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富士通、人生を楽しむ大人世代のための「GRANNOTE」説明会
~「LIFEBOOK TH」は日本メーカーの技術で構成
(2014/2/4 16:05)
富士通株式会社は4日、FMVシリーズ新製品を発表し、本社で製品説明会を開催した。製品の詳細、発売時期などは関連記事をご覧いただきたい。
富士通株式会社 ユビキタスビジネス戦略本部 パーソナルプロダクト統括部 統括部長 永田泰三氏が説明にあたった。
「GRANNOTE」(AH90/P)は、「人生を楽しむ大人世代のため」の製品とし、人生を豊かにするサービス、使いやすい&疲れにくい、満足させる感性品質の3つをポイントに挙げた。60歳前後の世代では半数以上がPCを使っているというデータもあり、「買っていただいてから使いやすいパソコンは何か」を考えたという。
この世代の使い方はインターネットが中心で、ショッピングやSNSを楽しみたいという意見が多いが、まだ障壁があるという。また、年齢を重ねると厳しくなっていく体力面でのサポートとして使いやすく、疲れにくいものを科学的、医学的に追求。また、買ってから良いなと思ってもらえるデザインを目指したという。
“人生を豊かにするサービス”では2つの回答を用意。ライフスタイルや価値観を徹底的に調査し、やりたいことを追求でき、興味やニーズに合わせたWebサービスを厳選したのが「GRANNOTEサービスパック」、SNSよりもより安全なコミュニティを提供するのが「らくらくコミュニティ」となる。
前者はインターネットのショッピング/サービス/テーブルゲームなどを集め、本当に使ってもらうために、そこへ踏み出す助けとなるサービス。現実問題として、最初の煩雑な登録作業で使うのをストップしてしまう人が多く、これをリモートで代行するなどで最初の一歩を補助していく。後者は、一般のSNSでは意図しない情報開示をしてしまう場合があったり、要らない広告や勧誘が目に入ったりするということがあるため、同社が24時間監視して表示しないように配慮。不正な書き込みや紛らわしい広告の無い安心して使えるコミュニティになっているという。コミュニティの更新情報などが分かる専用のストアアプリも用意した。
使いやすさと疲れにくさの面は、キーボード/マウスの入力インターフェイスを見直したほか、ヒューマンセントリックエンジンを活用。キーボードは押す指の位置に合わせての押下圧を変えたり、フィットする形状のデザインとしたり、バックライトもキー刻印が見やすいような配色や機構にした。マウスは老眼で見やすくなるように拡大縮小モードを備え、熟練したユーザーなら、Ctrlとホイール回転、ブラウザのフォントサイズ変更など自分で対応するが、一般的なユーザーが簡単に拡大縮小できるようにした。人や場所に合わせて色合いや明るさを変え、高音域を強調して、Skypeでの通話で孫の声が聞こえやすくなるような補正を行なう。
満足させる感性品質については、デザイン面をアピール。ガラス板をイメージしたキーボード面は、ツルツルにしてしまうと映り込みが起こったり指紋が残ったりしてしまうため、今回のような磨りガラス調として、指紋が付きにくく肌触りを良く、落ち着きのあるものとした。インターフェイスのレイアウトも特徴的で、左側面の手前側と、右側面の奥側に集中させて利便性を向上させたほか、タッチ操作で画面がぐらつかないよう、ディスプレイ側が接地して揺れないようにしたり、キーボードのバックライトを点けても消しても見やすい印字、フォントを採用した。
永田氏は「GRANNOTEが大人世代の豊かな生活を応援します」とした。
「LIFEBOOK TH」については、同社のタブレット、コンバーチブルの歴史から紹介。1991年にOSに「GO PenPoint」、「Windows for Pen Computing」を搭載したペンPCから始まり、2002年からはWindows XP Tablet Editionなどを搭載したコンバーチブルPCを展開。2010年を過ぎたあたりからタブレット、2-in-1の製品を投入してきた。しかし、筐体の厚さ、重さ、見た目の点で課題があったものを、これまで培ってきた技術を結集して進化させたのが、今回の製品だという。
コンセプトは、大画面を自由に回転しても耐えうる強さ、クラムシェルと変わらないデザイン性で、独自の「Shift Hinge」を新たに開発し、2-in-1 Ultrabookとしてこれらを両立したという。中央2軸のコンバーチブルとしては、かなり薄型化されている。ノートPC、タブレットの形状はもちろん、画面を回転させて隣の人に見せる「バリアススタイル」、液晶を180度回転させ本体をスタンドにする「シアタースタイル」の4つのスタイルを提案している。
スペック面においても妥協しない性能とし、筆圧1,024段階のワコム製デジタイザ、WQHD対応IGZO液晶、強化ガラスにDragontrailを採用。本体はねじれに強い独自の「超圧縮ソリッドコア」とした。スタイラスペンで電池が必要なく、本体に収納できる。PC本体、液晶、デジタイザ、強化ガラスのいずれも日本メーカーで構成されている。
永田氏は「企業だけでなく、個人のお客様でも欲しくなるような製品に仕上げている」と自信を見せた。
会場には今回の新製品が展示され、新しい回転ヒンジの構造も公開された。これまで同社が採用してきた中央2軸のヒンジでは、回転用が上下2つの円形の金属を用いて、上下方向それぞれからバネで押さえ摩擦によって回転力を調整していた。この摩擦力に面積が必要なため、回転の首の経は太くなりがちだった。
今回はこれを一新し、回転する首を左右からバネで挟んで固定、回転する方式に変更。首を細く、薄くできたという。左右から押さえる箇所は、首に180度ごと2カ所に凹みを設けて、バネで押す金属が填まり固定され、凹み以外は円形で回転しやすくなっている。この方式は特許出願済み。逆に、首を細くしたことで、配線なども工夫したという。クラムシェルとタブレットで液晶側の位置がずれるShift Hingeは、この首の回転軸を、首の円の中央では無く少しずらしているため、回すと自然にシフトできるようにしている。