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ソニー、ハイエンドスマホ「Xperia 1 V」は新イメージセンサー搭載。7月末にはSIMフリー版も
2023年5月11日 13:06
ソニーは、最新フラグシップスマートフォン「Xperia 1 V」およびミドルレンジスマートフォン「Xperia 10 V」を発表した。日本を含むグローバルで発売予定。同時に、Xperia 1 V SIMフリーモデルの国内発売も発表。こちらは7月末以降に発売予定となっている。
Xperia 1 V
Xperia 1 Vは、Xperiaのフラグシップモデル「Xperia 1」シリーズの最新モデル。従来モデルの特徴を受け継ぎつつ、最新SoC採用による性能強化やカメラの進化などを実現している。
日本を含むグローバルでの発売を予定しているが、今回発表されたのはグローバルモデルで、国内通信事業者モデルの仕様は現時点では未発表(一部通信事業者から6月下旬以降に発売予定)。
なお、国内通信事業者モデルに先行して発表された国内向けSIMフリーモデル「Xperia 1 V XQ-DQ44」は、7月下旬以降に発売予定。5月23日午前10時よりソニーのインターネット直販サイト「ソニーストア」や国内のソニー直営店「ソニーストア」、一部の家電量販店、ECサイトにおいて順次予約販売の受付を開始する予定。実売予想価格は19万5,000円前後の見込み。
デザインは従来モデルからほぼ変更はなく、メタルフレームとガラスを組み合わせたおなじみのデザインを採用するが、背面ガラスにテクスチャを施すことで滑りにくくなっている。ガラスは、表に米国Corning製強化ガラス「Gorilla Glass Victus 2」、裏に「Gorilla Glass Victus」をそれぞれ採用する。
カメラ機能
Xperia 1シリーズで最も注力されているカメラは、ポートレート撮影にこだわって機能を進化させてきているが、Xperia 1 Vでは新型イメージセンサーと画像処理技術によって、いつでもどこでも印象的なポートレートが撮影できるように進化しているという。
最大の進化となるのが新型イメージセンサーの採用で、広角レンズのみとなるが、新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for Mobile」を採用している。
Exmor T for Mobileでは、これまで1層にまとめて搭載していたフォトダイオードとトランジスタを2層に分離して積層することで、フォトダイオードを拡大。また、イメージセンサーのサイズも従来までの1/1.7型から1/1.35型へと大型化。これにより低照度性能を2倍に強化した。この新型センサーに、高速重ね合わせなどの画像処理技術を組み合わせることで、低照度環境でも圧倒的な画質の写真が撮影できるという。
この新型センサーは有効画素数が約4,800万画素(フル画素数は約5,200万画素)だが、4ピクセルを1ピクセル相当として利用するピクセルビニング技術を採用しており、記録画素数は1,200万画素となる。これにより、高い低照度性能と高精度のオートフォーカス性能を両立している。
このほか、AIにより正確なホワイトバランスや露出の調整が行なえたり、一眼カメラ「α」シリーズの技術も活用しつつAIで深度を予測することで、ToFセンサーが苦手としていた周辺部や遠くの被写体にも高精度で合焦できる高精度なオートフォーカスも実現している。
カメラのレンズ構成や、広角レンズ以外に採用されるイメージセンサーはXperia 1 IVと同じ。レンズ構成は、超広角レンズが16mm(35mm換算)/F2.2、広角レンズが24mm(同)/F1.9、望遠レンズが85~125mm(同)/F2.3~2.8の光学式ズームレンズの3眼構成。イメージセンサーは、超広角レンズが1/2.5型1,200万画素、望遠レンズが1/3.5型1,200万画素となる。なお、AIによる深度予測を採用したことでToFセンサーは省かれている。
ムービー機能
動画撮影機能としては、ソニーのビデオカメラやαシリーズなどに搭載されているピクチャープロファイル「S-Cinetome」をXperiaに最適化した「S-Cinetome for Mobile」や「Creative Look」を搭載。カラーグレーディングを施さなくても人肌の質感を綺麗に描写する動画を撮影できる。
同時に広角レンズの新型イメージセンサーはアスペクト比が4.3:3と一般的なものよりも幅が広くなっており、動画撮影時には静止画よりも横に広いエリアを確保でき、手ブレ補正の性能も向上している。
