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小さく運べて、大きく使える。折りたためる「ThinkPad X1 Fold」の開発秘話

浅井淳志

2023年11月28日 18:51

　レノボ・ジャパン合同会社は28日、16.3型の折りたたみ式有機ELディスプレイを搭載した「ThinkPad X1 Fold」の開発秘話や、ThinkPadでのサステナビリティへの取り組みに関する記者説明会を実施した。

　説明会では、同社執行役員常務大和研究所の塚本泰通氏や大和研究所 ThinkPadプラットフォーム第二先進ノートブック開発マネージャーの中村佳央氏、大和研究所サステイナブルテクノロジー&メカニカルQbD シニアマネージャーの天野将之氏が登壇した。

　ThinkPad X1 Foldは、開くと16.3型タブレット、折り曲げると12型ノートのように使用できる折りたたみ式PC。同社が2020年に発表した同名機種の新型で、昨年10月に発表され、今月より正式に出荷を開始する。

ThinkPad X1 Fold

　塚本氏は、ThinkPadの製品哲学として、ユーザーの生産性向上や、場所を問わない働き方の実現、イノベーションによる使いやすい製品の提供の3点に注力していると述べた。また、ハイブリッドワークやWeb会議における利便性向上にも重点を置いているほか、昨今ではサステナビリティも重要になっているとした。

　ThinkPadの開発では、特に若い層を対象としたモダナイズデザイン、従業員の生産性を上げる従業員体験、AI、持続可能性の4点に焦点を当てていると説明した。

レノボ・ジャパン合同会社執行役員常務大和研究所塚本泰通氏

　中村氏は、新型ThinkPad X1 Foldの特徴として、画面の大型化や多様な動作モードへの対応、キーボードなどの改善について語った。「Carry Small, Use Big」という同製品のコンセプトのもとで、前世代製品と比較して、ヒンジ構造がより隙間なく閉まるようになったほか、画面は狭額縁化しつつ13.3型から16.3型へ大型化を実現した。

レノボ・ジャパン合同会社大和研究所 ThinkPadプラットフォーム第二先進ノートブック開発マネージャー中村佳央氏

　また、同製品のデザインについて、どの動作モードにおいても機能が十全に使えるように、カメラやIOポート、アンテナ、スピーカーなどを配置したと述べた。キーボードも改良されており、TrackPoint搭載フルサイズキーボードやBluetoothキーボードとしては世界初を謳う感圧式のクリックパッドを備えたと紹介。

　サステナビリティについては、外観デザインを維持しつつ環境負荷を低減するような素材を採用したほか、ソフト面ではカメラを利用した消費電力の節電機能を実装したと語った。