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着脱式ゲームコントローラが付いたゲーミングノートなど、変わり種もあったAcerの発表

IFAの会見でNitro Blaze 7を手に持ち紹介するAcer CEO ジェーソン・チャン氏

 Acerは、ドイツで9月6日(現地時間)より開幕する欧州最大のデジタル展示会IFA 2024に先だって記者会見を開催し、9月3日にIntelが発表した開発コードネーム「Lunar Lake」ことCore Ultra シリーズ2(以下Core Ultra シリーズ2)を搭載したノートPCなどを発表/展示した。

Core Ultra シリーズ2を搭載機は最長29時間なバッテリ駆動

Intel 上級副社長 兼 クライアントビジネス事業本部 本部長 ジム・ジョンソン氏(左)とCore Ultra シリーズ2について話すAcer CEO ジェーソン・チャン氏

 Acerは例年IFAの開幕前々日に年末商戦向け製品の発表や展示を行なっているが、今年も同様に開催された。ステージには、同社 CEO ジェーソン・チャン氏が、Core Ultra シリーズ2を搭載したノートPCなどを発表。ゲストとしてIntel 上級副社長 兼 クライアントビジネス事業本部 本部長 ジム・ジョンソン氏が呼ばれて、今回のCore Ultra シリーズ2を搭載製品は、IntelとAcerの長期間に及ぶパートナーシップの集大成だと強調した。

Acerの会見でSwift 14 AIを紹介するAcer CEO ジェーソン・チャン氏

 また、Core Ultra シリーズ2を搭載したノートPC、さらにRyzen AI 300シリーズ・プロセッサ(Ryzen AI 300シリーズ)を搭載したポータブルゲーム機、Qualcomm Snapdragon X Plus 8-core(以下Snapdragon X Plus 8-core)などの各社の最新プロセッサを搭載したCopilot+ PCなどを発表。参考展示として、開発中のゲームパッドが取り外せてワイヤレスのゲーミングコントローラとして利用できるゲーミングノートPCなどを披露した。

 IntelのCore Ultraを搭載したCopilot+ PCは「Swift 14 AI」、「Swift 16 AI」の2製品で、いずれもCore Ultra シリーズ2をプロセッサとして採用している。

Swift 14 AI
Swift 16 AI

 Swift 14 AIは、Core Ultra 7 258V/256V、Core Ultra 5 228V/226Vを選択可能で、Swift 16 AIはそれに加えて30WのPBPになるCore Ultra 9 288Vを選択できる。末尾の数字が8のモデルがメモリ32GB、6のモデルが16GBのメモリを搭載している。

 ディスプレイは14型が3Kないしは2KのOLED、16型が3K OLEDで、マルチタッチに対応。ストレージは最大で1TB(14型)または2TB(16型)。14型は65Whのバッテリで、ビデオ再生では29時間、MobileMark 2025で21時間の駆動が可能。16型は駆動時間が公開されていないが75Whのバッテリを内蔵している。重量は14型が1.26kg、16型が1.5kgからとなっている。

 いずれもOSはWindows 11で、Copilot+ PCに対応しており、11月にMicrosoftがCopilot+ PCのx86プロセッサ対応のアップデートに対応。米国での提供開始時期および価格は、Swift 14 AIが9月/1,199.99ドルから。Swift 16 AIが10月/1,199.99ドルからとなっている。

TravelMate P6 14 AI

 TravelMate P6 14 AIもCore Ultra シリーズ2を採用し、WQXGA+(2,880×1,800ドット)ないしはWUXGA(1,920×1,200ドット)の解像度となる14型ディスプレイを搭載している。重量は990gと1kgを切っており、軽量な製品を求めるユーザー向けの製品となる。

プロセッサはCore Ultra 7 268V/266V/258V/256V、Core Ultra 5 226V。ストレージは最大1TBで、65WhのバッテリでMobileMark 2025で14時間となっている。米国では1月から販売が開始され、価格は1,499.99ドルとなる。

廉価版のSnapdragon Xシリーズ、Ryzen AI 300シリーズを搭載したノートPCを発表

Swift Go 14 AI

 Swift Go 14 AIは、Snapdragonを搭載したCopilot+ PCの廉価版という位置づけという製品で、プロセッサにSnapdragon X Plus 8-core(X1P-42-100、最大3.2GHz)を採用している。最大32GBメモリ、最大1TBストレージ、14.5型 IPS+ WQXGA(2,560×1,600ドット)ないしはWUXGAのディスプレイとなっている。バッテリは65Wh、重量は1.32kgで、北米では9月から販売が開始され、価格は999.99ドルから。

Swift 14 AI AMD

 Swift 14 AI AMDは、プロセッサがRyzen AI 9 365(10コアCPU、Radeon 880M/12コア)で、メモリは最大32GB、ストレージは最大2TB、ディスプレイは14型のOLED(2,880×1,800ドット)、IPS+(2,880×1,800ドットないしはWUXGA)になっている。75Whのバッテリを搭載し、ビデオ再生では27時間、MobileMark 2025では17時間という駆動時間を実現。重量は1.32kg。北米では9月から販売が計画されており、価格は1199.99ドル

ポータブルゲーム機「Nitro Blaze 7」と、ゲームコントローラがはずれる「Project DualPlay」

 今回Acerは多くのゲーミング製品を発表したが、その中でも注目を集めたのはポータブルゲーム機となる「Nitro Blaze 7」。こうした製品は、Acerの競合となるLenovoやASUSなどがリリースしてきたが、Acerも6月のCOMPUTEXのタイミングで開発中であることを明らかにしており、登場が待ち望まれていた。

Nitro Blaze 7

 Nitro Blaze 7はプロセッサにRyzen 7 8840HSを搭載しており、メモリは16GB、ストレージは2TB。ディスプレイは7型フルHD(1,920×1,080ドット、144Hz、500cd/平方m)を搭載しており、50.4Whのバッテリでバッテリ駆動しながらPC向けのAAAタイトルをプレイすることが可能になっている。

 左右に各種のゲームコントローラが踏査しており、両手で左右を握りながらゲームをプレイできる。価格は現時点では未定で、今後投入される市場も含めて決定されて発表される見通しだという。

 また、開発コードネームで「Project DualPlay」と呼ばれる、取り外せるゲームコントローラを内蔵したゲーミングノートPCの参考展示を行なった。ボタンにより本体から切り離せるゲームコントローラを搭載し、PCにドッキングしている状態ではタッチパッドなどとして利用でき、切り離すと、ゲームコントローラとして使うことが可能。パッド部分から左右のコントローラ部分を取り外してワイヤレスで利用することも可能だ。

Project DualPlay。合体している時は普通のタッチパッドに見える
特定のキーを一緒に押すと外すことが可能になる
外していっている様子
外したところ、中央に見えるボゴピンで本体と接続した時にパッドとして使えるようにしている
さらにゲームコントローラ部分を分離できる
指さししている溝を本体側と合わせて挿入できる
合体後

 左右に内蔵されているスピーカーをワンタッチで引き出すことも可能になっており、外にせり出して使える。それによりより高品質なオーディオを楽しめるのも、1つの特徴だ。

 なお、このProject DualPlayは参考展示で、あくまでも開発中の製品となる。今後公開後に寄せられたフィードバックを元にさらに開発を進めて将来の製品に何らかの形で昇華していく計画だとしている。