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JDI、茂原工場をAIデータセンターへ転換。赤字体質脱却目指す
2025年2月13日 17:42
ジャパンディスプレイ(JDI)は12日、2026年3月を目途に千葉県茂原市の茂原工場でのディスプレイ生産を終了し、AIデータセンターとして活用することを発表した。同時に、石川県能美郡の石川工場に国内生産を集約することも明らかにした。
茂原工場のディスプレイ生産終了は、ディスプレイ産業における厳しい競争環境下での慢性的な赤字体質からの脱却を目的としている。JDIは従来のディスプレイ専業メーカーから「BEYOND DISPLAY」への戦略的転換を進めており、今回の決定はその一環となる。
同工場については、現在AIデータセンターのニーズのある複数企業と資産売却を前提とした交渉を進めている。同工場で生産中の車載用パネルについては、在庫の確保や石川工場への生産移管、ファウンダリパートナーからの調達により供給責任を果たす。OLEDディスプレイについては、自社生産を一時中断し、ファウンダリパートナーとの協議を進めている。
一方、生産を集約する石川工場は、茂原工場と比べて固定費が約4分の1と小さく、G4.5基板サイズを活用した先端半導体パッケージングやセンサー生産に適している。さらに、茂原工場のG6液晶セル工程の設備を移設し、「G4.5+G6」のMULTI-FAB工場として、高付加価値ディスプレイ、センサー、先端半導体パッケージングの同時生産体制を構築する。
今回の生産体制の見直しにより、年間約250億円の固定費削減を見込んでいる。なお、茂原工場の従業員の処遇は現在協業先との協議中、決定次第発表するとしている。