ニュース

本日クラファン開始の「AYANEO SLIDE」は「GPD WIN 4」と似てるけどココが違う!

AYANEO SLIDE

 株式会社天空は、AYANEO製のスライド式キーボード搭載ポータブルゲーミングPC「AYANEO SLIDE」の国内正規版を発表し、CAMPFIREを通じて本日よりクラウドファンディングを開始した。出荷は2月中旬を予定しており、価格はメモリ16GB/SSD 512GBモデルが15万3,800円、32GB/2TBモデルが18万7,000円。

 なお、CAMPFIREでは先着3名に限り、超早割の30%オフによりそれぞれ10万7,660円、13万900円で提供する。また、先着100名にはジョイスティックのキャップやキャリングポーチをプレゼントする。

AYANEO SLIDEの価格
先着3名に限り超早割の30%オフを実施

 クラウドファンディング開始に合わせ、天空は都内で発表会を開催し、AYANEO SLIDEの実機を展示するとともに、改めての製品紹介が行なわれた。また、AYANEOのCEOであるAuthur Zhang氏がWebで参加し、記者らのAYANEO SLIDEに関するさまざまな質問に回答した。

 AYANEO SLIDEに関して既に既存の記事が詳しいが、改めておさらいすると、以下のような特徴を持っている。

  • スライドして現れるキーボードを搭載したフォルム
  • Ryzen 7 7840U搭載で新しい3Dゲームをプレイできる性能
  • 1,920×1,080ドット表示対応の6型液晶
  • デュアルチャンネルスピーカーと独自のアンプアルゴリズムを採用したオーディオ
  • 3本の銅製ヒートパイプ、大型ファンを用いた強力な冷却(28W駆動可能)
  • ファン配置の工夫によりSSD/microSDカードの冷却
  • ホールセンサー採用のジョイスティックとトリガー
  • 背面2層カバー構造により、堅牢でネジが見えず、熱が手に伝わりにくいデザイン

 このうちスライド機構に関してZhang氏は、「当初の構想からかなり時間をかけて改善し、ようやく実現できた」と述べ、軽い力のプッシュでサッと開き、なおかつ30度傾けられる構造の開発に苦心したことを振り返った。

 この構造はもちろん、2000年代初頭に流行したキーボード付き端末(W-ZERO 3シリーズなど)をオマージュしたものだというのだが、6型という当時にはない大きさの液晶をバネで「カチャッ」と開かせるのは確かに容易ではないだろう。液晶後部を見れば分かるが、扇型のように広がっているユニークなバネの形状は、本製品ならではだ。

コントローラ部
本体背面
ファンのアップ
本体底面
本体上部
扇型のバネ

気になるGPD WIN 4との差別化要素は?

 同じ6型でスライド式、ゲームができるという意味では、同じく天空が扱っている「GPD WIN 4」がある。スペックも似通っているので、ある意味直接な競合と言えるかもしれない。

Authur Zhang氏

 この点についてZhang氏は「GPDはポータブルなゲーミングPCという意味では先駆者であり、我々もリスペクトしている。ただGPDの製品はどちらかと言うとUMPC(つまり小さなPC)を意識した製品であり、我々のAYANEO SLIDEはより真のパームトップゲーミングを意識したものだ」としてその違いを表わす。

 具体的に言えば、ゲームをプレイすることを最優先としたエルゴノミクスな形状、こだわったトリガーやボタンの配置、ネジがない美しい外観、そして3層のシェル構造などが挙げられる。

 こと3層構造に関して言えば、ネジが見えないことを実現しているだけでなく、筐体の堅牢性を引き上げること(もちろんバックカバーが2層になっているというのもあるが、前後パネル結合のネジ本数を増やして剛性を高めつつも、そのネジを見せない意味もある)、手にした際の体感温度を下げる効果があるとした。

3層構造の筐体
大型ファンの採用で静音性もかなりこだわっている

 さらにこのところAYANEOは復古調をウリにした「REMAKE」シリーズの一環としてAYANEO SLIDEを投入しているが、パッケージも1980年代のソニーのビデオテープを彷彿とさせるものになっている。この点も「先進的なイメージを持つGPD」とはやや性格が異なる。

古い製品をオマージュしたREMAKEシリーズ
1,920×1,080ドット表示対応の6型液晶ディスプレイ。なお、試作機ではポートレート液晶だった
ホール効果センサーのジョイスティックやトリガー
さまざまな設定をワンタッチで行なえるユーティリティAYASpace

 「近年はスマートフォンが代表するように、フォームファクタは実用重視でシンプルかつ単一なものに集約されつつある。しかしデバイスの黎明期はさまざまな形のデバイスがあり、その多様性こそが面白さの1つであった」と株式会社天空の代表取締役 山田拓郎氏は言う。来年投入されるAYANEO FLIPシリーズも含めて、AYANEOの今後の動向から目が離せない。

代表取締役 山田拓郎氏
CAMPFIREブランドグロース部⻑ 宇田川氏
CAMPFIREの紹介
多くのデジタルガジェットがCAMPFIREでのクラウドファンディングに成功している