ニュース
Adobe、一眼レフのような自然な写真が撮れるiPhone向けカメラアプリ
2025年6月23日 16:03
Adobeは、一眼レフカメラのような自然な写りの写真を撮影できるというカメラアプリ「Project Indigo」を開発した。現時点では実験的なアプリとなっており、iPhone向けに提供を開始している。
スマートフォンのカメラはセンサーやレンズなど、さまざまな改善が行なわれてきたが、望遠や動体の撮影品質、明るすぎたり彩度が高すぎたりするといったスマートフォン特有の写り、マニュアルでの撮影設定やRAW撮影ができない点などにおいて、趣味やプロのカメラマンのニーズを満たせていないという。
Project Indigoは、そういった課題の解決を目指したカメラアプリ。コンピュテーショナルフォト技術を活用し、一般的なカメラアプリより大幅に露出を抑えて最大32フレームを撮影/合成することで、ハイライトの飛散やシャドウのノイズを抑える。また、自然なテクスチャをより保持できるという。
加えて、トーンマッピングや彩度の向上、シャープニングの適用量を抑えることで、一眼レフカメラのような自然な写りの写真を実現。同社のAdaptive Colorプロファイルに似た写りとなっており、Camera RawやLightroomとの互換性も持つ。
ファイル出力はJPEGに加えて同社のRAW形式であるDNGに対応。DNGは複数のフレームを合成し、高ダイナミックレンジと低ノイズを実現した。一方でJPEGはデバイスによってSDRまたはHDRの表示ができるハイブリッドSDR/HDR形式で出力する。
そのほか、常にRAW画像を撮影してシャッターを切った際の遅延を抑えるゼロシャッターラグ、一定倍率以上の望遠撮影時に、自然な手ぶれを利用して微妙に画角の異なる画像を連続で複数撮影し、鮮明な1枚を生成するマルチフレームスーパーレゾリューションといった機能も搭載。フォーカス、シャッター速度、ISO、露出補正、ホワイトバランスの調整といったマニュアル撮影設定も可能で、フレーム合成機能を通常のノイズ抑制などではなく、単純な合成機能として使える長時間露光モードも用意している。