ニュース

NVIDIA、RTX 5080が使えるGeForce NOWをIFAでデモ。新AIモデルのProject G-Assistなども展示

GeForce RTX 5080に強化されたGeForce NOW

 NVIDIAは、9月5日からドイツ・ベルリン市で開催されたIFA 2025に合わせて、GeForceシリーズ向けの最新ソリューションなどのデモを行なった。NVIDIAは、8月26日から30日に同じくドイツ・ケルンで開催されたgamescom 2025で、新しいGeForce向けのAIやゲーミング向けツールなどを発表しており、今回のデモではそうした最新のソリューションを紹介している。

 その中でNVIDIAは、GPUをBlackwell世代にアップデートしたクラウドゲーミング「GeForce NOW」のデモなどを行なった。

GeForceがクラウドベースで利用できるGeForce NOWがBlackwell対応に

NVIDIAのGeForce NOWのデモシステム、ドイツのサーバーに接続してGeForce RTX 5080が利用できている

 NVIDIAは、同社のクラウドゲーミングソリューション「GeForce NOW」のアップデートを行なった。GeForce NOWは、NVIDIAなどが運営するクラウドサーバーに格納されたGeForceに、クライアントデバイスからインターネット経由でアクセスし、クラウド側でレンダリングされた動画をストリーミングで受信してゲームプレイできるという仕組みになっている。

クライアントデバイスとしてMac miniが利用されていた

 このGeForce NOWは、これまでGeForce RTX 40シリーズ(Ada Lovelace)のGPUが採用されてきた。しかし、2025年1月にNVIDIAがGeForce RTX 50シリーズ(Blackwell)を発表しており、既に市場で製品も販売されている。その意味で、GeForce NOWもBlackwellファミリーへの移行が期待されてきた。

 NVIDIAによれば、GeForce NOWで導入されるBlackwellはGeForce RTX 5080になる。NVIDIA自身がホストしているGeForce NOWでは、UltimateとPerformanceという2つの有料プランがあるが、GeForce RTX 5080が利用できるようになるのはUltimateプランを契約しているユーザー。Performanceプランを契約しているユーザーはGeForce RTX 4080へと切り替えられる。

 この切り替えはクラウドリージョン単位で行なわれる予定で、まずは9月10日からドイツのフランクフルトリージョンで契約しているユーザーがGeForce RTX 5080などに切り替わる。その後ほかのリージョンも2025年末までに順次切り替わっていく。

DLSS 4の対応ゲームが増えたこともアピールされていた

 今回NVIDIAは、このGeForce RTX 5080が利用できるGeForce NOWを、Mac mini上で動かしているクライアントからアクセスして遅延なく動く様子をデモした。

Project G-Assistはメモリ使用量を抑えたAIモデルを新たに採用。最低6GB VRAMのGPUで動作

Project G-Assistは新しいAIモデルが導入され、ノートPC向けGPUのように、VRAMが充分ではない環境でも動作するようになった

 NVIDIAは、ゲームプレーヤー用の会話型AIボットとなる「Project G-Assist」のアップデート版を最近発表している。従来と同じ応答速度を実現しながら、VRAMの使用量を40%削減する新しいAIモデルが導入された。これによりVRAMの要件が6GB以上にまで緩和され、これまではVRAM不足だったノートPC用のGPUなどでもProject G-Assistが利用できるようになっている。

 また、「G-Assist Plug-In Hub」と呼ばれる、サードパーティなどが開発したプラグイン機能をG-Assistに組み込むことが可能になった。加えて、GPUの利用率などをビジュアル的に表示する仕組みが用意され、G-Assistに音声でお願いすることで、現在の利用状況などを可視化できるようになる。

Project G-Assistにプラグインを導入できるようになった
GPUの利用率をグラフして表示する機能などが追加されている

 ほかにも、NVIDIAの推論ソフトウェア環境「NIM」を利用した「3D Object Generation」のデモも行なわれた。これは、テキストから3Dオブジェクトを生成し、その3Dオブジェクトを空間に配置した上で、さらにこんな画像を作成してほしいとテキストでAIに指示を出すと、作った3Dシーンと指示に沿った画像を生成してくれる機能。

 画像生成だとテキストでかなり細かく指示を出しても、望んだ画像がなかなか作れないという課題があるが、3D Object GenerationではAIを利用して3Dオブジェクトを生成し、それを使ってある程度配置や場所などを決めた後、テキストで生成してほしい画像の指示を出すので、ユーザーが望んでいる高度な画像を生成しやすくなる。従来なら3Dの画像ツールを使って行なう必要があった作業が、大まかな物体の位置などを指定してプロンプトを入力するだけで生成できるようになる。

3Dオブジェクトを生成
それを3D空間においていく
プロンプトで指示を出す
格好良い3D画像を、3Dツールを使いこなせなくても簡単に作成できる