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2022年度の国内PC出荷は過去2番目の低水準も金額は増加。JEITA調べ
2023年4月25日 10:15
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2022年度(2022年4月～2023年3月)の国内PC出荷実績によると、出荷台数は前年比3.6%減の690万3,000台、出荷金額が9.2%増の7,617億円となった。
現在の調査方法となった2007年度以降では、2017年度の676万7,000台に次いで、過去2番目に少ない出荷台数に留まった。年間700万台を割り込んだのも2017年度以来、5年ぶりとなった。
2020年1月のWindows 7のサポート終了、2020年度からのGIGAスクール需要の推進、コロナ禍におけるテレワーク需要の促進といった要因から、2019年度は947万5,000台、そして、2020年度は過去2番目に高い水準となる1,208万3,000台の出荷規模に達していたが、2021年度からはその反動が見られ、年間出荷台数は716万3,000台に縮小。2022年度はさらに市場が縮小した格好だ。この傾向は、Windows 10のサポート終了やGIGAスクールの更新需要が見込まれる2025年度までは続きそうだという見方が支配的だ。
だが、その一方で注目しておきたいのが、出荷金額の増加だ。
出荷台数は前年割れとなっているが、出荷金額は9.1%増と高い伸びを見せており、第4四半期(2023年1月～3月)は前年比14.4%増を記録。2022年6月から、10カ月連続で前年実績を上回っている。
この背景にあるのは、部材価格や物流価格の高騰などを背景にした本体価格の上昇だといえる。2022年度に入ってからは、部品調達の遅れなどの状況も加わり、PCの価格上昇が顕著にみられ、2022年6月にはアップルも値上げを発表。PCメーカー各社も新製品の切り替えにあわせて、価格を上昇させるといった動きが相次いだ。
出荷金額を出荷台数で割った平均単価を比較すると、2021年度は9万7,389円であったが、2022年度は11万343円となっており、平均単価は13.3%も上昇している状況にある。とは言えPCの価格上昇が、販売台数の減少に影響しているとの指摘も一部にはある。
なお、2022年度の国内PC出荷実績を製品カテゴリ別に見てみると、ノートPCは出荷台数が前年比3.6%減の573万5,000台、出荷金額は10.1%増の6,129億円。そのうち、モバイルノートは出荷台数が前年比0.7%減の255万2,000台、出荷金額は16.7%増の2,641億円。ノート型その他は出荷台数が前年比5.7%減の318万2,000台、出荷金額は5.5%増の3,488億円となった。
また、デスクトップPCは、出荷台数が前年比3.9%減の116万8,000台、出荷金額は5.6%増の1,488億円。そのうち、オールインワンは出荷台数が前年比11.2%減の22万4,000台、出荷金額は14.5%減の347億円、単体は出荷台数が前年比2.0%減の94万4,000台、出荷金額は13.7%増の1,141億円となった。
出荷台数ではすべての製品カテゴリでマイナス成長となり、出荷金額ではオールインワンを除く、すべての製品カテゴリでプラスになった。
BCNの集計結果も発表。ASUSが好調
一方、家電量販店などのPOSデータを集計しているBCNも、2022年度(2022年4月～2023年3月)までのPC販売実績について公開。PC全体では前年比11.1%減と2桁のマイナスとなったほか、ノートPCは前年比11.3%減、デスクトップPCは前年比9.4%減と、いずれも10%前後の大幅なマイナスとなった。
メーカー別シェアを見てみると、2022年度のトップシェアとなったのは富士通クライアントコンピューティング(FCCL)で20.1%のシェアを獲得。前年度の2位から首位を奪還した。デスクトップPCで、30.6%という高いシェアを獲得したことも貢献している。
2位は、NECパーソナルコンピュータで20.0%と、首位のFCCLとはわずか0.1ポイント差となった。ノートPCでは引き続きトップシェアを獲得している。
3位に入ったのがASUSで、14.3%のシェアを獲得。前年度よりも0.3ポイントのシェア上昇となっている。2年連続で3位のポジションを獲得しており、量販店市場においては、ASUSが定着していることが分かる。ノートPCでは前年度に続いて3位のシェアを獲得。デスクトップPCでは、前年度から順位を1つあげて4位となっている。
4位以下は、レノボ・ジャパンの11.2%、アップルの11.0%、Dynabookの8.3%、日本HPの5.2%と続いている。
