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Premiere Proに強力なAI音声ノイズ除去機能。つなぎ言葉や無音の自動検出も可能に

スピーチを強調(Beta版)

 Adobeは、同社のビデオ製品「Premiere Pro」および「After Effects」に今後追加予定の新機能を発表した。Premiere Proでは録音状態の悪い音声をクリアにするAIノイズ除去機能など、After Effectsでは3Dモデルを読み込んでアニメーションさせられる機能などがそれぞれ追加される。ともに9月13日よりベータ版に実装され、今秋にも正式リリースとなる予定。

Premiere Pro

 Premiere Proでは、「スピーチを強調(Beta版)」が新たに利用可能となる。同社のPodcast向け編集ツール「Adobe Pocast」で人気だという「Enhance Speech」の機能がPremiere Proにも実装されるもので、録音状態が悪い会話の音声素材からノイズをワンクリックで簡単に除去し、音声をクリアにできる。AIを活用した機能となっており、効き具合なども調整できる。

 また、5月にリリースされた文字起こしベースの編集に関連し、「フィラーワード検出(Beta版)」が新たに追加。「えー」、「あー」といった言葉の間を埋める言葉(フィラー)や、息継ぎなどの無音を検出し、文字起こしベースの編集機能を通じてまとめて削除できる。マルチチャネルの音声ファイルに適用できるほか、どのぐらいの長さのものを検出するか設定もできる。

フィラーワード検出(Beta版)
スピーチを強調(Beta版)のデモ映像
フィラーワード検出(Beta版)のデモ映像

 さらに、カラー処理に関しても機能強化が図られており、自動トーンマッピングに新たなマッピング手法が3種類追加される。Lumetriカラーパネルにも新たに設定の項目が加わっており、カラーマネジメントに関する調整がしやすくなっている。

 そのほか、タイムライン処理の最大5倍高速化、非互換プラグインの検出などが可能なエフェクトマネージャーや自動復元機能の追加、内部コードの最適化といった改善も実施されている。

After Effects

True3Dワークスペース(Beta版)

 After Effectsでは、モーショングラフィックス作成機能を強化。3Dモデルを直接読み込んで、アニメーションやライティングなどを適用し、レンダリングまで行なえる「True3Dワークスペース(Beta版)」が実装され、3Dと2Dの素材を1つの画面に混在させて編集できるようになる。これにあわせ、高性能GPUにも対応できる新しい3Dエンジンを搭載した。

 また、オブジェクトを切り抜くロトスコープをアップデート。「ロトスコープ3.0」となり、新たにAIを活用することで、より正確に素早くオブジェクトを切り抜けるようになった。特に手足などが重なる場面や透明感のあるエレメントに適用した際の精度が改善されているという。

ロトスコープ3.0では手足が重なるようば場面でも正しく切り抜けるように
True3Dワークスペース(Beta版)のデモ映像
ロトスコープ3.0のデモ映像

Frame.io

アセットを並べて比較できるように

 コラボレーション機能のFrame.ioについても改善を実施。これまで動画で利用できていた比較機能が音声、画像、PDFなどさまざまなアセットでも利用できるようになる。比較しながらコメントや注釈を追加できるため、より柔軟なレビューや承認作業が可能になる。

 そのほか、カメラから直接データをクラウドに取り込むCamera to Cloudの対象機器を拡大。エンタープライズ向けには、顧客が契約しているAWS S3とFrame.ioを直接リンクできる「Frame.io Storage Connect」も新たに提供する。

顧客のストレージとFrame.ioを直接接続できるFrame.io Storage Connect