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大日本印刷、ナノインプリントリソグラフィ用のテンプレート量産体制を構築

 大日本印刷株式会社(DNP)は19日、次世代の半導体製造リソグラフィ技術と目されるナノインプリントリソグラフィ(NIL)で用いられるテンプレート(型)の量産を2015年中に開始することを発表した。

 NILは回路パターンが彫り込まれた型をウェハに直接押し当てて等倍で転写する製造技術となるが、実際に回路パターンを型押しするレプリカテンプレートが消耗するため、定期的な交換が必要となる。レプリカテンプレートはマスターテンプレートから作製するが、これまで20nm級ではマスターテンプレートの製造およびレプリカテンプレートへの安定的な複製が困難だったという。

 今回のDNPの発表は、この20nm級プロセスに向けたNIL用テンプレートの量産を2015年から行なうというもの。マスターテンプレートの製造に必要な高解像度描画装置の導入や、材料、条件の見直しにより20nm級のパターン形成技術を確立。加えて、徹底した工場のクリーン度管理や新しい基板洗浄技術の採用でレプリカテンプレートを安定的に複製できるようにした。

NILプロセスの工程(出典:DNP)

 同社では、NIL用テンプレートで2015~2016年度累計で50億円の売り上げを目指すほか、2017年までに15nm級テンプレート製造の技術開発を進めるとしている。また、同社は従来の光リソグラフィ用フォトマスクにおいて世界で15%のシェアを獲得しており、今後は光リソグラフィ用フォトマスクとNIL用テンプレートの双方を供給できる体制を訴求していく。

(多和田 新也)