KADOKAWA、出版事業は8月中旬以降におおむね回復

　株式会社KADOKAWAは29日、6月に発生したサイバー攻撃に関する事業活動の回復状況について、第4報を公開した。売上の大きい出版事業は、8月中旬以降にも出荷部数がおおむね回復できる見込みだとしている。

　同社では、サイバー攻撃にともなうサーバーシャットダウンにより、出版製造や物流のシステムが停止。以降、安全なシステム環境を構築するとともに、アナログ対応を実施し、生産高と出荷部数の減少影響の最小化に努めてきたという。これにより、6月は新刊が平常時と同等の水準を維持できた一方、既刊は出荷部数が平常時の3分の1程度まで減っていた。

　事案発生後は、事業活動の根幹である経理機能の立て直しと、売上規模の大きい出版事業の回復を最優先に取り組んでおり、経理機能はアナログ対応を含めてすでに平常状態に復旧。さらに、出版事業についても8月から段階的に出荷部数が回復し、中旬以降は1日あたりの出荷部数がおおむね平常時の水準に回復する見込みだと説明している。

　今後も、独自のDOT(書店とのダイレクト受発注システム)の再稼働や販売施策の強化を通じて、出荷保留分や店頭で品薄となっているタイトルの埋め合わせを図り、逸失した収益の奪回を進めていくとしている。

　なお、Webサービスについてはニコニコ動画をはじめとする主要サービスが8月5日に復旧し、9月以降は全面的なサービス復旧となる予定。MD事業についても、8月以降には影響がほぼなくなる見込みだとしている。