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龍芯、独自CPU命令アーキテクチャ「LoongArch」を採用したSBC

龍芯派LA-Q2(LoongArch版本)

 中国の龍芯が開発した独自CPU命令アーキテクチャ「LoongArch」の「2K1000LA」プロセッサを搭載した開発者向けシングルボードコンピュータ「龍芯派LA-Q2(LoongArch版本)」が、中国の電子部品販売サイト“iCEasy商城”に登場した。価格は1,999人民元(約3万7,914円)。

 LoongArchは“いかなるCPU特許にも抵触しない”という龍芯独自のCPU命令アーキテクチャで、2,000個近い命令からなる。ベースとなる命令セットに加え、バイナリ変換に関する拡張命令(LBT)、ベクタ処理拡張命令(LSX)、アドバンスドベクタ処理拡張命令(LASX)、および仮想化拡張命令(LVZ)を持つ。この命令セットは2021年に発表されたが、製品化は初とみられる。

 龍芯はそれまでMIPS命令アーキテクチャをベースとしたプロセッサを開発してきたが、LoongArchはMIPSを一切含まないため、中国国外の企業から一切命令ライセンスを受けることなく製造可能。また、古い要素を省くことで、低消費電力と容易なソフトウェア/仮想マシン開発を実現した。

 龍芯派LA-Q2(LoongArch版本)では、この命令アーキテクチャを採用したGS264 CPUコア(デュアルイシュー、スーパースカラ、アウトオブオーダー実行)を2基搭載した龍芯2K1000LAプロセッサを採用。製造プロセスは40nm。最大クロックは1GHz、ピーク演算速度は8GFLOPS、最大消費電力は5Wで、2D/3Dグラフィックス機能も内蔵する。

2K1000LAプロセッサ

 2GBのDDR3メモリを搭載した。BIOSは8MbのSPIフラッシュ。25基のGPIO、2基のGigabit Ethernet、PCI Express x1スロット、USB 2.0×2、HDMI出力、CANなども搭載する。ストレージインターフェイスはM.2で、SSDに対応。電源は12V/3A DC。フォームファクタはNano-ITX(120×120mm)。OSはSylixOS。