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大日本印刷、3nm相当のEUV露光向けフォトマスク製造プロセスを開発

 大日本印刷株式会社は12日、EUV(極端紫外線)露光(リソグラフィ)に対応した、3nm相当のフォトマスク製造プロセスを開発した。スマートフォンやデータセンターに使われる半導体の高性能化に伴う、回路線幅の微細化のニーズに応えるものとしている。

 同社は2016年にフォトマスク専業メーカーとして、世界で初めてマルチ電子ビームマスク描画装置を導入。また、2020年には5nmプロセス相当のEUV露光向けフォトマスク製造プロセスを開発してきた。

 2016年に導入したこのマルチ電子ビーム描画装置は、約26万本の電子ビームの照射が可能で、複雑なパターン形状でも描画時間を大幅に短縮できる。今回、装置の特性を活かした製造プロセスを改善し、データ補正技術、EUV露光向けフォトマスクの複雑な曲線パターン構造に合わせた加工条件を最適化することで、3nm相当への対応化を実現した。

 大日本印刷は今後、新たにマルチ電子ビームマスク描画装置を増設し、2024年下期の稼働を開始する予定で、先端領域の半導体製造対応を強化。半導体メーカーのほか、半導体開発コンソーシアム、製造装置メーカー、材料メーカーなどに提供し、EUV露光の周辺技術開発を支援し、2023年には年間100億円の売上を目指す。

 また、imecをはじめとしたパートナーとの共同開発で、2nm以降のプロセス開発も進めていくとしている。