イベントレポート

AMD、Intel、NVIDIA、Qualcommのトップが集結。Lenovo基調講演で語られたこと

LenovoがSphereで開催した「Lenovo Tech World at CES 2026」。中央下に豆粒のように見えるのがLenovo CEOのヤンチン・ヤン氏

 LenovoはCESの開幕初日となる1月6日(現地時間)に、「Lenovo Tech World at CES 2026」と題した基調講演を開催。同社CEOのヤンチン・ヤン氏が登壇した。

パーソナルAIのQiraがアピールされる

LenovoのCEOであるヤンチン・ヤン氏(写真提供: Lenovo)

 CESの基調講演は、通常はThe Venetianホテルの宴会場(英語でいうとBallroom)のうち、5階にある一番大きな宴会場(Palazzo Ballroom)で行なわれるのが一般的だ。今年でいうと、AMD CEOのリサ・スー氏による前日基調講演、シーメンス CEOのローラン・ブッシュ氏による開幕基調講演などはいずれもThe Venetianで行なわれた。

円形劇場Sphere

 それに対して、昨年のCES 2025から始まったのが、初日の夕方に円形劇場Sphereで行なわれる基調講演だ。

 Sphereは、CESのメイン会場の1つである「The Venetian Expo」に隣接して作られた、半球体の外観を持つ劇場だ。通常は半球面のスクリーンと、椅子に組み込まれたハプティックデバイスや匂いを提供するデバイスなどを利用して、人間の感覚に訴えるような映像体験を提供できるシアターとして注目されている。Sphereではそういった機能を利用して、新しい形の基調講演を提供するというコンセプトで行なわれている。

 昨年のCES 2025では米国の航空会社デルタ航空 CEOのエド・バスティアン氏による基調講演が行なわれ、今年のLenovoの基調講演で2回目となる。

 なお、Sphereでの基調講演は、Sphere側の制約で、6×6インチ(152.4×152.4mm)以上のカバン、PCやカメラなどは持ち込めないという制限が課されており、観客はCESの会場などで荷物を預ける、あるいは宿泊しているホテルに戻ってカバンを置いてきてから参加する必要があるといったやや面倒な点があるのだが、Sphereの席がほぼ満席(公式には約2万人とされている)になっているなど、多くの観客を集めていた。

 今回の基調講演の中で、Lenovo CEOのヤン氏はThinkPadシリーズ、そしてサーバー製品などでおなじみのLenovo各種製品に関して多彩なゲストを織り交ぜながら説明した。

Qiraのロゴ

 中でも大きく時間を割いたのが、クロスプラットフォームのパーソナルAIとして提供する「Lenovo Qira」だ。ヤン氏は「我々は最初のパーソナルAIとしてQiraをリリースする」と述べ、Qiraのデモを行なった。

 Qiraは、PC、スマートフォン、タブレット、そしてウェアラブルなど、デバイスやプラットフォームを問わず動作することが特徴だ。ChatGPTやGeminiなどの一般的なAIが「パブリックAI」と呼ばれるのに対して、Qiraは「パーソナルAI」と呼ばれ、ユーザー一人ひとりに特化したAIになることが大きな違いになる。

 従来のパブリックAIが、一般用途向けに作られたAIモデルがベースになっているのに対して、パーソナルAIのQiraではユーザーが作成した文章の文脈の前後などを読み取って、個人に特化したサービスを提供する。

Qiraのデモ

 今回の基調講演ではQiraのデモが行なわれ、QiraがLenovoユーザーにとって大きなイノベーションになるとアピールしていた。

半導体メーカー4社のCEOや、FIFA会長などの多彩なゲストが登壇

講演の最後には、NVIDIAのフアンCEOを除く全出演者が集合

 ヤン氏の講演には多彩なゲストが呼ばれており、特に注目を集めたのは、Lenovo製品に半導体を提供している半導体メーカー4社(AMD、Intel、NVIDIA、Qualcomm)のトップが全員出演したことだ。

NVIDIA CEO ジェンスン・フアン氏(右)
Intel CEO リップ・ブー・タン氏(右)(写真提供: Lenovo)
今回のCESで発表されたIntel Core Ultraシリーズ3
Qualcomm CEO クリスチアーノ・アーモン氏(右)
AMD CEO リサ・スー氏(写真提供: Lenovo)

 登場順にNVIDIA CEO ジェンスン・フアン氏、Intel CEO リップ・ブー・タン氏、Qualcomm CEO クリスチアーノ・アーモン氏、AMD CEO リサ・スー氏の4名で、いずれも自社製品を採用したLenovo製品について話をした。

 たとえば、Intel CEOのタン氏は、今回Intelが発表したばかりのCore Ultraシリーズ3(開発コードネーム: Panther Lake)を搭載したLenovoの新製品などについて話した。また、AMD CEOのスー氏は、LenovoのEPYCプロセッサ搭載サーバー製品などについて説明した。

FIFA 会長 ジャンニ・インファンティーノ氏(右)
LenovoはFIFAのオフィシャルテクノロジパートナー

 ヤン氏は、Lenovoが積極的に取り組んでいる、プロスポーツとのコラボレーションについても説明した。Lenovoは、近年F1と公式パートナー契約を結んでおり、F1のデジタル放送やデータサービス(アプリ経由でライブタイミングなどのデータを提供するサービス)の基盤となるハードウェア(ワークステーションやサーバー機器など)の提供中。今年もその契約が継続される。

 さらに、サッカーの4年に1度の祭典となる「FIFA World Cup 2026」では、LenovoがFIFAのオフィシャルテクノロジパートナーとして、「Football AI Pro」というAIのサービスをLenovoデバイス経由で提供する。Football AI Proでは選手の3Dアバターを生成し、オフサイド判定リプレイなどで活用。選手の体格や寸法を正確に再現し、視覚的な理解を強化するなどの機能が用意されている。

 今回の講演にはFIFA会長のジャンニ・インファンティーノ氏がゲストとして呼ばれ、FIFAとLenovoの取り組みが、今年のFIFA World Cupの成功に不可欠だと説明した。

 なお、今回LenovoはPCやスマートフォンなどにFIFA World Cup 2026モデルを設定したことを明らかにしており、motorola razrなどのロゴ入りモデルなどが発表されている。

会場には各国代表などのユニフォームやボールなどが展示された
Lenovo製品にワールドカップのロゴが入って販売される
展示会場で展示されていた初代ThinkPad(1992年に発売)、黒い弁当箱と一緒に展示された