、背景の透過処理なども自動で行なわれるため、シームレスに作業を継続可能だ。

 プリインストールアプリとして、以下のCLIP STUDIO PAINTシリーズおよびWacom純正アプリが入っている。

  • CLIP STUDIO PAINT DEBUT 1年ライセンス
  • CLIP STUDIO PAINT EX 3カ月ライセンス
  • Wacom Canvas
  • Wacom Shelf
    BMP形式やCLIP形式のファイルなどにも対応した、デバイス内の画像を一覧表示するアプリ
  • Wacom Tips
    動画を交えたマニュアルアプリ
  • Wacom Lab
    ベータ版サービスの開発・テストを行なうアプリ

 Wacom Labで実験中の機能第1弾として、MovinkPad Pro 14をPCに接続して液晶タブレットとして使える「Instant Pen Display Mode」が搭載されている。これにより、WindowsやMacでしか使用できないソフトウェアもMovinkPad Pro 14を通じて利用できる。この機能を利用するには、MovinkPad Pro 14本体とPCが有線(USB 2.0)接続されている、もしくは同一のネットワークに接続している必要がある。なお、映像の伝送にはDisplayLinkなどとはまた別の独自技術を用いているという。

Instant Pen Display Mode使用中の様子
Windows側から外部ディスプレイとして認識されている
ネゴシエーション中の画面。同一ネットワーク上のPCと接続可能

 そのほかディスプレイの主な仕様はアクティブエリアは302×189mm、最大輝度は通常400cd/平方m、ピーク900cd/平方m、コントラスト比は10万:1、色域はsRGB比100%、DCI-P3比100%。

 インターフェイスはUSB 2.0 Type-C、microSDカードスロット、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.4。Movink 11では非搭載だったmicroSDカードスロットに対応し、単純なストレージの拡張のほか、カメラで撮影したデータをその場でMovink Pro 14に読み込むなど、使い方の幅が大きく広がる。

 本体サイズは323×210×5.9mm、重量は699g。バッテリ容量は10,000mAh。IP52の防塵防水に対応する。

背面。平置きした際に邪魔にならないよう、カメラなどの突起がないフラットな作りになっている
背面四隅にはゴム脚が設けられている

 オプションとして、専用カバーが後日発売予定。

カバーは本体下部にマグネットで装着する
カバー装着状態
オプションのUSB Type-Cケーブル(箱)、USB充電器、ペン用クレードル
右端がMovink Pro 14付属のペン。太くするグリップオプション、重量や重心を調整する重りオプションなどが提供される
ワコムから展開中の、文具を模したペンも利用可能