VLOG機能としては、ソニーのVLOGカメラ「VLOGCAM」の機能を追加。その1つが製品レビュー用設定で、撮影者の顔ではなく手前の物体に優先的にピントが合わせられる。また、背面のカメラユニットに声優先マイクを搭載することで、被写体の声を鮮明に集音できるようになっている。
ゲーム機能
ゲーム関連機能としては、ゲーム向けアプリ「ゲームエンハンサー」の使い勝手を向上させるとともに、ゲーミングギア「Xperia Stream」の利用にも対応し、高負荷なゲームも長時間安定してプレイ可能という。同時にゲーミングパフォーマンスもXperia 1 IVと比べて約30%向上している。
その他スペック
ディスプレイは、1,640×3,840ドット表示、HDR表示、リフレッシュレート最大120Hzに対応するアスペクト比21:9の6.5型有機ELパネルを採用。視聴環境やコンテンツに応じてフレームごとに解析を行なって輝度のトーンカーブを最適化し、HDRコンテンツの視認性を向上させる「リアルタイムHDRドライブ」も引き続き対応している。
フロントステレオスピーカー「フルステージステレオスピーカー」はアンプを強化することで音圧を約10%、低周波数域はより大きく向上。プロレベルの録音体験を提供するアプリ「Music Pro」では、新たにピアノの集音に対応している。
SoCはSnapdragon 8 Gen 2を採用。従来モデル搭載のSnapdragon 8 Gen 1比で電力効率を約40%改善するとともに、カメラ動作時の消費電力を約20%改善。本体内蔵の熱拡散シートの体積を約60%拡大することにより、ハイパフォーマンスを長時間持続できるという。
5GはSub-6およびミリ波に対応。なおSIMフリーモデルは5G Sub-6のみ対応となる。SIMはNano SIMおよびeSIMに対応。
メモリ/内蔵ストレージは12GB/256GBまたは16GB/512GBで、SIMフリーモデルは16GB/512GB。外部ストレージとして最大1TBのmicroSDカードを利用可能。外部ポートは、USB Type-Cと3.5mmオーディオジャックを用意。物理ボタンは、指紋認証センサー一体型電源ボタン、ボリュームボタン、シャッターボタンを右側面に用意。
バッテリ容量は5,000mAhで、3年間劣化しにくく、30分で約50%の充電できる急速充電が可能。Qi準拠のワイヤレス充電、おすそわけ充電にも対応。防水・防塵性能はIP65/68準拠。SIMフリーモデルはおサイフケータイをサポートする。
サイズは71×165×8.3mm、重量は187g(グローバルモデル、SIMフリーモデルとも同じ)。このほか、縦置きにも対応するスタンドを備える純正カバーが周辺機器として用意される。
【表1】Xperia 1 Vの主な仕様 | ||
---|---|---|
モデル | グローバルモデル | 国内向けSIMロックフリーモデル (Xperia 1 V XQ-DQ44) |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 | |
メモリ/内蔵ストレージ | 12GB/256GBまたは16GB/512GB | 16GB/512GB |
外部ストレージ | 最大1TB microSDカード | |
ディスプレイ | 6.5型1,640×3,840ドット有機EL(アスペクト比21:9、HDR、リフレッシュレート最大120Hz) | |
リアカメラ | 超広角:16mm/F2.2、1/2.5型1,200万画素 広角:24mm/F1.9、1/1.35型有効画素数4,800万画素(フルアスペクト画素数5,200万画素、記録画素数1,200万画素)、光学式手ブレ補正 望遠:85~125mm/F2.3~2.8 光学式ズーム、1/3.5型1,200万画素、光学式手ブレ補正 全センサー120fps高速読み出し対応 | |
フロントカメラ | 1/2.9型1,200万画素 | |
ネットワーク仕様 | Sub-6/ミリ波(対応モデルのみ) | Sub-6 |
対応SIM | Nano SIM+eSIM(地域によって異なる) | |
対応ネットワークバンド | - | 5G:n1/n3/n5/n28/n41/n77/n78/n79 4G:Band 1/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/21/26/28/38/39/40/41/42/66 |
