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NEDO、速度2.8倍、電力20%減の5Gコアネットワーク開発

 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)およびNECは、従来と同じ消費電力でデータ転送速度を2.8倍向上させ、消費電力20%減を実現しつつ、クラウド技術による柔軟性や高信頼性を併せ持った5Gコアネットワーク(5GC)を開発したと発表した。

 データ転送速度の向上においては、CPUなどのリソース利用効率を改善してパケット転送効率の向上を実現するとともに、ソフトウェア処理を汎用ネットワークカードへオフロードすることで高効率化。消費電力あたりのスループットを、従来と比較して最大2.8倍に高めた。

 また、トラフィックの時間変動に合わせてハードウェアリソースを動的制御することで省電力化を実現。トラフィックの閑散時の消費電力を従来から最大20%削減させたという。

 柔軟性では、コンテナ化技術や分散ソフトウェア技術、マイクロサービスアーキテクチャといったクラウド技術を用いた。マイクロサービス単位でのシステムの配備・運用が可能となることで、モジュールの新設/増設にかかる時間を従来の10分の1に短縮できるという。

 一方で、テレコムネットワークの制御特性に応じた可用性モデルを実現し、サービスを中断することなく機能をアップデートを可能とした。さらに、過剰な負荷が集中した際にもシステムダウンしない仕組みを搭載するなど、信頼性を向上させたという。

 このほか、ネットワークの設定/制御に外部のネットワークシステムからアクセスを可能とするオープンAPIを搭載し、5GCを産業ITシステムの延長として直接利活用できるようにするなど、産業ITシステムを融合した本格的な5Gサービスの展開に向けての活用が可能としている。