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Intel、デスクトップ向け「Core Ultra 200S」発表。高性能と低消費電力を両立

 米Intelは11日(日本時間)、デスクトップ向けプロセッサ「Core Ultra 200S」シリーズ(開発コードネーム:Arrow Lake-S)を発表した。本シリーズは従来のRaptor Lake-Rと比較して消費電力を抑えながら高い性能を発揮し、ゲーマーやクリエイターに好適とする。

 Core Ultra 9 285K/7 265K/7 265KF/5 245K/5 245KFの5つを24日(米国時間)に発売する。実売予想価格は順に589ドル(約8万7,556円)前後、394ドル(約5万8,568円)前後、379ドル(5万6,339円)前後、309ドル(4万5,938円)前後、294ドル(4万3,708円)前後の見込み。Core Ultra HおよびHXシリーズは2025年第1四半期のリリースを予定している。

 前世代より強化されたEコアとPコアをアーキテクチャに搭載する。EコアはIPC(サイクルあたりの命令数)が前世代に比べて32%向上しており、より深いキューイングやパラレル処理の最適化が図られている。各Eコアクラスターには4MBのL2キャッシュも搭載し、マルチタスクをより効率的に処理できるという。

 Pコアに関しては、IPCが前世代より9%向上しているほか、整数演算とベクター演算のアウトオブオーダーエンジンが分離され、各演算の処理が最適化されている。Pコアには3MBのL2キャッシュも搭載し、メモリサブシステムも強化されている。36MBの共有L3キャッシュも備えており、よりスムーズな処理を実現するという。

 内蔵GPUには、Xe-LPGグラフィックスアーキテクチャを採用する。4つのXeコアを搭載し、DirectX 12 Ultimateに対応する点を特徴とする。4つのレイトレーシングユニットも備えており、ゲームグラフィックスの品質が向上している。

 モバイル向けCore Ultraシリーズ2と比べて、大容量のキャッシュや強力なレイトレーシング機能を装備し、より高いグラフィックス処理能力を提供する。

 NPUには13TOPSの処理能力を持つNPU3を搭載し、AIを活用する用途でのパフォーマンスが向上している。

 チップレット構造には、同社の3Dパッケージング技術「Foveros」を採用する。複数のチップレットを積層して1つのパッケージに収めることで、Compute TileやI/O Tile、GPU Tile、SOC Tileといったチップレットがそれぞれのタスクに応じて効率的に動作する。

 Core Ultra 200Sシリーズは、最大で24コア(8P+16E)、5.7GHzのターボクロック、36MBのL3キャッシュを搭載し、高いマルチスレッド性能を発揮する。消費電力も大幅に削減されており、軽負荷の作業ではRaptor Lake-Rと比較して最大58%の省電力を実現しているという。

 本シリーズは消費電力性能比においても進化しており、Core Ultra 9 285Kにおけるゲームごとの評価では、Core i9-14900Kと同等のフレームレートを維持しつつ最大165Wのシステム消費電力の削減が可能だという。これにより、高負荷なゲームプレイ中においても低温かつ静音な動作が期待できる。

 チップセットはIntel 800シリーズで、デスクトップ向けとして初めてThunderbolt 4に対応するほか、Wi-Fi 7やオーバークロック機能もサポートする。Intel eXtreme Tuning Utilityや新しいメモリオーバークロック機能も用意する。