オーディオ | フロントステレオスピーカー「フルステージステレオスピーカー」(音圧10%向上)、3.5mmオーディオジャック (DSEE Ultimate/360 Reality Audio/360 Reality Audio Upmix/Music Pro対応) | |
防水・防塵 | IP65/68 | |
生体認証機能 | 電源ボタン一体型指紋センサー | |
外部ポート | USB Type-C、3.5mmオーディオジャック | |
おサイフケータイ | - | 対応 |
バッテリ容量 | 5,000mAh、3年間劣化しにくい | |
ワイヤレス充電 | 対応 | |
サイズ/重量 | 71×165×8.3mm/187g | |
カラー | ブラック、カーキグリーン、プラチナシルバー | ブラック、カーキグリーン、ホワイト |
Xperia 10 V
「Xperia 10 V」は、Xperiaミドルレンジシリーズの最新モデル。こちらも従来モデルの特徴を受け継ぎつつ仕様を強化している。
カメラは、従来モデル同様に16mm超広角レンズ、光学式手ブレ補正対応26mm広角レンズ、54mm望遠レンズの3眼仕様だが、広角レンズに採用される撮像素子が従来モデルの1/2.8型センサーから1/2型へと大型化。また有効画素数が4,800万画素、記録画素数が1,200万画素となった。この新センサー採用により、低照度性能が60%高められ、より鮮明な夜景撮影が可能となっている。
ディスプレイは表示解像度が1,080×2,520ドット、アスペクト比21:9の有機ELパネルという点は従来と同じだが、サイズが6.1型へと大型化され、輝度も約1.5倍に高められた。これにより屋外での視認性が高められている。
このほか、2つのスピーカーを前面に均等に配置したフロントステレオスピーカーを採用。音圧も約20%高められ、バランスのいい迫力のあるステレオサウンドを楽しめる。3.5mmオーディオジャックの搭載やハイレゾ音源対応などの特徴はそのまま受け継がれている。
3年間劣化しにくい仕様の5,000mAhの大容量バッテリを搭載する点は従来同様で、長時間の利用を実現。サイズはディスプレイが大型化したことで、68×155×8.3mmと幅が1mm、奥行きが2mm増えたが、重量は159gと従来モデルから約2gの軽量化を実現。ソニーは、容量5,000mAh以上のバッテリを搭載する5Gスマートフォンとして世界最軽量としている。
SoCはSnapdragon 695 5Gで、メモリは6GB、内蔵ストレージは128GB。5GはSub-6のみ対応で、SIMはNano SIMとeSIMに対応。IP65/68準拠の防水・防塵仕様で、ディスプレイ面に強化ガラス「Gorilla Glass Victus」を採用し耐久性も高めている。カラーはブラック、ホワイト、セージグリーン、ラベンダーの4色を用意。背面のマット感が高められており、より指紋が目立ちにくくなっている。
【表2】Xperia 10 Vの主な仕様 | |
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SoC | Snapdragon 695 5G |
メモリ | 6GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | microSDカード |
ディスプレイ | 1,080×2,520ドット6.1型有機EL、アスペクト比21:9、HDR、従来より輝度が約1.5倍に向上 |
リアカメラ | 超広角:16mm/F2.2、800万画素 広角:26mm/F1.8、1/2.0型 有効画素数4,800万画素(記録画素数1,200万画素)、光学式手ブレ補正 望遠:54mm/F2.2、800万画素 |
フロントカメラ | 800万画素 |
5Gネットワーク | Sub-6 |
対応SIM | Nano SIM+eSIM(地域によって異なる) |
オーディオ | フロントステレオスピーカー、3.5mmオーディオジャック (ハイレゾ音源/DSEE Ultimate/360 Reality Audio/360 Reality Audio Upmix対応) |
防水・防塵 | IP65/68 |
生体認証機能 | 電源ボタン一体型指紋センサー |
外部ポート | USB Type-C、3.5mmオーディオジャック |
バッテリ容量 | 5,000mAh、3年間劣化しにくい |
サイズ/重量 | 68×155×8.3mm/159g |
カラー | ブラック、ホワイト、セージグリーン、ラベンダー |